美容師の「何が」好きで、「何を」したいのか。ポイントは自分の想いを明確にできること Hair & Life Design TREE 神田直樹さん #2
前編と後編の2回に分けて、ヘアサロン 「Hair & Life Design TREE」の代表、神田さんから採用にまつわるホンネを教えていただきます。
前編では、常に最新の技術と製品を取り込んでサロン激戦地の銀座で差別化を図っていること、美容師として一人前になるには「この仕事の何が好きなのか」など本質を突き詰めることがいかに重要なのかをご紹介しました。
後編では、このサロンの福利厚生について、実際に採用された人材のこと、そして美容師以外にも進む道を応援していることについても伺いました。
お話を伺ったのは…
Hair & Life Design TREE
代表 神田直樹さん
資生堂美容学校を卒業後、都内の有名サロン数店舗で研鑽を積む。店長なども経験した後に独立。2014年3月に有志3名と銀座に「Hair & Life Design TREE」を創業する。サロンの代表としてサロン運営はもちろん、人材の採用と育成にもあたっている。
仕事に抱いている夢を実現するには、素直さと真面目さも重要
――神田さんが採用を担当するようになって、変わったことはありますか?
がむしゃらに休まず働くような、自分の過去を基準にするのを止めました(笑)。今は仕事もプライベートも、どちらも大切にできる環境でなくては人は集まりません。
ほかにも福利厚生の一環として年に1回は社員旅行を催行したり、他業種の接客を学ぶために食事会を開いたりしています。
――前編で「スタイリストの離職率が高い」と伺いましたが、こちらのサロンでも辞めてしまう人が多いですか?
どんな美容師になりたいのか、具体的なヴィジョンを描けない人は辞めていきますね。
ただ、美容師を辞める理由がマイナスな意味ではなく、ステップアップするためだったら、いろいろ相談に乗ってますよ。
「海外で働きたい」と言って辞めたスタッフは今、カナダで働いています。サロンワークではなく、「ヘアメークの道に進みたい」というスタッフもいました。そういう前向きな人には、僕の友人や知り合いなど人脈を紹介して、できる限り応援しています。
「子どものころからの夢」をバックアップしたくなる素直さが採用の決め手に
――アシスタントの川口綾佳さんのことを教えてください。採用を決めたポイントは?
いちばん最初に彼女と話をしたときの第一印象が、「素直で真面目」。美容師になりたい理由もちゃんとあって、「子どものころからの夢を実現したい」という熱意が伝わってきました。
実は彼女、サロン見学に来てくれたときは髪色がピンクだったんです(笑)。それが、いざ面接となったら落ち着いたブラウンに染め直していて、気合いとけじめを感じました。
僕だけでなく、他のスタッフの評価も高かったですね。
――これからの川口さんに期待することは何ですか?
お客様から求められる人材に育ってほしいですね。彼女はいろいろな技術を学んでいる段階ですが、すでにシャンプーやヘッドスパでお客様から指名されることもしばしば。頑張れば頑張るほど上を目指せますから、その調子で努力を続けてほしいですね。
ROOKEI’S FILE
アシスタント 川口綾佳さん
2019年3月、東京総合美容専門学校を卒業後、いったん他店に就職。離職後、同年11月にHair & Life Design TREEへ転職。現在、アシスタント歴2年目の22歳。
――美容師を目指したのはなぜですか?
私が幼稚園に通っていたころに髪を切ってもらっていた美容師さんにずっと憧れていたんです。憧れの気持ちから「私も美容師になりたい」と思うようになりました。
自分の技術でお客様を笑顔にできる、素敵な職業だと思っています。
――このサロンに就職した理由を教えてください。
サロン見学で訪れたとき、スタッフの方が笑顔で迎えてくださったことと、スタッフ同士の仲が良くてアットホームな雰囲気がとても心地よかったことですね。
ヘッドスパやトリートメントのメニューが多く、アシスタントでもお客様の施術を担当できるのも、このサロンに決めた理由のひとつです。
――このサロンに就職してよかったことは何ですか?
技術をしっかり教えていただけるので、安心して練習に取り組めることです。
それからこのサロンが銀座にあるということもあって、いろいろなご職業の方がいらっしゃいます。私には経験できない他の業種のことを知ることができて、とても勉強になります。
神田直樹さんのホンネから分かった採用を勝ち取るためのポイント
常に目標に向かって努力し続けていたいです。このお店の先輩たちのように自分の技術に自信を持って、お客様に信頼される美容師になりたいですね。
1. 美容師として「何をしたいのか」を深く考えておく
2. 美容師という仕事の「何」が好きなのか、明確に説明できる
3. 自分の考えや意見をきちんと説明できる
美容師は離職率が高いからこそ、「自分はどうなりたいのか」「何をしたいのか」という明確なヴィジョンが必要…という神田さんの言葉が印象に残りました。
また、好きな理由を明確に答えられないと熱意は伝わらない…というのも、すごく腑に落ちました。何ごとも突き詰めて考えないと、一番大切な「核」の部分は見えてきません。そのために必要なのは、想いを言葉にすること。普段から自分の考えや意見を言葉にする練習をしておくといいかもしれません。
▽前編はこちら▽
思いや考えを自分の言葉できちんと伝えられることが何よりも重要。Hair & Life Design TREE 神田直樹さん #1>>