【美容師のカラー技術】ALBUM HARAJUKU 桑原大貴さん流 『バレイヤージュ×シャドールーツ』#1
近年のデザインカラー人気を加速させている「バレイヤージュ」。フランス語で「箒で掃く」という意味の通り、筆で描いたようなハイライトの筋感が魅力のカラーテクニックです。
今回は、そんなバレイヤージュテクニックに定評があり、多くの集客を実現しているALBUM HARAJUKUの桑原大貴さんが登場。前編では、その技術力のルーツと、集客につなげる秘訣、今気になるカラーデザインについてお伺いしました。
ALBUM HARAJUKU 桑原大貴さんにインタビュー
SNSを活用して、技術力も集客もアップ
――美容師になったきっかけを教えてください。
僕の家族は、弟以外みんな美容師なんです。自宅の1階が美容室で、美容学校に入るまで、髪は親にしか切ってもらったことがありませんでした。とは言え、最初から美容師になろうと思っていたわけではなくて、高校生まではサッカー選手を目指していたんです。でも挫折して、脚じゃなくて手を動かす美容師を目指すことにしました。もともと美容は身近にあったので。
美容学校卒業後は、都内のサロンで6年間働き、4年前にALBUMに入社しました。
――若手時代は、どんな風に技術を磨いていましたか?
当時はSNSとかバレイヤージュみたいなテクニックもまだなかったので、特別なことは何もしていません。渋谷でハントして、モデルさんを呼んで、何度も練習することの繰り返しです。朝と夜3時間くらいは練習していたと思います。とにかく、数をこなす感じでした。
ALBUMの前にいたサロンは、ブリーチをまったくしないお店だったので、そのあたりは独学で、試行錯誤しながらやっていました。
――若いうちにしておいたほうがいいことは何だと思いますか?
今は絶対にSNSですよね。自分のページをしっかり作ろうと思えば、その分スタイルを作る数も増えるので、おのずと練習にもなるし技術力も上がっていきますから、やったほうがいいと思います。うまくいけば、集客にもつながりますから。
――やはりSNSでの集客は多いですか?
はい。僕の場合は、かなり直結していますね。バレイヤージュを推し出したのは3年前くらいからですが、今ではお客様のほとんどがカラーを希望してくれます。SNSがサロンワークに直結している分、発信するデザインも重要になってくるなと思います。
――SNSで発信するときのポイントは?
あまり、いろいろなことをやっても意味がないので、自分の推していきたいポイントを作ることが大切だと思います。やりたい世界観を統一するというか。
例えば僕の場合、派手なピンクとかオレンジとかのカラーリングは、実際にサロンワークで作ったとしても、あまりSNSには載せないんです。そういうのは、正直に言うと、自分が好きな世界観ではないので。自分が「こういうお客さんに来てもらいたい」って思うものをアップすることは大切かなと思います。
あとは、自分なりに自信があるものしか載せないですね。だから、没もいっぱいあります。
同じバレイヤージュでもデザインで個性を作っていく
――サロンワークでのこだわりはありますか?
担当するお客様の数が多いので、手早くできるようにというのは心がけています。デザイン面では、ちょっと凝って見えるような、他の人と少し違うところを作ってあげることを考えています。
接客面で大切にしているのは、お客様がその時に一番したいことを聞くことです。例えば、カット+カラーの予約が入っていたとして、最初の声掛けが「どんなカットにしますか?」だと、その時点でこちらが限定してしまっているんですよね。まずは「今日はどうしますか?」と聞いて、最初に出てきた言葉が一番重要。カットの話から始まれば、一番の希望は切ることだし、カラーの話ならカットよりカラーの優先度が高いんです。「一番してほしいこと」がブレなければ、満足度も上がりますから。
――カラーのお客様が多いとのことでしたが、今気になるカラーデザインはありますか?
僕は海外のインスタグラムをよく見てるんですが、そこから見える動向として、バレイヤージュのようなグラデーション系のカラーでも、暗い部分が少なくなってきているなというのを感じます。とくにボブくらいだと、ハイライトの根元のスタート位置を高めにするのが今っぽいと思います。「シャドールーツ」っていう、根本にちょっと影があるくらいのデザインがいい感じなので、それを流行らせていきたいと思っているところです。
――では、今回ご提案いただいたデザインについて教えてください。
今回はロングのモデルさんなので、髪をかき上げたり巻いたりしたときに、しっかり筋感が出るように根元のデザインを作りました。根元の暗い部分の比率をスライスごとに変えることで、ハイライトのスタート位置の高い表面の髪が、スタート位置の低い内側の髪に重なり、キレイに筋感が出てくるようにしています。
桑原さんが提案する『バレイヤージュ×シャドールーツ』
箒で掃いたような筋感を作るバレイヤージュに、根本の暗い部分の比率で作り上げるシャドールーツを組み合わせたデザイン。根元に暗い部分を作ることでハイライトが際立ち、髪に立体感と動きを出している。
桑原さん流『バレイヤージュ×シャドールーツ』のいいところ
1.なかなか美容院に行けなくても気にならない
2.本格的な外国人っぽいデザインが作れる
3.どんな長さでも簡単にオシャレに見える
ブリーチテクニックに定評がある桑原さんのデザインカラーは、その人に合わせた根元のデザインも魅力のひとつ。後編では、詳細な施術内容について教えていただきます。
▽後編はこちら▽
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取材・文:山本二季
撮影:片岡 祥
ヘア&メイク:桑原大貴(ALBUM)
モデル:高橋めぐみ
教えてくれたのはこの人!
桑原大貴さん
ALBUM HARAJUKU クリエイティブディレクター/店長
独自のハイライト、グラデーション技術による外国人風カラーを得意とし、透け感のある柔らかいスタイルが多くの女性から支持を集めている。業界誌、ファッション誌でのカラー提案をはじめ、メイク、スタイリング提案などでも活躍中。インスタグラムのフォロワー数は12万人を超える。
インスタグラム:taiki0726
Salon Data
ALBUM HARAJUKU(アルバム ハラジュク)
住所:東京都渋谷区神宮前6-5-6 サンポウ綜合ビル701
TEL:03-6433-5383
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