明確なビジョンで未来を切り拓く。開業から約4年で鍼灸接骨院と整形外科の連携を実現「ほねごり」丸山洋生さん
日本の健康を支える治療業界の魅力を紹介する本企画。今回登場いただくのは、2013年に一接骨院として開業し、2014年には法人化、現在は関東に鍼灸接骨院を44院展開するまでに急成長を続けている「株式会社ほねごり」です。
前編ではアルバイトとして入社し、それ以降11年間「ほねごり」一筋にキャリアを積んできたHR部 部長の丸山洋生さんに、企業の成り立ちや理念、「ほねごり」の特徴を伺いました。
「ほねごり」の最大の特徴は、鍼灸接骨院だけでなく、3院の整形外科の運営も行っていること。自社内で接骨院と整形外科を連携することで、患者様が安心して治療を任せられる環境を構築しているといいます。
また将来的には総合病院の設立を予定し、最終的には動物園や水族館の開業も視野に入れているという「ほねごり」。患者様が痛みから解放されるだけでなく、だれもが安心して楽しく生きられる街づくりをするという壮大なビジョンを掲げています。
お話を伺ったのは・・・
株式会社ほねごり
HR部 部長
丸山洋生さん
大学在学中の2014年から、「ほねごり」の前身である小山小学校前整骨院でアルバイトを始める。柔道整復師の資格を取得後、社員として「ほねごり」に入社。現在はHR部 部長として、採用全般に携わる。
約10年で接骨院44院、整形外科3院を展開するまでになった急成長企業
――「ほねごり」の企業の成り立ちを教えていただけますか。
2013年4月に小山小学校前整骨院という名前で、代表の阿部と前田のふたりで開業したのが始まりです。2014年には法人化し、現在は東京、埼玉、神奈川に44院を展開しています。その後2018年には整形外科を開業し、現在は3院を運営するまでになりました。
――整形外科も運営されているとのことですが、それはなぜですか?
鍼灸接骨院と整形外科の医療を連携させたいという思いからです。たとえば、患者様が痛みを感じたときに、整形外科でレントゲンを撮ってもらったほうがいいか、鍼灸接骨院に行けばいいか、はたまた街のマッサージ店に行くかということで悩む方は多いと思います。実際、鍼灸接骨院に来院いただいたけれど、整形外科でレントゲンを撮ったほうがいいとこちらが感じるケースも少なくありません。
「ほねごり」であれば、自社のなかで整形外科と連携することができるので、患者様も迷うことなく安心して来院していただくことができます。将来的には総合病院も設立予定です。「健康」というキーワードの元であらゆる分野に「ほねごり」が参入し、地域の方々が安心して暮らしていくための「健康のプラットフォーム」を創造していきたいと考えています。
――経営理念を教えてください。
「1人ひとりの心と体に寄り添い、毎日を笑顔に」が理念です。これを実現するために、施術にもこだわっています。
――施術には、どんな特徴があるのでしょうか。
カウンセリングにじっくり時間をかけて1人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を提供すること、そして、筋肉だけでなく、骨格、神経の三方からアプローチして、効果的な施術を行うということにこだわっています。
そのなかでもとくに、重視しているのが骨へのアプローチです。骨がゆがむと、体の一部分に大きな負荷がかかったり、体の左右差が出たりすることもあるためです。
また施術と同じくらい重要だと考えているのが患者様の日常生活のケアです。最近は枕やインソールなど、かなりこだわった品をオーダーメイドで提供することに力を入れています。患者様が本当の意味で健康になることを常に模索しており、かなりお節介な治療院だと思っています(笑)。
――技術力を高めるためには、研修内容も重要になってきそうですね。
ええ、「ほねごり」では入社から1カ月間は本社でみっちり研修を行います。基本的には1週目は座学を学んでもらい、その後3週間を使って技術の研修を行う形です。あまり経験がない方でも安心して技術を学び、働ける環境が整っています。
整形外科や病院経営の構想。高い志に魅了されて
――丸山さんが、「ほねごり」に入社された理由は?
私は学生時代にアルバイトとして「ほねごり」の前身である小山小学校前整骨院に入社しているのですが、当初は自宅と学校の間に治療院があり、高校の同級生がアルバイトをしていること、家から近いという理由だけでアルバイトに応募しました。ただその面接の席で代表の阿部から「将来的には法人化して、整形外科や病院を作る」という壮大なビジョンを聞いて、驚いてしまって。そのビジョンにワクワクして、入社を決めたんです。
小山小学校前整骨院は中古の一軒家のような建物に院を構えていたため、面接は6畳ほどの畳の部屋で行われたのですが、その場には不釣り合いに思えるような大きな夢を聞かされて、そんなことが本当に実現するのか、でももし本当に実現したらすごいことだと思いました。整骨院が整形外科や病院を作るなんて聞いたこともありませんでしたから。
それまでの私は柔道整復師を目指すことは決めていましたが、志のようなものは正直ありませんでした。でも、ここで初めて、自分の目標、進むべき道が分かった気がしたんです。そこから11年間、ずっと阿部や前田と一緒に走り続けてきました。
――そして実際に、創業からたった4年半ほどで整形外科を開業するという夢を実現してしまったわけですね。
そうです。ビジョンを明確に描き、そこから逆算して、スピード感を持って取り組むことで、目標としてきたことを何度も形にしてきました。その繰り返しによって、ここまで大きな会社に成長することもできたと思っています。
この明確なビジョンこそが、私たちの強みです。弊社に応募してくれる方の多くが、このビジョンや、描いている未来のスケールの大きさにワクワクして入社を決めてくれます。「ほねごり」においては働きやすさもこだわってよりよいものに改善しようと思っていますが、それ以上に夢を一緒に実現できる楽しさ、やりがいを感じてくれる仲間が集まっています。
まだまだ伸びしろがある業界。「ほねごり」で可能性を追求してほしい
――丸山さんが考える「ほねごり」で働くことのやりがいは?
柔道整復師として患者様の施術にあたる以外にも、さまざまなキャリアが用意されていることです。私は柔道整復師の資格を取ったらずっと現場で患者様の治療にあたると思っていましたが、今は採用にも携わるようになり、本当に世界が広がりました。会社がスケールアップするごとに、教育、採用、店舗開発、マーケティングなどさまざまなポジションが生まれているのが、「ほねごり」での働きがいだと思っています。
また柔道整復師としてのやりがいももちろん大きくて、患者様の期待を超えられたとき、感謝されるときにやりがいを感じます。「ほねごり」では、患者様の体の状態に問題がなくなると卒業していただく形をとっていて、最後にみんなで写真を撮るのですが、そのときに「丸ちゃんにみてもらえてよかった」というような言葉をかけてもらえたときは、この瞬間のために仕事をしているんだと感じるほどです。
――企業としての、今後の目標を教えてください。
今考えているゴールは、街づくりです。鍼灸接骨院があり、それをつなぐように整形外科があって、中心には総合病院がある。まずはこの医療の連携をしっかり作ります。さらにそこから、水族館や動物園を作りたいと割と本気で考えています。
医療の分野でみなさんの体を楽にすることはもちろん、元気が出たり、明日からまたがんばろうと思えるような活力を生み出すことも大切にしたいと考えているからです。
――最後にこの企業を目指す方へのメッセージをお願いします。
患者様、スタッフにも恵まれ、10年で大きく成長してきましたが、福利厚生や働き方の点から見ても、現状を100点だとはまったく思っていません。だからこそ「ほねごり」に入って、もっといい企業にしていきたいと思ってもらえる方と一緒に、新しい「ほねごり」を作っていきたいと思っています。うちは現場の声が届きやすい会社なので、その点でのやりがいもあると思います。
私はこの仕事をとても誇りに思っているし、素晴らしい業界で、まだまだ伸びしろがあると思っています。一方で長時間労働が常態化している業界でもあり、なかには今の環境を諦めてしまっている人もいると思うんです。そういう人たちには、今働いている職場がすべてではない、もっと違う世界観で動いているうちのような企業があることを知ってほしいと思っています。
取材に伺った本社では、この日も新入社員に対する技術研修が行われ、会議室ではスタッフのみなさんが熱い会議を行っていて、活気があふれていました。そしてみなさんの表情がとても柔らかく、楽しそうで、スタッフ1人ひとりを大切にしている会社の空気まで感じられた取材となりました。
後編に登場いただくのは、現場スタッフである久住沙良さん。入社1カ月目でまさに研修真っ只中の久住さんに、入社のきっかけや研修の内容についてお話しをお聞きします。