“愛”を持って寄り添い続けてきた、地域密着型サロン『Rue de Noel』
サロンに入って先ず受けるのはカウンセリング。だからこそ、そこに力を。訪れた人の様々な理想と悩みに寄り添いながら提案を続け、地域の人々に愛されてきたのが大阪・堺市の中百舌鳥にある『Rue de Noel(ルードノエル)』。中百舌鳥駅の徒歩すぐのところに立地していて、駅を挟んで反対側には本店の『Noel Hair(ノエル ヘアー)』が店を構える。今回は、本店がオープンして間もない頃から約10年もの間、Noelを支え続けてきた天野 新(あまの あらた)さんにインタビュー。現在は約6年前にオープンしたこのRue de Noelを含む総店長を務め、Noelの歴史と共に成長してきた。インタビューの前編では、天野さんが見て来たNoelの変遷から、三段構えの“愛”と“お客様大好き主義”という確固たる理念、そしてスタッフの育成について語ってもらった。
“お客様大好き主義”が行う徹底したカウンセリング
――先ずは、Rue de Noelで働くことになったきっかけから教えていただけますか?
「元々は地元である堺でいつか店を出したいな、と思っていたのですが、専門学校を経て就職活動をしていく中で、先ずは市内の大手で経験を積もうと考えが変わりました。しかし就職先はがなかなか決まらず、学校に相談してみたところ『大手に行っても埋もれてしまうし、これから大きくなっていこうとしているサロンに勤めたら?』とアドバイスをもらったんです。そうして出会ったのが、創立からまだ1年半のNoel Hair。実際に見学して、オーナーと話をさせてもらったところ、すごくスタッフの将来を考えてくれる環境だということが分かり、ここで働きたいと希望したのがきっかけですね。そこからRue de Noelをオープンさせるということで僕もこちらに。それからしばらくして、前任の店長が産休に入るということで僕が店長をすることになりました」
――働き始めた頃と、今とではお店のイメージも変わりましたか?
「すごく変わりましたね。当初はスタッフも少なくかなりアットホームで、悪く言えばただワイワイやっていただけでした。それが今では、店舗もスタッフも増えたことで、組織化された良いチームになったなと思います」
――お店の雰囲気が変わり大きくなっていく中でも、コンセプトはずっと変わらず?
「いえ、色々と変わってきましたね。会社が成長していくにつれ、社長もスタッフも成長していき、コンセプトも自然と変化してきました。サロンコンセプトは企業理念と分けて考えているのですが、共通しているのはシンプルですけど“愛”です。企業理念としては、僕たちは美容室・美容業を人材育成業だと考えていて、どういう美容師を育てていくかに重きを置いています。“愛”の中には3つの理念があって、第一にお客様に愛される美容師になること。次に、人に愛される人を育てること。それから、愛を持って相手の心を受け止めることの三段構えです。どんな美容師を育てていくのか、お客様に愛されるだけでなく、スタッフ間でも愛されるスタッフを育成するには何が必要か、またスタッフが外に出た時にも愛されるために大事なものは何かなどを常に意識しています。理念の共有を大切にするため、そのための講習会を開いたり、社内会議においてもサロンの運営や教育スケジュールの制作などが、“愛”の理念という軸からブレていないかには気を配っていますね」
――なるほど。では、サロンのコンセプトというのは?
「どういう美容師を育てるかが企業理念だとするなら、美容師としてどういう風にお客様と接していくのか、にサロンコンセプトを置いています。“お客様大好き主義”という言葉を使って、とにかくお客様が喜んでくれることや小さな感動を届けようという心得がスタッフに浸透するようにしています。“お客様大好き主義”という考えが軸にあれば、1人1人がお客様に喜んでもらうためには何が必要かを自分で考え、スタッフ一人一人の個性を生かしながら様々な発信をしていけるのかなと思っています」
お客様への想いがスタッフを自然と成長させる
――“お客様大好き主義”という考えを持って、お客様と接する上で大切にされていることは何ですか?
「何よりもカウンセリングを大切にしています。Noelではスタイリストとしてデビューするにあたって、最も重視しているところはカウンセリングで、レッスンを行うなど力を入れています。ですので他店のカウンセリングとは違うと、全員が胸を張って言えると思います。例えば、お客様の要望をどうやって形にしていくのかが一般的なカウンセリングだとするなら、お客様が要望していることに対してというよりも、今どういったことに悩んでいるのかだとか、どうして美容室に来たのか、将来どうなっていきたいのか、理想の女性像があるのかといった背景を集めていって『あなたに合うヘアスタイルは、こんな風にデザインできますが、どうしましょうか?』と提案すること。なので、ヘアカタログをめくることが、当店ではほとんどないんですよね。実際にほとんどの方がお任せで、『たくさん要望を聞いてもらえます!』だったり『自分で思いつかないことまで提案してもらえた!』といった声も多くことができています。そこからまた再度のご来店に繋がっていることが、自分たちにとって何よりも、気持ちが伝わっているなという実感になっています」
――カウンセリングの他にもスタッフの育成に当たって、気をつけていらっしゃるところはありますか?
「教育に関しては、教えるというよりも、いかにスタッフと時間を共有して何を感じてもらうかを大事にしています。昔から“背中を見せる”という言葉がありますが、僕の言葉や発信していることから、『お客様から支持されるために大切なことは、技術でなく想いの部分にある』ということを感じてもらえるように心がけています。お客様への想いや自信ンの人間力が上がるほど、どうすればお客様に喜んでもらえるか、もっとお客様にいろいろな提案ができるようになりたい、とスタッフのレベルというのは自ずとどんどん上がって行くものだと思うんです。なので僕は、そうしたポジティブな気持ちを膨らませていくための言葉のかけ方や導き方さえ上手くできれば、あとはスタッフが各々で育っていってくれると思っています。お客様に対しての想いを個々で高めて、自分で考えて行動した提案をお客様に喜んでもらうことで成長を実感、今度はそれを後輩に伝えていくという図式にできたらなと。そうしたスタッフ1人1人の意識が、様々な施術に生きてきていると思います」
“お客様大好き主義”をコンセプトに掲げ、訪れた人にいかに喜んでいただけるかを考え抜いたスタッフがたどりついたのは、ただカットやカラーをするだけでなく、安心して長く通ってもらえるように髪をしっかりとケアするメニューでした。インタビューの後半では、“大好きなお客様”のためなら努力を惜しまない、スタッフたちの想いが詰まったメニューの詳細を語ってもらいます。
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