美容師の雇用を再発掘できる新しいステージ!訪問美容の世界 #2

訪問美容の世界では、やはりヘアカットするお客さまは、高齢者であったりなんらかの病気を患っているご利用者さまが多いです。気配りを始め、さまざまな苦労があるかと思いますが、どうやってクリアなさっているのか「訪問美容サービス」の富田進吾さんに、お話しをお聞きしました。

引退された方も活躍できる、美容師の雇用を再発掘できる「訪問美容」

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富田進吾さん(訪問美容サービス/代表取締役・32歳)

——働いていらっしゃる美容師の方はどのような年代の方が多いのですか?——

美容師という職業は、ずっと働いて行くにはなかなか難しい商売です。毎年たくさんの新しい美容師が生まれているはずですが、年代とともに少なくなります。せっかく美容師免許を取得しても、引退してしまう方が多いのです。

やはり人気商売であり「若くてキレイ(格好良い)な美容師にカットしてもらいたい……」というお客さまの願望も強いので、仕様がない部分もあります。また歳を重ねていても、実力があって自分のサロンを経営されている方も多いですが、全体数としてはごくわずかでしょう。

訪問美容では、お客さまは大多数が高齢者の方です。みなさん若い美容師がヘアカットに来てくれても、もちろん喜びますが、それよりも自分の子供と同世代である40代・50代の美容師のほうが、話しやすさなども含めて安心感を抱いてもらっています。

当社のスタッフも40代・50代が多いですが、自分の親世代の方を接客することになるので、良い意味で慣れています。このような点で、訪問美容は引退された美容師の雇用を再発掘できる職業だと思いますね。

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「さまざまな苦労もありますが、ご利用者さまにとっては楽しいひとときです!」

——訪問美容ならではの気遣いも必要かと思いますが施術に入る前の注意点としてはどんなことがありますか?——

やはりご利用者さまに対する気遣いは大切です。感情の起伏が激しいご利用者さまもいらっしゃいますし、施術中に急に立ち上がってしまったりといったトラブルも、ごく稀にあります。会話1つにしても、例えば認知症の方で同じ話しを何度もしてしまう方に「さっきも聞きましたよ……」と言ってしまうと、ご本人はすごく傷ついてしまいますよね。

当社では、美容師の方々が働いていただく前に「こういう病気の方にはこういう傾向があります」といった講習を行なうようにしています。ご利用者さまが気持ちよくヘアカットしていただけるように、訪問美容ならではの気遣いをしっかりと美容師の方に伝えておくことは大事です。

しかし、一般的に美容師は「このお客さまはどういった髪型をもとめているのかな……」ということを聞き出すためのカウンセリング術を習得する中で、お客さまの思っていることを先読みしていく技術に秀でています。美容業界は、お客さまのことを第一に考えていないと、良いサービスに繋がらない職場ですからね。

そんな業界で苦労を重ねてきた美容師の方たちですので、訪問美容としてお客さまの傾向が多少変わったとしても、みなさんすぐに対応していただけるようになります。

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——施術中に苦労している点としてはどんなことがありますか?——

美容室での施術と違って苦労する点では、ベッド上で身動きの取り辛いご利用者さまを施術する時です。片側だけのヘアカットを行ない、反対を向いていただいた後にもう片側をカットします。最初は色々と試行錯誤しましたが、ヘッドがL字に変形した専用のバリカンを導入するなどで対処してきました。

また、どのようなヘアスタイルに仕上げていくかの相談も苦労することが多いです。美容室ではお客さまと美容師の1対1でのカウンセリングになりますが、施設などでは実際にヘアカットするご利用者さまだけでなく、ヘルパーさんやご家族の意向も聞き入れなければなりません。

「髪をあまり切りたくない……」という女性のご利用者さまに対して「さっぱりと短く切ってあげて……」というように、ご家族の方との意見が対立してしまうことがあります。最終的には、ご本人に納得していただける髪型でなければいけませんが、ヘアカタログをお見せしたり「となりのご利用者さまは短くされて、さっぱりしましたよ……」などとお話しすることで、ご家族の意見にも近づける形で整えて行きます。

正直、唾を吐きかけられたり、噛み付かれてしまうというケースもありました。しかしこれらは、ご利用者さまからの何かしらの「嫌だ……」というサインです。首に巻いたケープが苦しかったり、体勢が辛かったりといったことがあったのかもしれません。コミニュケーションが取り辛いご利用者さまもいらしゃいますので、細かな点まで気配りを欠かさないような努力は必要です。

しかし、今まで訪問美容をご依頼いただいたことのなかった方のご家族からは「初めてなので色々と心配です……」という声を聞くことがありますが、大抵のご利用者さまは、美容師がヘアカットに伺うとすごく喜んでくれる場合が多いのです。いつもと違う方(ご家族やヘルパーさんではない)が外から来てくれて、お話ししながら髪を整えてくれるというのは、ご利用者さまにとっては嬉しいひとときなのですね。

Profile

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富田進吾(とみたしんご)さん

大学在学中にカットモデルの経験から美容業界に興味をもち大学卒業後、大手美容室チェーン本部に就職。サロンマネージャー、管理部門での経理職を担当する。2012年10月株式会社 訪問美容サービスを設立。社団法人日本介護協会が開催する介護甲子園の執行役員でもあり、介護業界の発展に尽力している。

Shop Data

株式会社 訪問美容サービス

フリーダイヤル 0120-940-383
千葉県市川市本塩18-13-103
TEL 047-311-4655 FAX 047-311-4656
http://houmon-biyou.jp/

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