トレンドを創る人 Vol.8 Belle・ 飯田尚士さん 7年で4店舗経営の“深いい話” #2

現在、都内に4店舗のヘアサロンを経営する「Bell」(ベル)の飯田尚士さん。〝大きい箱では営業しない”と言い切る飯田さんには、小スペースで数多く展開する理由があるようです。第二回目のインタビューでは、従業員のモチベーションの作り方や、スタッフ教育についてのお考えをお聞きしました。

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小さい店舗を増やし、役職を多くの人に与える

――現在、「Bell」のスタッフは何名ですか?
「表参道、原宿、銀座、吉祥寺の4店舗合わせて約60名です。離職する人が多い業界ですが、うちは7年で60名。サロンの中では人が辞めないサロンだと思っています」

――7年で60名は、今どきすごいスピードでスタッフが増えていますね。なぜ離職率が少ないと思われますか?
「僕は、サロンを運営するにおいて、他のなによりもスタッフを一番に考えてやってきました。“人が働きやすい環境とはなんなのか”。休みやお給料の面もそうですが、仕事に対してのやりがいをどこまで高めてあげられるかが、とても大切だと思います」

――具体的には?
「例えば、サロンの敷地面積も大きくなり過ぎないようにしています。大きい箱でみんな一緒に営業してしまうと、代表と店長が軸となってサロンを動かすことになります。そうすると、他の子の役割が必然的に少なくなってしまう。だから、僕のやり方としては、小さいサロンを増やし、それぞれに店長・副店長を作り、各店舗で任せるやり方をしています」

――任せることでやりがいを与えるのですね。
「そうですね。すると、個人でお客様を増やす課題とは別に、各店舗の集客を増やす課題が生まれます。これがものすごく大事。それぞれの店舗が工夫をして店ごとに集客を増やす努力をするので、このやり方だと各店舗の色も出やすいのが特徴です」

――お互い、切磋琢磨できそうですね。
「例えば、吉祥寺の店舗は他の店舗に比べて地元の方が集りやすい立地。つまり、地域密着型のサロンです。ほとんどの方が新規でいらっしゃるので、表参道の運営の仕方とは違った工夫が必要です」

――吉祥寺は、ヘアサロンが多い街だと聞いていますが…
「新店舗を出すときは、ファッションに強い街での出店を意識しています。吉祥寺は、駅の前後2~3駅からお客様が集う街。学生も多く、おしゃれな街ですし、人もたくさん集うので、新規参入にやりがいを感じられる場所だと思っていますよ」

銀座店
光がふんだんに入る銀座店。サロン帰りに街を散策できるのも魅力です。

アシスタントに任せることが大事。そこから充実感が湧き出てくる

――先ほどの“任せること”について詳しくお聞きします。美容業界は拘束時間が長い上、人気店ともなれば、お休みも少ない仕事です。これ以上、仕事が増えることへの不満は生まれないのでしょうか?
「美容学校に入学してヘアサロンへ就職したのなら、もともと作る作業が絶対的に好きなはず。雑誌の撮影やセミナー、ヘアショーなどは営業時間外で行われますが、このような仕事も、例えばメイクはアシスタントに任せる、衣装を考えてもらうなど、なにか役割を与えると充実感が増していきますね。“任せる”ことと“充実感”。このふたつを与えることで、美容師としてのやりがいが見えてきて頑張る気持ちが持続するのだと思います」

――「Bell」は女性スタッフも多いようですが、女性に対しても同じ考えですか?
「スタッフの半分が女性ですが、最近はむしろ、女の子のほうがパワーはあります。やる気のある子には、僕が担当するセミナーなどでヘアアレンジを担当させてみたりもするんですよ。やはり、仕事を吸収する速度も女性のほうが早い。とても頼りになります。そして、結婚して妊娠してもできる限り働いてくれるスタッフも。現在も2名の妊婦がいますが、育休後のことを会社もしっかりサポートしていくつもりです」

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基盤がしっかりしていれば独立する人を気持ちよく送り出せる

飯田さん
「女性スタッフはパワーがあって成長も早い。男の子は全ての面で時間がかかりますが、いずれはサロンの根っこになる人たち。長い目で見て、ゆっくりじっくり育てていきたいですね。

「実は近々、店長が独立をしてサロンを出店します。彼はもともと独立志向のある子だったし、店の中でも一生懸命仕事をしてくれた人。だから、彼の独立は気持ち良く応援したいと思っています。僕自身も独立したから、今があるわけですし」
と飯田さんは話します。

――とはいえ、個人の売り上げがサロンの売り上げに直結している商売ですよね。気持ちよく送り出すためには、経営側のマネジメント力が整っていないと難しい印象ですが…。

「ヘアサロンの場合、中間層のスタッフがいなくなると乱れが生じます。店長クラスが辞めても会社が揺らがないようにするためには、しっかりとしたスタッフ教育を積み重ねて中間層を強化すること、また、この中から店長になれる人材をしっかり作っておくことが必要ですね」

インタビュー中は落ち着いた語り口調の飯田さんですが、所々に心の広い優しい雰囲気がにじみ出ている印象でした。

「美容師は作ることが好き。だから、任せることで充実感を与えたい」と話す飯田さん。

可愛くておしゃれで、でも日常に溶け込むデザインを提案する「Bell」のヘアスタイルは、スタッフひとりひとりの力がちゃんと反映された、最強のデザインなのかもしれません。

取材・文/小澤佐知子
撮影/石田健一

Salon data

店内

Belle(ベル)

フランス語で「一番美しい人」の意味を持つBelle。来店された方を「一番の美人にする」という気持ちを込めてつけたネーミングです。カジュアルだけどチャーミング、媚びてないけど男の子にも愛されそうなデザインが得意で“無理のない自分らしさを発見できる”と、話題のサロンです。現在は表参道、原宿、銀座、吉祥寺に4店舗を展開。

http://belle-omotesando.jp

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