【SNS活用術】美容情報は出し惜しみをせず、儲けのために嘘はつかない!【MEDEL Asamiさん】#2
バストアップサロンながらも、バストを含めた全身ケアで女性らしい体つきに導くエステティシャン Asamiさん。「フォローがバレたくない」「通っているのが恥ずかしい」というバストケアサロンならではのネックに対し、施術ビフォーアフター投稿を載せないという形で対策。代わりに濃い内容の美容情報をたくさん発信することでフォロワー数を増やしてきました。Asamiさんが投稿する美容情報には「利益」「集客」という下心はなく、その姿勢がリピート率にも貢献しているようです。
後編では、美容情報を発信する上でのAsamiさんのポリシー、知識系投稿の反響の推移、クーポンサイトとInstagramとのリピート率の差について教えていただきます。
教えてくれたのは…
MEDEL オーナー Asamiさん
バストケア専門店で事務職を経て、技術職に転身。その後独立し、約4年前にプライベートエステサロン「MEDEL」をオープン。バストケアに特化していながら、全身との関連性を説き、姿勢改善などの全身メニューにも力を入れている。Instagramのフォロワー数は約2.2万人(2021年11月現在)で、バストケアだけでなく、ジャンルを問わず幅広い美容情報を発信している。
Instagram:@medel_ikunyu
利益を度外視して、美容情報を惜しみなく伝える
――幅広い美容情報を普段どのようにインプットしてるのでしょうか。
暇があったら本を読んでいますし、移動中はYouTubeをラジオ感覚で聴いています。
みんなに伝えたいことがたくさんありすぎて、「これ載せよう」と自然に頭に降りてくるんです。結果的にフォロワー数が2万人までに増えましたが、フォロワー数を増やすためにやってきたつもりはないんです。ウケるためのネタではなく、伝えたいネタを伝えるのが一番だと思いますよ。
――あえて体裁を整えていないことからも、Asamiさんの純粋な気持ちが伝わってきます。
施術の合間とか電車の中とか、バタバタした環境で投稿しているので、見づらいだろうなー…とは思っているのですが、「その手づくり感が良い」「やりすぎていない感じがAsamiらしくて良いと思います」と言ってくださる方もいて。そのままで良いという声も多くいただいたので、もうこのスタイルでいこうかなって(笑)。
――おうちでできるセルフケアの投稿も多く上げているようですが、逆に集客の妨げになったりしませんか?
お客様にも「こんなに情報を開示しちゃって大丈夫?」と心配されるのですが、私からしたらInstagramに載せている情報はほんの一部。もっと載せたいことはたくさんあるんですよ。セルフケアだけで解決できるのであればそれはそれで良いことだと思っています。
もはやInstagramを集客ツールとして使っていません。「予約2ヶ月待ち」など、集客に執着しなくてもリピーターさんで回していけるくらい安定してきた頃に投稿スタイルをシフトチェンジしたんです。
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Asamiさんの情報を出し惜しみしない姿勢は格好良いですね。日々たくさんの美容情報を発信しているAsamiさんには、あるポリシーがあるようです。
クーポンサイトよりもInstagram来店の方がリピートにつながりやすい
――今やフォロワー数2.2万人(2021年11月現在)ですが、いつ頃から増えはじめたのでしょうか?
去年の緊急事態宣言が発令された頃はまだ5000人ほどだったのですが、自粛期間でお店を閉めていた4・5月にInstagramに力を入れ、動画なども作成していたら一気にフォロワー数が増え、6月には1万人に急増。それまでもターゲットや時間帯などを意識してはいたのですが、ある一つの投稿を上げたら爆発的にヒットしたんです。
――どんな投稿ですか?
バストアップのセルフマッサージ動画だったと思います。当時は写真で解説している投稿が多く、動画での解説が新鮮だったのかもしれませんストレッチにしても手の向きをどうするかによって伸びる部位が変わってくるので、動画の方が正確に伝わりますからね。あと、みなさん意外にも解剖学的なものに興味を持っているようで、筋肉や骨格の画像を動画に一緒につけて説明するというスタイルが好評でした。より具体的に専門的な情報を載せてあげるとイメージがわきやすくて、「すごく参考になる」というお声をいただきました。
そこからマッサージ系の動画を上げるようになり、何日かで1000人単位で増えていきましたね。
――マッサージ動画で急上昇したのですね。今ではAsamiさんのセルフマッサージ動画は定番になっていますね。
でも、本当は顔出しとか絶対に嫌だったんです(笑)。もともとSNSで自撮り写真をアップすること自体恥ずかしかったのですが、「SNSをビジネスでやるなら、きちんと顔を出した方が良いよ」とアドバイスをいただき、渋々…(笑)。
バストアップは特殊なジャンルなので、たまにキャラクター的な感じで「おっぱい先生」「バストアップの神」と名乗る人もいます。その方が注目を浴びると思いますが、自分はそういう風に持って行くことに抵抗があり、地道ながらも「本当に良い」美容情報を発信していこうと思いました。
――来店数も増えましたか?
もともとリピーターさんで回せていたのですが、それでも自粛期間中は来店が減って焦りましたね。去年の4月にクーポンサイトの契約を解除したのですが、緊急事態宣言明けはInstagramを見て来店してくださった方がたくさんいて、予約がいっぱいになりました。Instagramを頑張っていて良かったなとつくづく思いましたし、クーポンサイトに頼らなくても集客できるという自信がつきました。
――リピータさんにも何かプラスとなりましたか?
私が伝える情報は少し濃いめというか、他のサロンさんとは毛色が違う情報だと思います。けれど、Instagramで事前に下調べしてきた方は、私の考え方を理解・共感してくださっているようで、私の施術スタイルに委ねてくださる方が多いので、こちらもやっていて楽です。
事前にサロンコンセプトや施術スタイルを発信できていないと、来店時に「いや、そういうことじゃないんだよな…」と、サロンとお客様との方向性の不一致でリピートしなくなるパターンが多いですよね。
クーポンサイトに頼りきりになると、一見さんが多くなってしまうのかなと。MEDELでも「お得なクーポンを使って試しに一回だけ」という方が多かった印象です。Instagramの方が濃密な情報を伝えられ、コアな層に発信できるので、「MEDELに通いたいと思って今日来ました」と言ってくださる方が多いんです。
「知識」投稿で成功する秘訣
1. 利益や集客を考えず、良いと思った情報を載せた方が響く
2. 解剖学などの具体的な情報を載せて専門性を高める
3. とにかく多くの情報を発信!作業時間短縮であえて体裁を整えないのも手
取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/柴田大地(fort)
イラスト/なとみ みわ