有名店、フリーランスを経て、青山にサロンをオープン! 激動の道のりを支えた夢とライフプラン【美容師・イシダユリさん】#1
有名サロン「OCEAN TOKYO」での経験を積み、その後フリーランス、そして2024年には自身のサロン「muku」をオープンした美容師のイシダユリさん。どんな働き方をしても、一貫して愛あるサービスと仕事への情熱を胸に、お客様との信頼関係を築いています。
前編では辛い新人時代を乗り越えた「文句を言う時間があるなら、手を動かしたほうが早い」というマインドや、ライフステージに合わせたキャリアの築き方についてご紹介。仕事もプライベートも充実させるためのヒントをお聞きしました。
今回、お話を伺ったのは…
美容師・「muku」オーナー イシダユリさん

島根県出身。グラムール美容専門学校卒業後、東京・目黒のサロンで1年勤務。その後「OCEAN TOKYO」に入社。4年半勤務した後、独立し、2020年の7月からフリーランスとしてメンズカットを中心に多くのお客様の施術を行う。2024年11月、外苑前にサロン「muku」をオープン。現在はオーナー兼プレイヤーとして活躍している。旅行が趣味で国内の47都道府県は全制覇。海外も23カ国を訪れた経験がある。
YURI’s PROFILE
お名前 |
イシダユリ |
|---|---|
出身地 |
島根県 |
出身校 |
グラムール美容専門学校 |
プライベートの過ごし方 |
海外旅行 |
趣味 |
旅行とお酒 |
憧れの人 |
いません。憧れの人をつくるとその人以上にはなれない気がするので。 |
「美容師」という夢がいつも私を支えてくれている

――美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。
昔から自分の見た目にコンプレックスがあったのですが、美容院に行って髪をきれいに整えてもらったり、印象を変えてもらったりするたびに前向きな気持ちになれたんです。「まるで魔法みたいだ!」「私もこんな風に誰かを変えられる仕事がしたいと」と憧れの気持ちを抱くようになりました。中学生の頃からずっと夢は美容師でした。
――専門学校卒業後に大阪から上京したとのことですが、その理由は?
専門学生のとき、大切な人を事故で亡くしました。とても辛い経験だったのですが、そのときに一番支えになったのが「美容師になりたい」という昔からの夢だったんです。夢があるおかげで前に進めた。それならば夢に人生をかけようと思い、美容の最前線で挑戦するために上京を決めました。
――挫折しそうになることはありましたか?
美容師を辞めたいと思ったことはありませんが、アシスタント時代は苦労しました。昔ながらの上下関係や、厳しい指導に心が折れそうになった日々。学びや挑戦の機会に対してありがたさを感じながらも、理不尽だと思うことも多々ありました。
そのときから自分がされて嫌なことは、周りの人には絶対にしないと決めています。最近は時代が変わってきたので理不尽な指導は少なくなっていると思いますが、これからもより一層美容業界全体が働きやすい環境になってほしいです。
――大変な時期をどうやって乗り越えたのですか?
泣きながら同期に相談した日もたくさんありました。しかし「文句を言う時間があるなら、手を動かしたほうが早い」と考えるようになってからは、前向きになれた気がします。毎日オープン前から、営業終了後の夜遅くまでカットモデルに来てもらい練習をしました。「今の自分にできることを全部やる!」と必死に行動していたのを覚えています。
――当時はどのようにモチベーションを保っていたのでしょうか?
「早くスタイリストになる」という目標が心の支えでした。アシスタント時代もお客様を担当する場面はありましたが「自分のお客様」という感覚はなくて。いつかは自分も指名して予約してくださるお客様を責任もって担当し、幸せにしたい、という憧れが原動力だったと思います。「OCEAN TOKYO」に入社して2年半ほどでスタイリストデビューを果たしました。
同時期に独立した同期と支え合ってフリーランスの孤独を乗り越える

――フリーランスになったきっかけは?
時間とお金の使い方を自分でコントロールしたいと思ったのがきっかけです。とくに女性の場合、結婚や出産など人生の転機があるなかで、美容師として全力で走れる期間は限られていると感じていました。30歳をひとつの節目と考え、26歳になる年に「これからの5年間は自分の責任でお客様を担当しよう」と決意。プライベートと仕事、どちらも大事にしたいからこそ、フリーランスという働き方を選びました。
――フリーランスになってよかったと思うことは?
「自分のお客様」が明確になったことです。アシスタント時代からお世話になっているお客様とフリーランスになってからも1対1で向き合える喜びはとても大きかったです。予約名簿に自分のお客様の名前だけが並んでいるのを見たときに、私を頼って来てくださるんだと、責任感と同時に喜びを感じました。
――逆に苦労したことはありますか?
独立したのが2020年7月で、ちょうどコロナ禍の真っ只中だったんです。緊急事態宣言の影響でお客様への引き継ぎも十分にできず、もっと工夫できたのではないかという悔しさも残っていました。また、ひとりで働いていると限界も感じやすくて。誰かと一緒に働くことで刺激を受けたり、技術を見られたりしたことは、とても貴重だったんだと実感しました。
――そんななか、どうやって成長を続けたのですか?
ちょうど同時期に「OCEAN TOKYO」時代の何人かの同期も独立していて、サロンを間借りして一緒に働く機会もあったので、技術を教え合ったり、新しい商材を紹介したりしていました。お互いの強みを活かしながら切磋琢磨できた時間だったと思います。
ライフステージの変化によってサロン開業を決意

――サロンを立ち上げようと思ったのはなぜですか?
昨年結婚し、ライフステージが変わったのがきっかけです。将来的に子どもを産んだり、病気になったりしたときに、フリーランスのままではお客様を受け入れる場所がなくなってしまうと思いました。また周りの仲間たちがどんどん経営者になっていくのを見て、焦りを感じたり、SNSで発信される情報に心が揺れたりすることもあって。
そんなときに、仲のよい先輩がマンションの一室でプライベートサロンを経営しているのを見て「大きな店舗でなくても、自分の身の丈に合ったサロンを作ればいいんだ」と気がついたんです。
サロンがあれば自分が働けない間もお客様が安心して通える居場所ができると思い、出店を決意。自分に合ったスタイルでサロンを経営する先輩や同期がいてくれたことで、その方たちを参考に自分のペースで進めた気がします。
――決意をしたのは昨年とのことですが、同年の11月には「muku」をオープンされていますよね。かなりの早さで準備を進められたのでは?
物件探しを始めたのが6月。7月から本格的に準備に動き出し、融資も順調に進んで、10月には施工がスタートしました。そして11月には無事にオープンすることができたので、かなりスムーズに進んだと思います。スタッフも、最初に声をかけた方がすぐに「一緒にやります」と言ってくれて、ありがたいスタートが切れました。
――お店を構えることで売上に対する考え方なども変わりましたか?
はい。オーナーでもあるので、スタッフの生活も守らないといけないという責任感が増しました。ただ、これまで単価を少しずつ上げてきたので、フリーランスのときも今も大きく売上が落ちたことはありません。
――単価を上げるときに意識していることはありますか?
値上げはこちらの都合なので、その都度お客様にご理解いただくことが大切。そのため、ただ値上げするのではなく、必ず追加メニューを増やすようにしています。たとえば頭皮用のクレンジング剤を追加するなど、お客様が納得できるかたちを探すことに注力していますね。目に見えてわかるオプションをつけることでお客様の満足度を上げながら単価も変更してきました。
後編では旅行が趣味というイシダさんの仕事とプライベートの両立方法や今後の目標について伺います。
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住所:東京都港区北青山2-10-22
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