『美容師以外』の可能性が持てる職場にしたい!『BABEL』

表参道という美容激戦区に2013年にオープンした『BABEL』。美容師としては異色の経歴を持つ鈴木圭一さんが、代表を務めます。前編では5年のブランクとその後の美容師歴について伺いました。後編ではお店のこだわりについてお話を聞きます。

感度が高い20代に向けた内装

――前のお店では、そのまま店長として働こうとは思わなかったのですか。
「店の中では評価をいただいていたと思います。そもそも独立とかまったく興味がないタイプなので(笑)。それでも今後自分が美容師を通じて活動していきたいときこと、お客さまや仲間、家族にもっと見える形でなにかできないかと。美容師が美容師としてあるべき姿といいますか、業界的なモノを小さいながらでも違った形態で作ってみたいという思いがあります。営業時間や休みとなどの労働環境に関わることなど、就業的なサロンの運営に大きくかかわる内容は、オーナーが決めることで店長は決められません。責任も大きいですし、コンセプトも同様です。これらに関わるのなら、自分でお店を作ったほうが早いと思ったのこと、あとはやりたいことをやるために、まず自分のサロンとしてのハコが必要なだと思ったこと。それらが独立した理由の一因です」

――30歳でオープンさせたのがこちらのお店ですか?
「実はここ、2店舗目なんです。1年半くらい最初の店舗にいたのですが、13坪ほどの敷地でぎりぎり5席確保できる程度の広さ。ふたりではじめた試験的な要因も含めた店舗でしたが、それでもパンパンになってしまうキャパでした。お店としてお客さまをお迎えする姿勢やお店としてのクオリティをもっと高めるために、拡張して今の場所に移転したんです」

店内

――今は広々していますし、シックな雰囲気ですね。こちらのお店のコンセプトを教えてください。
「色を少なくした分、お客さまと一緒に多彩な色を描いていければと思ってこのような内装にしました。おしゃれで目的意識がある、感度の高い人を集めたいと思っています。ターゲットラインは20代。内装とターゲットラインにギャップを持たせたのは、あくまでトレンドやデザインに対しての感度の高い世代は20代だからと思っているからです。そのほかの年齢層は必ずそこから生まれるデザインに対しての似合わせでついてくるものだと。面積の使い方もあえてゆとりをもたせて、むだを作り、内装もミニマムに。素材もアイアンやモルタルなど質感にこだわり、大人っぽくもありつつ本質を見極めたデザインや雰囲気にすることによって、あえて敷居の高さを感じさせるようにしました」

――スタイルについてはどうですか。
「トレンドではありますが、ムラサキ的要素を必ず入れるようにしています。CanCamのような赤系雑誌と個性的な青系雑誌の色を混ぜ、中間=ムラサキをいれることで、個性の引き出しを広げるようにと。お客さまご本人も新鮮に感じますし、周りからみてもおしゃれと感じるところに落とし込んでいます」

社内独立、組織強化、法人化…今後の展望

――今後の展開についてお聞かせください。
「今、個人事業主から法人化を行おうと、スタッフと打ち合わせをしています。サロンを増やしていくことはもちろん、やりたい“コト”と“人”をマッチングできるよう、組織を広げていきたいと考えています。それに美容師だからといって、ずっと美容師という仕事でいいのか?というのも考えているんです」

鈴木さん

――美容師だけど、美容師以外の仕事ができるように……ということですか?
「個人的な見解ですが、本当に売り上げが伸びるスタイリストは全体の2、3割ほどじゃないかと。ほかの人は伸び悩む人が多いのが現状じゃないかな。美容師以外の仕事を作ることができて、サロンワーク以外にも収入として個人の長所をいかすことができる環境づくりをしていきたいなと思っています。サロンワークが仕事のすべてである必要はないんです。できれば美容師を辞めるという選択肢の前に、組織のなかで美容に関わりながら、いろいろな仕事の選択肢を選ぶことができる。そんな環境を作っていきたいですね」

――他の仕事を作りつつ、店舗も増やしていくのですね。
「そして社内で成長していった人が独立できるようにもしたいと考えています。通常ひとつのサロンにひとりのオーナーがいますよね。自分が店長であったときと同じように、その上のポジションはわかりやすく、やはりオーナーです。でも自分が打ちだしたいサロンの色は多種多様。ずっと『BABEL』のスタンスじゃなくていいのです。
オーナーになれば自分もそうですが、立場上、いろいろな意味で孤立奮闘。かなりの労力がかかっている方がほとんどかと思います。
でも社内で独立できるようにすれば、みんな同じ立場のオーナーが生まれます。他の人とは話しづらい悩みや資金繰りなど、さまざまな悩みをシェアし合い、お互いにサポートしあえるような組織ができたらいいなと考えています」

店内

――社内独立制度ですか。それならオーナー同士でも相談できるからいいですね。
「サロンの企業生存率は低いんです。起業と言うチャンスを得たのだからこそ、厳しいけど作ろうと思ったコンセプトやお店の色が出せるように、初期費用などをサポートできればと考えています。実現できれば、組織としての可能性も広がっていくのではないでしょうか」

   

SALON DATA

BABEL

BABEL

http://www.babel-style.com/
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前4-11-15 シナモンオーク2F
03-5775-2631

5年のブランクからの復帰……、そして独立への道へ!『BABEL』>>

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