常に挑戦する気持ちを忘れずに進める人は好印象。全体のモチベーション向上も【七五三掛 慎二さん】#4
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
メンズサロン界トップクラスの人気を集める「OCEAN TOKYO」。前回に引き続き、トップスタイリストとして活躍しながら、人事にも携わっているOCEAN TOKYO WHITE代表の七五三掛(しめかけ) 慎二さんにお話を伺います。
最終回となる今回は、OCEAN TOKYOの採用事情の総まとめ! サロンにとってプラスになる人の特徴やOCEAN TOKYOが課題としていること、学生時代に経験してほしいことについてお聞きします。
※直近で行われたフローをもとに取材をしております。年ごとに都度変更・調整がある場合がございます
お話を伺ったのは…
OCEAN TOKYO WHITE 代表 七五三掛 慎二さん

OCEAN TOKYOのオープニングから在籍。本店の店長を経験後、OCEAN TOKYO WHITEの代表に就任。今もなおプレイヤーとして第一線を走り続けながら人事にも携わっている。
多くの人から求められるスタイリストを目指してほしい
――前回、新しいことに挑戦できる人が理想だとお話しいただきました。
実際にサロンに入社した場合の影響は?
挑戦できる人は、OCEAN TOKYOにマッチすると思います。
そういう人は自分の道を切り開いて行けるし、周りのモチベーション維持にもつながるんです。一緒に働くスタッフはもちろん、お客様や後輩…周囲にいる人同士で刺激し合ってどんどんサロンが良くなっていくと嬉しいですよね。
――その人の成長だけでなく、サロンにとってもプラスになる存在は貴重ですね。
この仕事は、どれだけ多くの人から求められるかが重要だと思っています。そこではじめて、スタイリストとしての価値が出てくるのではないでしょうか。
――反対に続かなかった人の特徴を教えてください。
多かったのはギャップの埋め合わせができなかったことですね。どのサロンでも「あるある」だと思うのですが、外から見たらキラキラしている世界だと思っている人。入ってみたら違ったと感じたみたいで…そういう人は続きませんでした。
ただ、それってとてももったいないと感じていて…なるべく入社後にそういったギャップがないようにしてあげられたら、お互いに良いことだと思うんですね。1人でも多くの新入生にギャップを感じさせないように取り組んでいます。
在籍スタッフのインタビューを掲載して不安やギャップを払拭!

――どんな取り組みなのでしょう?
主に入社1年目のアシスタントたちへ独自のインタビュー記事をSNSで配信しています。
実際に働いている人の様子が分かれば、入社後のギャップやOCEAN TOKYOに対して感じている敷居の高さも感じにくいと思うんです。大事にしているのは、OCEAN TOKYOでスタイリストとして働く自分がイメージできること。よく見せようと媚びたり、過剰な演出はせずにリアルを発信することを心がけています。
――実際に働いている人の話はとても参考になりそうです。
うちは会社説明会がないため、オフラインでの関わりをとても大事にしています。迷っている学生がいれば、お客様として足を運んでみてください。まずは、OCEAN TOKYOの持っている技術や接客を体感してもらうところからがスタートだと思っています。「不安なことや気になること、何でも質問しにきてくださいね」の精神でお待ちしています。
――サロン見学は、サロン選びの際に大事なことですよね。
尊敬するスタイリストがいるなら、必ず会いに行くことをおすすめします。もちろん働く環境も重要だとは思いますが、まずは「誰に付いていきたいのか」を軸にサロンを決めるのも手。希望する働き方には必ず結果が必ずついてきますから。
経験しないと知り得ない感覚が分かっている人は成長が早い

――自分のスタイリスト像を確立するために必要な準備ですね。
では、学生時代に準備しておくと良いことは?
お金をいただくことを経験してほしいですね。
学生と社会人の違いは、お金を支払う側といただく側で分かれるところだと思っていて。お金をいただくことは、その分相手にプラスを与えないといけない。その感覚は経験しないとわからないと思うんです。
学生のうちにわかっている人とそうでない人では、差が出ます。経験しないとわからないことは一から人に教えることが難しい。最終的には自分の成長速度に関わってくるので、学生のうちに身につけておくと自分のためになると思います。
――入社後に期待することは何ですか?
毎年、スタイリストデビューができただけで採用して良かったと感じます。そもそもスタイリストになるために入社して来ているはずですから。デビュー後は自分の目指すべき目標に向かいながら、多くの人に慕われ愛される人になってもらえたら嬉しいです。
期待は人の数だけあります。あとは、「挑戦すること」「怒られること」に恐れずに立ち向かってほしいですね。怒られることは悪いことではなくむしろ、怒られて失敗した分だけ挑戦したと良い方向に捉えられます。反対に、アシスタントのときに一度も怒られなかったなら、何も挑戦してこなかったという証明になってしまう。挑戦して失敗した経験がないと成長ができません。
美容業界を選び、スタイリストとして生きていく覚悟ができたら、勇気と希望を持って恐れずに進んでください。「僕・私じゃ無理かも」と思わないでほしい。ここまで読んで、自分では当てはまらないと思っても、僕たちはあなたたちとしっかりと向き合います。まずは、応募するための一歩を応援しています。
OCEAN TOKYOが考える、学生に自覚してほしいこと
1.「仕事をすること」=「キラキラすること」だけではない
2.社会人の仕事場とは、学校とは違い「お金をいただく」ところ
2.「怒られた」経験は挑戦した証であるということ
取材・文/東 菜々