コンセプトはオーガニック&サスティナブル!『CANNA』のサロン作りに迫る
『CANNA』は2004年の11月にオープンした代官山の美容室です。30~50代の女性を中心に支持を集め、2013年にはバンコクへの出店も成功。ちなみに、タイでの展開の理由は「オーナーが好きな国だったから」とのこと。そんな『CANNA』が、ファンをつかんでいる背景には、スタッフとお客さまの両方を考えたコンセプト設定や、環境と身体に優しい商材の選定がありました。
今回は、店長の宮澤豊宏さんにインタビュー。前編ではお客さまから愛されるサロン作りに迫ります。
コンセプトは「オーガニック&サスティナブル」
————まずは『CANNA』がお客さまから支持を集めている理由を教えてください。
「『オーガニック&サスティナブル』という強いコンセプトを掲げているからだと思います。少し補足すると『オーガニック』とは、農薬や化学肥料を使わずに農産物を作ることです。そのため、サロンでは自然由来の成分から作られている商材を扱っています。
また『サスティナブル』とは、『持続可能であること』を表している単語です。美容室に関わることでは、土に帰るボトルを採用している商品の導入などがあります。つまり『CANNA』は、生物と環境に優しい美容室です」
————なぜ、そのコンセプトを設定したのでしょうか?
「きっかけはスタッフの手荒れが激しかったからでした。美容師の手は、お客さまの目にもっとも留まりやすい部分であり『きれいな手と荒れている手のスタッフのどちらから施術を受けたいか?』と聞かれたら、もちろん前者だと思います。
ちなみに、このコンセプトを設定したのは2006年頃でした。当時はまだ、『オーガニック』や『サスティナブル』という言葉は一般的ではなかったので、ユニークなサロンとしてメディアから注目が集まりました。そこで興味を持った方がサロンにいらっしゃって、それ以来多くの方がずっと通い続けくださっています。
そのため、『CANNA』は最近のオーガニックの流れに影響を受けているわけではありません。まずは、スタッフが働きやすい環境を作り、そして高い技術力を身に付けて、そこに身体や環境への想いが強いお客さまがいらっしゃる。この流れがうまく回っているので、安定した成果を残しているのだと思います。」
環境と身体に優しい、Badensシャンプー
————ちなみにサロンには、どのような商材が揃っているのでしょうか?
「たとえば、シャンプーは『Badens』の製品を使っています。『Badens』は、『安全に洗うこと』を真剣に考えて商品作りを行っているブランドです。美容商材について考えた時に、シャンプーはもっとも多く排水溝から流れている商材だと思います。そのため、環境に優しいことはとても大切です。
『Badens』のシャンプーは、『微生物が洗浄剤を分解できる割合がとても高い』という結果を環境試験で残しています。つまり下水処理をした時に、川に流しても問題ない状態になりやすいシャンプーです。また、身体にも配慮されて作られています。皮膚に刺激を与える界面活性剤が使われていないので、肌に優しい商材です」
スタッフの個性を生かせるサロンを目指して
————サロンでとくに押しているスタイルはありますか?
「軸となるスタイルはとくに作っていませんが、サロン全体としてはショートのオーダーが多いですね。スタッフにはそれぞれの強みがありますから、『オーガニック&サスティナブル』というコンセプトを守りながら、メンズスタイルやブリーチカラーなど自分の色を前面に出してもらっています。
また個人発信では、フォーマットやルールを決めることはせずに基本的にはスタッフに任せています。主に活用しているツールはインスタグラムで、こだわりとしてはなるべく実際のお客さまをアップすることです。モデルさんの写真を載せるよりも、安心感が増しますからね。
個人発信に力を入れ始めたのは最近なので、まだ大きな成果は出ていませんが、これからはスタッフの興味のあること、好きなことをもっとバシバシ打ち出していきたいと思っています。『お店に集まる』ことはもちろん、『個人にも集まる』サロンを目指していきたいですね」
お客さまから愛されるサロン作りの極意
2年でのデビューを目指した教育を行っているという『CANNA』。お客さまから愛されるサロン作りの極意をまとめると、下記の3つでした。
1.スタッフとお客さまの両方を考えたコンセプトを掲げる
2.環境と身体に優しい商材を取り入れる
3.スタイルを統一せずに、スタッフの個性を生かす
後編では、リピートを生む方法に迫ります。
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