一番サポートが必要なママと子どもに目を向け起業。インストラクター養成講座も好評【NicoTimes代表・ヨガインストラクター 岡本かなみさん】#2

赤ちゃんと一緒にヨガを行う「ベビトレヨガ」や、産後のママの体をサポートする「産後トレーニング」などのレッスン・講師育成を行う、NicoTimes(ニコタイムズ)株式会社の代表・岡本かなみさん。学生時代に「なんとなく資格をとった」ところからヨガが仕事となり、現在のように起業して多くの卒業生を抱えるまでになったのは、どんな経緯があったのでしょう。

お話を伺ったのは…
NicoTimes代表・ヨガインストラクター 岡本かなみさん

大学在学中にヨガの資格を取得。一度は離れたものの20代前半で再開したヨガで、自分が元気になっていくのを感じ、インストラクターの道に進むことを決意。「1番ケアを必要としている産後の女性と子どもにヨガを伝えたい」との思いから、母親や子供に特化したNicoTimes(ニコタイムズ)株式会社を設立。インストラクター養成のほか、全国で親子イベントの開催、企業や自治体とのコラボなどを手掛けている。

迷いが吹っ切れたヨガ講師育成スクールからの講師オファー

「インストラクターを目指す人に向けた講師をやってみて、これだ!と思ったんです」と話す岡本さん。

――ヨガのレッスンに接骨院のお仕事に、多忙を極めていた岡本さんですが、将来に対する不安も抱えていたそうですね。

はい。毎日充実してはいたのですが、「このままヨガインストラクターとして仕事を続けていくのかな」と思うこともありました。覚悟を決めきれていなかったんですね。

そんな時に、ヨガインストラクターを育成するスクールから「講師をやってみないか」というお誘いがありました。講師なんてしたこともなかったのですが、「これはチャンスかもしれない」と思って、思い切って引き受けることにしたんです。

――その経験が今後の岡本さんに大きな影響を与えたと。

当時私は25歳ぐらいで、生徒さんはほとんどが年上。それにみんなヨガ経験者。緊張やプレッシャーもあったのですが、受講してくださる生徒さんの表情がみんな真剣で。授業の回数を重ねるうちにどんどん顔つきが変わっていくんですよ。そのエネルギーをまともに食らって、私もずっと興奮状態でしたね。

損得を考えず、この人たちの役に立ちたい!と強く思ったのを覚えています。

産後のお母さんの体をサポートしたいと強く感じるように

岡本さんの二人の娘さんは立派なアシスタント。生まれた頃からレッスンにも参加しているそう。

――当時独身だった岡本さんが、産後の女性の体やベビーヨガに興味を持ったのはどうしてですか?

たくさんレッスンをして多くの人と接していくうちに、産後のお母さんの体が特に崩れていることに気づいたんです。彼女たちにレッスンをすると、before/afterの差が歴然に表れるんです。
そのころ私はまだ出産経験がなかったので、「なんでこんなにひどい状態なんだろう」と不思議に思ったのを覚えています。

――産後のママは、自身の体の不調に気づきつつも、育児に追われてメンテナンスをする時間もありませんもんね。

そうなんです。一番ケアが必要な時期だからこそ、こちらとしては集中的にレッスンに来て欲しいと思っています。なのに彼女たちは継続してレッスンに来てくれないんです。理由を聞くと「赤ちゃんを預けるところがない」「赤ちゃん連れOKと言われても、泣いちゃったらどうしようかと不安でヨガに集中できない」といった、さまざまな声が集まりました。

同時に、もうひとつ気になることがありました。それは、ヨガインストラクターの中に、出産を機に仕事を辞めてしまう人がとても多いということです。

その両方が私にはすごく課題として心に残りました。

――赤ちゃんを産んだあとのお母さんの体、赤ちゃんを産んだインストラクターのキャリアをどうにかしたい、と。

はい。それで、まずは産後ママの体について学んだり、幼児教室や脳科学の先生のもとに行って子どものことを学びました。
そうしたら、ママと赤ちゃんが一緒にヨガをすることは、ママの体だけでなく赤ちゃんの成長にもいい、ということがわかったんです。

その事実をもっと多くの人に伝えたいと思うようになりました。

親子ヨガや子どもヨガのインストラクター養成講座をスタート

――そこで学んだことを教えるようになったんですね。

ヨガインストラクターの中にも、自身にお子さんがいるいないに関わらず、ベビーヨガをしてみたいという人が多くいました。
私は彼らに赤ちゃんの脳の作り、成長の過程で変わること、親子ヨガをする際のレッスンプログラムの組み方、などを教えるようになりました。

――一般的なヨガインストラクターと親子ヨガのインストラクターでは、違いも多そうです。

そうなんです。通ってくださる生徒さんは、最初は不安を持ってくる人がほとんど。「レッスン中に赤ちゃんが泣いたらどうしよう」「迷惑をかけたらどうしよう」など、ヨガどころではないんです。
そんな時にインストラクターに知識があれば、仮に赤ちゃんが泣いても「大丈夫ですよ。場所見知りをするのは成長が順調な証拠です」といった正しい声がけができます。

ヨガのポーズだけでなく、そういったことも養成講座では教えています。

――インストラクターが信頼できると、ママもリピートしようという気になります。

そうなんです。お母さんと赤ちゃんが安心できる環境なら継続率も高まるし、それが結果としてインストラクターの収入の安定にもつながります。

――そういった経験が、現在の岡本さんの会社NicoTimesの活動につながっているわけですね。

はい。活動の幅が広がるにつれ、個人で続けるには不都合がいろいろと出てきたため、5年前に法人化して、NicoTimesを立ち上げました。

現在NicoTimesでは、ベビトレヨガ、子どもヨガ、産後ママ向けトレーニングの教室を開いたり、それらの講師育成講座も開いています。
そのほかにも全国で親子ヨガのイベントを開催したり、最近は企業や自治体とコラボして、講演活動といったことも増えてきました。

ヨガの枠にとどまらず、親子がハッピーになれる活動全般を行っています。

――岡本さんの今後の目標を教えてください。

産後にママがヨガをするのを当たり前の世の中にしていきたいです。出産で崩れた体型を戻すのに、ヨガは本当におすすめなので。
ほかにも、赤ちゃんや子どもがヨガを始めるきっかけとなる場もたくさん作っていけたらなと思っています。

そのためには私一人の力では足りません。卒業生や仲間をもっと増やして、業界全体を大きくしていきたいですね。

岡本さんの成功の秘訣

1.一歩踏みだす勇気を持つ

2.頭で考えすぎない

3.自分を守るためのプライドは捨てる


取材・文/皆川知子(tokiwa)
撮影/ワタナベミカ


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