アロマセラピストとは?仕事内容や資格の取得方法などを解説
アロマについて学ぶことや、アロマ業界で働くことを夢見ている人は少なくないのではないでしょうか。アロマの世界にはアロマセラピストという職業があり、活躍の場面は多岐にわたります。
今回は、アロマセラピストの仕事に焦点を当て、業務内容や習得方法、働き方について詳しくお伝えします。アロマ関連の仕事への就職・転職を希望している人は、ぜひ最後までお読みください。
アロマセラピストとは
アロマセラピストとは、精油に関する正しい知識についてお客様にアドバイスをしたり、複数の種類の精油をブレンドしたアロマオイルを使ってトリートメントを施したりする癒やしの仕事です。
精油の持つ特性を幅広く理解するとともに、人体への影響のしくみ、脳やにおいに関する生理学の知識も正確に把握していることが要求されます。
さらに、人間の体がどのように老化していくのかを学び、体の細胞が老化する前に病気にならないための考え方を身につけることも必要です。
最近のストレス社会の影響で、リラクゼーションや癒やしへの関心はとても高まっています。
専門のアロマサロンはもちろんのこと、ホテル・温泉施設・病院・治療施設などでもサービスでアロマトリートメントを取り入れているところが増加しており、アロマセラピストの活躍の場はどんどん拡大しています。
次章では、アロマセラピストがおこなう仕事内容について詳しく見ていきましょう。
アロマセラピストの仕事内容
アロマセラピストの仕事は、天然の植物から抽出したエッセンシャルオイル(植物性香油)を使って、アロマセラピー(芳香療法)を施術することです。
香りによるヒーリング効果を利用して心と身体をリラックスさせたり、ストレス解消やさまざまな身体の不調を改善させたりすることができます。
マッサージや鍼灸院などの治療院や心療内科などの医療機関では、待合室や施術室にリラックス効果のあるアロマを使用するなどアロマセラピーを取り入れるところが増えています。
雑貨店などではアロマグッズが人気を集めていることでもわかるように、今、一般の消費者の間でも香りの効果が知られてきています。
ストレスが多い現代社会において、香りのプロフェッショナル・アロマセラピストは、当分需要が増え続ける存在になりそうです。
カウンセリングやアドバイス
アロマセラピーは心身の疾病の予防や治療を行うことですが、医療的なアロマセラピーは精油を使用したものに限定され、補助療法や代替療法として行われます。
お客様にカウンセリングを行い、どのアロマが良いか判断してアドバイスしてお客様に提供したり、アドバイスや販売などを行います。
アロマトリートメント ボディ・フェイシャル
アロマトリートメントの仕事は、アロマセラピー関連の職種では一番ポピュラーなものです。
専門のアロマサロンの他にも、エステティックサロン、温浴施設やホテル、ブライダルサロン、各種治療院などでも、アロマ トリートメントを取り入れるところが増えています。
サロンの仕事を目指すのであれば、アロマセラピー、リラクゼーションや美容に関する知識はもちろん、ボディやフェイシャルにトリートメントを施す技術も必要になります。
最近は、リンパドレナージュの人気も高まっていて、アロマトリートメントの技術だけでなく、リンパドレナージュの手技を身につけている人も多くいます。
アロマセラピストは資格が必要?
アロマセラピストに関する民間資格はたくさんあります。資格がない人でも、アロマセラピストになることも、サロンを開業することも可能ですが、取得するほうがおすすめです。
特に学歴や資格は必要とされない仕事ですが、実際の現場ではアロマ関連の資格を取得している人が大半とされています。資格を取得することにより、専門的な知識や技術をきちんと身につけたプロとして、信頼感や安心感をお客様に与えることができるためです。
アロマセラピストの資格を取得するメリットとは
つづいて、アロマセラピストに関する資格を得るメリットを見ていきましょう。
就職や転職、キャリアアップに有利
資格を持つことにより、アロマセラピーに必要な知識やスキルを持っていることを証明できます。そのため、アロマ業界で働く場合、採用にあたって有利になりやすいでしょう。また、資格を持っていると資格手当がつく場合があり、給与アップも見込めます。
より専門的な施術でお客様に喜んでもらえる
学んで習得した自らの知識や技術に基づいてアロマを調合し、施術をすることによって、お客様の心や体が癒やされ、喜んでもらえます。
お客様の笑顔や感謝の気持ちがじかに伝わってくると、アロマセラピストとしてのやりがいを感じやすく、モチベーションアップにもつながるでしょう。
知識を自分自身にも役立てられる
身につけたアロマの知識や手技を、自分自身や家族のストレス解消・癒やしなど、日常のヘルスケアに活かすこともできます。
アロマクラフト(アロマオイルを使用して作ったコスメやケア用品など)を作り、友人や同僚といった身近な人にプレゼントするのもおすすめです。
アロマセラピストになるには?① 専門の勉強をする
アロマセラピストになるには、どうすればいいでしょうか。海外では、国家資格として認めているところもありますが、日本ではアロマセラピストに関する国家資格、公的資格などはありません。
アロマセラピストを目指すには、まず体系的なカリキュラムに沿って基礎知識から学習できるアロマ コーディネーター講座や、NARD JAPAN認定アロマ・アドバイザー講座などを受講するのも良いでしょう。
また、アロマセラピストはマンツーマンでお客様に接する仕事なので、アロマの知識や技術はもちろん、人に対する思いやりや優しさ、感性の豊かさも学んでいかなければなりません。
専門学校で学ぶ
アロマセラピストを養成する専門学校は全国にたくさんあります。それぞれの特徴を良く調べて、自分に合った学校を見つけて通いましょう。
関西ビューティプロ専門学校トータルビューティ学科(2年制)
関西ビューティプロ専門学校トータルビューティ学科(2年制)は、幅広く美容業界の勉強ができる学科です。
アロマの資格としては、「AEAJアロマテラピー検定 1級・2級」「AEAJアロマテラピー アドバイザー」のような資格が取得できるほか、エステティック学科であれば、さらに上位の資格も目指せます。
また、アロマ以外では、メイクアップアーティスト・ブライダルドレスコーディネーターに関する資格なども取得できます。
関西ビューティプロ専門学校トータルビューティ学科(2年制)
ル・トーア東亜美容専門学校美容学科
ル・トーア東亜美容専門学校は、エステ・メイク・着付けなど幅広い美容の知識と技術を学ぶことができる学校です。プロが実践するテクニックを学べるセミナーも開催され、美容のさまざまな分野で活躍するスペシャリストたちの技術を目の当たりにすることができます。
アロマテラピー検定以外にも、美容師やネイリストなどの資格取得を目指すことが可能です。
ル・トーア東亜美容専門学校
窪田理容美容専門学校テクニカルスタイリスト科 ビューティーコース
窪田理容美容専門学校テクニカルスタイリスト科 ビューティーコースは、1年間で「女性の美」に関するさまざまな知識を身につけられる学科です。
「日本エステティック協会認定エステティシャン」や「JNAジェルネイル技能検定 初級」などの美容資格を得られるほか、希望者は、「アロマテラピー検定1級」の資格取得を目指せます。
窪田理容美容専門学校テクニカルスタイリスト科 ビューティーコース
大阪ハイテクノロジー専門学校柔道整復スポーツ学科・柔道整復学科
大阪ハイテクノロジー専門学校柔道整復スポーツ学科・柔道整復学科は、柔道整復師やアスレティックトレーナーを目指す人のための学科です。
一見アロマとは関係なさそうに感じられますが、柔道整復師の勉強もしつつ、公益社団法人 日本アロマ環境協会の「アロマテラピー検定1級」資格を目指すことができます。柔道整復の仕事の一環として、アロマを取り入れるのもよいかもしれません。
大阪ハイテクノロジー専門学校柔道整復スポーツ学科・柔道整復学科
認定校で学ぶ
アロマセラピーを学べるスクールはたくさんあります。学ぶ目的が趣味なのか、講師として活動するためなのか、お客様に施術をするためなのかしっかり決めたら、各スクールの案内を取り寄せて、費用や通学期間など自分の条件に合ったスクールを選びましょう。
日本アロマ環境協会(AEAJ)では、アロマセラピーに関する知識を取得する場として、独自の条件をクリアしたスクールを認定スクールとして定めています。認定スクールは全国にあり、誰でも通いやすくなっています。
通信で学ぶ
アロマセラピーを学べる通信講座は、ユーキャン・キャリカレ・たのまな・日本アロマセラピー統合医学協会などから多数用意されています。趣味でやりたい人からプロになりたい人まで多くの需要があり、学びやすいです。
テキストやDVDなどの教材で学べるほか、オンライン通信でリアルタイム講座を受けられるものもあります。計画的に学習を進められ、仲間やインストラクターの存在によってモチベーションを保ちやすい点がメリットです。
アロマセラピストになるには?②資格を取得する
日本では、アロマセラピーの資格は国家資格や公的資格ではなく、民間の協会によって認定されます。そのため、就職や開業するためにアロマセラピーの資格を取得していなければならないというわけではありません。
しかし、実際にはアロマ関連の求人は有資格者を優遇しているため、就職を志しているなら資格取得は必須条件と言えます。まして、独立開業を目指す人ならなおさら、お客様からの信頼を得るためにも資格を取得することが重要です。
また、アロマセラピーはとても奥が深く、学習しなければならない内容は多岐に渡り、細かいことにも及ぶので、独学だけで習得するのはとても難しいです。そのため、アロマセラピーの資格を取得して正しい知識を深めることは、大変有意義です。
公益社団法人日本アロマ環境協会 アロマ検定・アロマセラピーアドバイザーなど
公益社団法人・日本アロマ環境協会は、アロマセラピー検定、アロマセラピーアドバイザーの資格などを認定している、日本有数のアロマセラピー協会です。
「日本アロマ環境協会」の前進である「日本アロマセラピー協会」は1996年に設立され、アロマセラピーに関する正しい知識の普及・研究活動や、資格の認定など、さまざまなアロマセラピーに関連した活動を行ってきました。
2005年に環境省の所管で法人許可を受け「公益社団法人 日本アロマ環境協会」として新たに発足しました。
アロマテラピー検定には、「アロマテラピー検定1級」「アロマテラピー検定2級」があり、毎年5月と11月に実施され、受験資格もなく何級からでも受験ができます。
日本アロマコーディネーター協会 アロマコーディネーター・インストラクターなど
日本アロマコーディネーター協会(JAA)は、1995年に設立され、翌年アロマコーディネーターの認定制度をスタートしました。アロマセラピー講座や、アロマハンドリラックス認定制度を始めるなどいろいろな講座や資格を作り続けています。
アロマコーディネーターは、日本アロマコーディネーター協会の認定資格です。
「花や草から生まれる香りのエッセンスの知識をもとに、自然の香りに親しみ、愉しみながら、より豊かなライフスタイルを”提案・実現”出来る人」と定義され、この資格を得ると、アロマセラピーの全般的な知識と技術を習得し、家庭や職場、アロマショップやサロンなど、さまざまな場面でアロマの効果を活かすことができます。
一般社団法人日本アロマセラピー学会 基礎認定・トリートメント認定など
一般社団法人日本アロマセラピー学会は、1997年に活動を開始しました。
「アロマセラピーを医療で正しく応用することで医療分野でのアロマセラピーの普及に寄与する」「アロマセラピーの科学的・医学的な研究により学術としてのアロマセラピーの確立を目指す」などの理念を持ち、アロマセラピーを医療で利用する社会的認知度を高める活動をしています。
基礎認定は、内科・整形外科・の神経外科、皮膚科、産婦人科などの専門家がアロマセラピーと疾患回復との関連などについて論じたものを学習するなど、学術的な内容となっています。
トリートメント認定は、プロのアロマセラピストとして、一般の方にアロマセラピートリートメントやコンサルテーションを実践できる能力を認定する資格です。
この資格を持った人は、精油の専門知識の他に、解剖生理学や皮膚科学に関する知識、さらにトリートメントの技術などを習得し、ボディとフェイスへのアロマセラピートリートメントやコンサルテーションを行うことができる人材と言えます。
アロマセラピストの働き方5つ
次にアロマセラピストの働き方を見ていきましょう。需要が高い職種ですから、就職先はたくさんありますね。
1. アロマサロンに就職する
アロマセラピストやアロマセラピー関連の求人の情報は、一般の求人雑誌やサイトではあまり見かけませんが、アロマ協会のホームページやアロマセラピスト専門の求人サイトには、いつも何十件もの募集記事が掲載されていることもあります。
インターネットで、「アロマ求人情報」「アロマセラピスト就職」というキーワードを入れて検索すれば、アロマセラピストの求人情報が出てきます。
また、アロマサロンや、精油のメーカー、アロマ関連企業などのホームページにも求人募集が載っていますから、そういうホームページで探してみると良いでしょう。
求人情報には、アロマサロンなどでトリートメントをする仕事が最も多く出ています。アロマ スクールの講師やアロマショップのスタッフなども増えてきていると言えるでしょう。学びたい人が増え、自分でもアロマを購入して体験したい人も増えたからでしょう。
「初心者も応募可能」と書かれている場合もありますが、アロマセラピーの資格取得者や経験者を優先的に募集しているものが多いです。
採用される確率も有資格者や経験者の方がもちろん高いです。やはり本格的にアロマセラピーの勉強をして、資格を取得することが就職するための第1歩と言えそうです。
2. アロマ関係のお店でアドバイザーになる
「アロマセラピーアドバイザー」という資格があり、アロマセラピーのサロンなどで活躍できます。
アロマセラピーアドバイザーは、精油やアロマの関連商品を求めるお客様にアドバイスや接客販売をする仕事です。
講習やアロマテラピー検定試験の勉強で学んだことを活かし、アロマの利用方法や精油の選び方、アロマを使用したいシーンに適した使い方などを提案します。
また、精油の特徴やタブー、利用法、アロマセラピーを行うときの注意事項などをお客様に伝え、お客様からの質問に答えられる技量が必要です。
3. アロマセラピー講師になる
アロマテラピーインストラクターの資格を取得して、アロマセラピーの講師として活躍する方法もあります。カルチャースクールや専門のアロマスクールで、アロマセラピーの健康維持への役立て方や幅広い利用法といった正しい知識を指導する仕事です。
人に教える仕事のため、ふだんの利用方法や精油の特徴・タブーはもちろん、精油の化学や人体の解剖生理学など、高度なアロマの専門知識が要求されます。
4. アロマ関係の企業に就職する
アロマに関係するイベントの企画・広報・商品の仕入れなど、企業によってさまざまな業務があります。アロマの知識の他に、企画・広報などそれぞれの業務のスキルも必要です。
また医療の現場、ペットアロマセラピスト、スポーツアロマセラピストなど、アロマセラピーはさまざまな場面で取り入れられています。
5. 独立開業してサロンを開く
アロマセラピストの資格を持っていれば、独立してサロンを開くことができます。一般には、企業に勤務して美容サロンなどで経験を積んだ人が独立するケースが多いようです。
勤めていた時に比べると、かなり年収アップが見込めます。自分でチラシを作って配布したり、広告費をかけたりしてお客様を獲得するといった地道な努力をして、自分のサロンで成功しましょう。
アロマセラピストとして活躍してみよう!
アロマセラピストとは、精油の力を活かして人に癒やしを与える仕事であり、多彩な場面で活動できる可能性を持つ職業であることがわかりました。
スクールや通信講座などで専門的な学習を行うことによって、お客様から信頼してもらえるセラピストを目指すことができます。
興味のある人はぜひアロマ業界に参入し、深い知識と技を習得して、アロマセラピストとして活躍してください。
引用元
厚生労働省|アロマセラピスト – 職業詳細
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