自己分析が面接&サロンワークへの大事なステップに。自分らしさも盛り込んで【七五三掛 慎二さん】#2
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
メンズサロン界トップクラスの人気を集める「OCEAN TOKYO」。前回に引き続き、トップスタイリストとして活躍しながら、人事にも携わっているOCEAN TOKYO WHITE代表の七五三掛(しめかけ) 慎二さんにお話を伺います。
第2回目は、一次試験の書類選考について。OCEAN TOKYOの書類選考通過率は99%だと話す七五三掛さん。とはいえ、決して気を抜かず万全な体制で面接を受けたいもの。面接を有利にするための履歴書作成のコツをお聞きします。
※直近で行われたフローをもとに取材をしております。年ごとに都度変更・調整がある場合がございます
お話を伺ったのは…
OCEAN TOKYO WHITE 代表 七五三掛 慎二さん

OCEAN TOKYOのオープニングから在籍。本店の店長を経験後、OCEAN TOKYO WHITEの代表に就任。今もなおプレイヤーとして第一線を走り続けながら人事にも携わっている。
履歴書作成は自分と向き合うことが大事。手書きにすると好印象!
――では、提出する履歴書について伺います。
履歴書のフォーマットは決まっていますか?
HPより独自で作ったフォーマットをダウンロードいただき、提出することをお願いしています。
――独自の履歴書があるとのことですが、
ほかの履歴書と違う点についてお聞かせください。
学歴と自己PRがある一般的なパターンに比べると、少し変わっている仕様になっています。基本的な長所と短所から始まり、3・5・10年後の自分の理想像と、達成したい目標、自己分析が必要な項目まで。履歴書を読めばだいたいその人についてわかるような作りにしています。
ほかにも、美容師として大事なファッションセンスも見たいので、コーディネート写真を貼り付ける項目を設けています。
――各項目については、後ほどお聞きします。
ずばり、履歴書の重要度は?
その後のフローに関わってくるため、重要度はとても高いです。その人の良さや特徴が書かれている履歴書であると嬉しいです。
――好印象を抱く履歴書の特徴を教えてください。
ちょっと古いかもしれませんが、手書きだと印象が良いです。決して字の上手い下手ではなく、やっぱり手書きの方が履歴書に込められた気持ちや想いが伝わってくる気がします。個人的には手書きの字の方がとても印象に残ります。
ただし、表現方法は自由。手書きでないからと言って不採用にはなりませんが、ミスをそのままにしたり、空欄だったりすると印象は良くないですよね。
自己分析のコツは今までの取り組みから自分を俯瞰して見ること
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――特に注意して見ている項目を教えてください。
分析グラフでしょうか。他者から見た自分の評価をする項目なのですが、その後の面接やサロンワークを行う際に必須になることなので重要視しています。
――分析グラフで分かることは?
その人の気質がある程度分かります。自己主張の強弱と感情的か否かを「A・B・C・D」に分け、自分に最も近い項目を1つ選んでもらう形式になっています。
――どのようなグラフだと好印象なのでしょうか。
正解はありませんが、自分をしっかりと分析して客観視できていると良いですね。あまりにも評価がかけ離れていると不安になってしまうので。
――記入するうえでのコツを教えてください。
自分が一番取り組んだ出来事を思い出して、客観的に分析すると良いかもしれません。
今まで採用に関わってきて、過去に何かに打ち込んだ経験がある人は自分を客観視できる傾向があると思っていて。例えばですが何かしらの全国大会で優勝をしたという結果の功績だけではなく、1つの取り組みを成功させるために立てたプロセスと乗り越えてきた方法です。その中で挫折もしているなら、立ち上がるためにした取り組みも自分を客観視する材料になっているはず。
大事なのはタイトルの保持だけではなく、取り組んできた内容。それが、正確な客観的な評価と自己分析につながります。
サロン側に寄せるのではなく「自分らしさ」を存分に表現して
――顔写真のほかに、コーディネートの欄があると伺いました。
項目を設けた理由は?
技術が上手でも美容師を仕事にする以上、ファッションを含めたトータルバランスのセンスがあると望ましいです。センスが評価されれば、アシスタントでもメディアに取り上げていただける可能性があります。
あとは、店舗数が多いOCEAN TOKYOでは配属を決める際の指標にもしているんです。
――センスの判断基準を教えてください。
はっきり言って正解はなくて、シンプルに自分らしさがあればOK。美容師は、お客様の見た目をきれいにしたり格好良くするだけではなく、その人らしさを引き出す役割もあります。そのため、「自分らしさ」を表現できる人が望ましいかなと。
極論、写真を1枚貼っても貼らなくても間違いではありません。表現は自由なのでその人らしさが伝わるようになっていれば何でも良いんです。「自分らしさ」を、見せてもらえることを期待しています。
面接を好スタートできる履歴書作成のポイント
1.誤字脱字は厳禁。手書きで心を込め、履歴書に気持ちをのせる
2.客観的な立場で俯瞰して自己分析をする
3.ファッションセンスは「自分らしさ」を表現すること
取材・文/東 菜々