自由な働き方ができて、やりがいも大きい。個人事業主と会社員、いいとこどりの働き方「POLA」藤森圭子さん
日本の美容業界を支える企業の魅力を紹介する本企画。今回登場いただくのは、1929年創業の老舗化粧品ブランド「POLA」です。「POLA」は女性が外で働くのがまだまだ難しかった1937年に、セールスレディの先駆けとなる「ポーラレディ(現ビューティーディレクター)」を誕生させ、女性の働きやすさを追求してきた会社でもあります。
前編ではそんな「POLA」のリクルート担当である桑島大輔さんに、店舗で化粧品の販売やエステサービスを行う仕事「ビューティーディレクター」についてお話しを伺いました。
後編では2018年に「POLA」に登録し、現在はポーラエステサロン根津駅前店のトップビューティーディレクターとして活躍する藤森圭子さんに仕事の内容ややりがいについてお話しを伺います。40歳を過ぎて、異業種からビューティーディレクターの世界に飛び込んだ藤森さん。
それまで完全な個人事業主として働いてきたからこそ、「POLA」の手厚さに驚かされたといいます。
お話を伺ったのは・・・
ポーラエステサロン根津駅前店
トップビューティーディレクター
藤森圭子さん
百貨店勤務、個人事業主などを経て、2018年に「POLA」登録。当初は子育てが中心だったため、勤務時間を調整しながらビューティーディレクターとしてのキャリアをスタートさせる。その後、「POLA」が定める基準をクリアした優秀なビューティーディレクターを認定する称号である「トップビューティーディレクター」に認定される。
すべて無料で研修を受けられることに感動

店長とつながりがあったことから、「POLA」での仕事を始めたという藤森さん
――なぜ「ポーラエステサロン」の仕事を始めようと思ったのですか?
私は元々、自営業を営んでいて、パン職人、カフェの経営、イベント運営など手広く仕事をしていました。ところがあるときケガをしてしまって、大きなイベントに穴を開けてしまって。もうイベント運営に戻ることは難しいと思い、せっかくだったら今までとまったく違うことを勉強してみたいと思うようになりました。
元々カフェのお客様として、今働いている根津店の店長がお店に来てくれていて、POLAの商品を使っていたので、自分から店長に声をかけて働かせてもらうことになったんです。
――まったくの未経験からの入社だったということですね。
はい。ただ研修が充実していたので、仕事のスタートは順調でした。そのときに驚いたのが、ビューティーディレクターは個人事業主として「POLA」と委託販売契約を結んでいるだけにも関わらず、研修を無料で受けられるということです。
自営業時代から学ぶのが好きだった私はいろいろな研修やセミナーに参加してきたのですが、やはりとてもお金がかかることが多かったんです。それが無料で、しかも教科書も講師もすべて揃っていて、自分は会場にいったり、オンラインで受けるだけと知って、「なんて親切なんだろう」と感動しました。
――研修ではどんなことを学んだのですか?
接客、カウンセリング、エステ・メーク技術など業務全般に及ぶものです。当時はまだ子どもが小さく、出勤時間もあまり多くなかったため、1年くらいかけてじっくり研修を受けたり、店舗でのOJTも取り入れながら、着実に技術を身につけることができました。また今もトップビューティーディレクターが受講できる技術力の強化研修や、季節商品の勉強会には定期的に参加しています。
――ビューティーディレクターの方は勤務時間が自分で決められるということですが、入社当時は実際、どのくらいの勤務時間だったのですか?
週3日ほど、14時くらいまでの勤務でした。店長も同じく子育て中だったため、相談しあいながら出勤日や出勤時間については決めることができたんです。ちなみに今は子どもが大きくなったこともあり、フルタイムで働いています。
社員のようにフォローをしてもらいながら、自由に働けるのが、ビューティーディレクターのメリットだと思っています。
商品を売るのではなく、「気づいてもらう」仕事

「POLA」にはさまざまな商品が揃っているが、藤森さんが「売る」ことより大切にしていることがあるという
――「POLA」のエステの特徴は?
オールハンドで施術を行い、エステの前のカウンセリングをしっかり行うところです。なぜ来店されたのか、何を叶えたいのか、リラックス目的なのか、お肌悩みなのか。お客様のお声をしっかりお聞きしながら、必要なものを提案していくことを大切にしています。
――なるほど。お話しをお聞きすることが大事なのですね。
はい。「POLA」は創業社長が自分の妻の手荒れを直そうと、ハンドクリームを作ったのが原点になっています。悩みを持つ人を解決してあげたいという創業社長の思いが、「POLA」の商品やエステにはぎゅっと凝縮されていると思っていますし、創業社長と同じようにお客様の悩みの声をしっかり聞いて、必要な商品を届けるのがビューティーディレクターの仕事だと思っています。
今は、ネットでなんでも買える時代です。そんな時代だからこそお客様の声をきちんと聞き、提案ができるのが私達の存在意義だと考え、日々仕事に向き合っています。
――エステの仕事というと、営業をかけて、商品を買ってもらわないといけないというイメージを持っている人もいると思いますが、そのあたりはいかがですか?
私も最初はそういうイメージを持っていたのですが、実際に働き始めると、私達の仕事にとって大切なことは、お客様に「商品を売る」ことではなく、「気づいてもらう」ことなんだと感じるようになりました。
ビューティーディレクターとお客様の接点がどのように生まれるかというと、イベントにお越しいただいたお客様に無料のお肌分析や、お肌チェックをしていただき、ご自身のお肌の状況についてお伝えすることから始まります。そうするとみなさんご自身の肌の状態に気づかれるんですよね。
そこから商品の提案をしていくのですが、決めるのはあくまでお客様ですし、無理に売りつけたりすることは絶対にありません。また商品を売るだけでなく、私達の持っている知識を無料でお伝えすることも私達の仕事のひとつです。
「契約をしてもらう」、「買ってもらう」のではなく、さまざまな形でお客様がなりたい姿を一緒に計画していく、そういう表現の方が私にはしっくりきます。
――なるほど。委託販売契約ということでお給料は完全歩合制とのことですが、その点はいかがですか。
私はそれをがんばった分だけ自分に返ってくる「やりがい」だと捉えています。スタート時をフォローしてくれる制度もあるので、あまり心配はせずに仕事を始められました。私は元々、自営業をやっていましたし、がんばればがんばった分だけ返ってくるこの仕事が性にあっていたと思うので、歩合制の部分も捉え方次第だと思っています。
女性に優しい会社で、生涯現役を貫ける

「POLA」で働くことには、さまざまな魅力とやりがいがあるという藤森さん
――藤森さんが感じる、「POLA」で仕事をすることのやりがいや魅力とは。
やりがいは自分が得た知識や技術でお客様に変化をもたらすことができ、それで喜んでいただけること。魅力だと思うのは、「POLA」に成長できる環境が整っていることですね。私は自分が成長していけるので、学ぶことが好きだし、日々お店の仲間達と自分の技術や知識について模索していくことにとても喜びを感じます。
またお客様と家族のように近い関係になって、人生に深く関わることができるのも、この仕事の醍醐味ではないかと思いますね。
そして何より「POLA」は女性に優しい会社だと思います。女性は育児、介護など、家庭の影響を受けやすい部分がまだまだあると思うんです。でもスタッフが女性ばかりなので、お互いに助け合えるし、会社もフォローをしてくれます。家庭の事情などを考慮しつつ、自分が好きな形で、熱量で、美容に携わることができます。
――「POLA」の仕事はどんな人に向いていると思いますか?
美容に興味を持っている方が、一歩を踏み出すにはとてもいい会社だと思っています。美容やエステというのは特殊な仕事なので、経験がないとできないと思い込んでいる人も多いと思うのですが、先ほども言ったように研修がしっかりしているので未経験からでも始められます。
あとは手に職がつけられるので、生涯現役を貫きたい人にもおすすめです。何歳からでも始められるし、何歳までも続けていけるのもとても魅力だと思います。今、私は子ども達がある程度大きくなって、子育てがひと段落したところなのですが、もしこの仕事のように自分が打ち込めることがなければ、おそらく抜け殻のようになってしまったのではないかと思います。
人生100年といわれているこの時代に、技術さえあればいつまででも働けるこの仕事は、とても貴重だと思っています。
藤森さんのお話しぶりから、美容の仕事、「POLA」という会社が本当に好きだという思いが伝わってきました。そして日々、学びながら成長を続ける藤森さんの姿に、お客様からの信頼も厚く、トップビューティーディレクターという今の地位があるのだと感じました。「POLA」には成長したい人を後押しする環境が、間違いなく整っているようです。