時に楽しく時に厳しく学びたい学生が多く志望。嘘をつかずに真摯に向き合うことがモットー【sand Ginza 河野涼さん】#1
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
今回は、「誰もが笑顔になれる場所」をテーマに、多くのお客様を幸せに導くサロン「sand」にフォーカス。お話を伺ったのは、スタイリストとして活躍しながら、採用を担当しているsand Ginza所属の河野涼さん。4回にわたりsandの採用事情に迫ります!
第1回目は、sandの採用事情について。採用フロー、求める人材など、採用全般についてお聞きします。
お話を伺ったのは…
sand Ginza 河野涼さん
前職を経て、2019年にsandに入社。前職でリクルートを担当していたことから2年前に採用担当に就任。会社説明会や外部で行われる就職イベントに精力的に参加し、sandの認知度&募集人数アップに励んでいる。
新卒の合否決定は一次面接が要に。中途はお互いのすり合わせによって決定
――最初に、河野さんが採用担当になった経緯をお聞かせください。
採用担当に選ばれたのは、約2年前。sandに中途入社をして5年目になりますが、転職前に働いていたサロンで採用に携わっていたことがきっかけです。それ以前は、カリキュラムを作成して指導を行う教育チームに所属していました。
――sandの採用事情について伺います。
新卒と中途それぞれについてお聞かせください。
まずは新卒について。ガイダンスを3月より行い、エントリー募集を開始します。そして、面接をしていくような流れです。
中途は各店舗の人員不足により随時募集をし、理由があって転職をするわけなので面接ではお互いの要望をすり合わせるようにしています。
――新卒をメインにお話を伺います。
次にフローについて教えてください。
書類選考はなし。エントリーいただいた人全員が一次面接に進み、必要であれば二次面接の案内をします。
――二次面接が必要な場合とは?
一次面接で見極めきれないと感じた場合です。よくある例でいうと、緊張によって本来の良さが発揮されていないと感じたり、相手を知るには話し足りないことがあったり。主に、こちらが相手について汲み取りきれないと感じたときに二次面接をお願いしていますね。
楽しく時に厳しい環境を求める学生が圧倒的
――sandを志望する方はどんな人が多いですか?
楽しく居心地の良い環境で働きたい人でしょうか。スタイリストとしての目標を持っていて、それに向かって頑張れるような。仲間内で楽しい場面を共有しながらも、切り替えて練習に真摯に向き合える人が多い印象です。
スタッフが働く環境がお客様に良くも悪くも伝染するという考えから、sandは和気あいあいとした雰囲気作りを意識しています。実際にスタイリストとアシスタントの仲がとても良く、プライベートでも食事に行ったり、一緒に旅行したり。スタッフ同士の距離感が近いところに憧れて志望する学生は少なくありません。
――sandとして求めている層でもある?
そうですね。基本的には「みんな仲良く・楽しく」を打ち出していますから、協調性がある人が望ましいです。ただし、周りとの協調性を大事にするあまり、自分の意見が言えないとか、人の意見を優先し過ぎていると少し頼りないと感じてしまいます。
協調性も大事にしながら、自分の意見や目標をしっかり言える人がsandを盛り上げられるのではないかと思っていて。今までとは少し雰囲気の違う人もどんどん採用し、会社自体の新陳代謝を活発にしていきたいと考えているところです。
――人材獲得のために、sandが独自で取り組んでいることはありますか?
sandの認知度を上げるために、会社説明会や就職フェアなどのイベントに積極的に参加しています。
個人的に採用に関わるうえで大切だと思うのは、「募集人数を集める」こと。そのためにはある程度の「認知度」を獲得する必要があります。認知度強化のために、学生向けのイベントは必ずチェックをして接点を持つようにしています。
ただ、会社説明会やイベントは他サロンも当然力を入れていますし、一サロンに設けられた時間には限りがあります。そこで始めたのが、美容学生のための講習会なんです。
――講習会とは、どのようなことをするのでしょう?
SNSのセルフブランディングの方法や技術の基礎である前髪カットの仕方など…美容学生が知りたい知識が学べます。sandの志望の有無に関わらず、美容学生なら無料で参加可能なんです。
――参加された学生の声は?
やはり、勉強になったと言ってもらえることが多いですね。実際にサロンに来てみることでsandの雰囲気が分かり、志望度が高まったという学生もいました。
嘘をつかずに真っ直ぐに向き合う気持ちが大事。学生の夢を徹底的にサポートしたい
――採用担当者として心がけていることは何ですか?
美容学生の方からsandで働きたいと思ってもらえるようにいろいろな取り組みをしていますが、嘘はつかないようにしています。
――その考えになったきっかけがあるのでしょうか?
実は、以前所属していたサロンでリクルート担当をしていたときのことが教訓になっていて。当時はとにかくたくさんの学生のエントリー数がほしくて、説明会ではサロンの「良いところ」ばかりお伝えしていたんです。その結果、入社後何年と持たずに辞めていく人が絶えませんでした。良いところばかり話されたら、誰でも理想は高くなりますよね。過去の経験を活かして、少しでも学生が入社後にギャップの差を感じないようにサロンのありのままをお話しています。
あとは、愛のある指導を心がけています。その人のスタイリスト人生にとって少しでもためになってほしい気持ちから必要なときはしっかり注意するし、良いと思ったことは必ず褒めます。スタッフ間の関係が良好であることは前提ですが、スタイリストとして一人前になってもらうために馴れ合いにはなりたくないんです。どう教えたら良いのか悩みながら日々向き合っています。
取材・文/東 菜々