日本人女性の目元を変えた!マツエク業界の第一人者 【アイラッシュサロンGilfy/ジルフィー代表 中野沙耶香さん】#1

今回のゲストは、アイリスト・中野沙耶香さんです。まつげエクステの知名度がまだ低かった2006年、アイラッシュサロンGilfy(ジルフィー)をオープン。あっという間に予約でいっぱいの超人気サロンへと成長させました。その後はサロン経営のかたわら、国内外のコンテストで受賞を重ね、アイリストアカデミー運営やアイラッシュ用品のプロデューサーとしても精力的に活動しています。まさに国内アイラッシュ業界の第一人者ともいえる中野さんに、マツエクにかける情熱やビジネス持論などをたっぷり語っていただきました。

前編では、マツエクに出会ったきっかけや技術への強いこだわりをお聞きします。

NAKANO‘S PROFILE

お名前
中野沙耶香(中村沙耶香)
出身地
神奈川県
経歴
2006年
株式会社ジルフィー 創業
2007年
社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構 第一期認定講師 / 検定試験審査官
2012年
講師活動開始
2014年
美容サロン向け技術講習インストラクターとして活動
2015年
ボリュームラッシュ導入
2016年
Los Angeles ボリュームラッシュトレーニング受講、England ボリュームラッシュトレーニング受講
同年4月 ボリュームラッシュ講習スタート
同年8月 Lashest Technical Academy設立
2018年
Tokyo_eyestgram 立ち上げメンバーとして参画
同年3月 株式会社ラシェストジャパン設立
同年9月 株式会社LTA 設立(2021年現在、ボリュームラッシュ講習開始5年で7200人以上の卒業生を輩出)、プロ用商材ブランド『Lashestlash couture®』(ラシェストラッシュクチュール)プロデュース。現在「Usマットグードラッシュ」取扱サロンは全国で7750店舗以上。
2020年
国内のみならずシンガポール・カナダ・アメリカなど海外からの受講者も多数。受講総数は半年で1780名にのぼる。
2021年
LASHEST Brow/ケラチンコスメリフト/ケラチンコスメブロウ講習スタート
実績
2005年よりまつげエクステに携わる。以降、国内のみならず国際大会でも数々のグランプリ受賞・審査員・ 講師経験を生かし、現在は商材プロデュースや講師活動を中心に、アイラッシュ業界全体の技術向上と価値の底上げ、健全なる発展のために積極的に活動する。
プライベートの過ごし方
最近は家族や友人と公園でピクニックをしたり、産後ケアやインナーマッスルを鍛えたりして、体のメンテナンスに励んでいます。
憧れの人
・両親→いつも大笑いして仲良しで、夫婦のあり方が理想です。
・株式会社ダイヤモンドアイズ黒沼いずみさん→出会ってからずっと、いつも楽しそうでハッピーオーラで溢れています。美人なのにかわいくて、色気があるのに性格は男らしくてかっこいいし、仕事ができるのにお料理も上手で、いっぱい食べるのにスタイル抜群。同じ女性として憧れだしずっと好きです。
趣味・ハマっていること
息子と仕事
仕事道具へのこだわりがあれば
・仕分けツイーザーとリペア用ツイーザーは分けています。
・ワゴンがごちゃごちゃにならないように、ワゴンの上に置くものはすべてミニサイズです。
・商材はラシェストラッシュクチュールのもので統一しています。

前職~マツエクとの出会い
教師になることが夢だったけど…飛び込んだ先は美容業界

業界で確固たる地位を確立した今も、
よりよいサービスを目指しつねに勉強を続けている中野さん。
バイタリティあふれる熱い語り口が印象的です

──もともと、美容関係のお仕事を目指していたんですか?

学生時代は、幼稚園や小学校の教員を目指して大学に進学しました。もともと子どもが大好きなので、子どもたちに囲まれる日々は充実し楽しかったのですが、ある日、鏡に映った自分にハッとしたんです。ノーメイクにジャージ姿の、砂まみれで給食を楽しみに子どもたちとはしゃいでいる自分の姿に「私、このままで大丈夫かな?」って(笑)。今は今しかできないことをやってみようと決意して、もともと興味があったアパレルやネイリストなど、全くの異業種の世界に挑戦することにしました。

──まつげエクステに出会ったのもその頃ですか?

まつ毛エクステとの出会いは16~17年前、まだマツエクが流行り出す前でした。通っていたネイルスクールでマツエクの講習を見かけて、見たことのない技術に釘付けになったのがきっかけです。

実は私自身、下まつげが細く短いという悩みがあって。当時は下まつげにマスカラ・アイライン必須だったので、エクステをカットして下まつげに付けられないかな?と思い、新しいサービス「マツエク」にすごく興味を持ったんです。当時はマツエクの知名度が低かった分、私も含め、体験した人の「こんなに変わるの?スゴイ!」という、劇的な変化への感動がとても大きく、技術の繊細さと何一つ「同じ」がない奥の深さにのめり込みました。

ただ、初めて自分のまつげにのせてみた時は、薬剤が染みてとんでもない痛さ。きちんとした技術と知識を習得しなければお客様へは提供できないと判断し、いくつものスクールへ通ってしっかりと学びました。

開業
たった3か月で予約が満席に

──その後はどこかのサロンへ就職したのですか?

いいえ。準備と学びに2年かけ、マツエクとまつ毛カール、ネイル、セルフタンニングのお店を始めました。

──いきなりの独立だったんですね。不安はなかったですか?

以前から、いつかは自分が何か事業をやるだろうとなんとなく感じていたので、高校生から貯金をしていました。子どもの頃から「遠足のしおり」があまり好きじゃなくて。流れや予定が決まっていると憂鬱になるというか、先が決まっているのが苦手で。だから組織の中で決められた業務をワクワクこなしている自分の姿は想像できませんでした。

かといって、人からの出資や雇われ店長といった形でのサロン経営も、失敗できないから思うようにチャレンジできない。でも自己資金なら、たとえ上手くいかなくても「良い勉強になった」で済むから、むしろ興味・関心がまた他のことに向いた時や他にやりたいことができた時、躊躇なく動けるよう、自己責任のもとで思うようにチャレンジしたい気持ちが大きくて。だから、不安はなかったです。

──マツエク専門店へ方針転換されたのは、ネイルと違って自己施術できないマツエクならではのリピート性を見込まれたからですか?

単純に、自分が施術していて楽しいという気持ちが強かったからです。目元が変わるだけでその人の印象が劇的に変わる。そんなマツエクの魅力に取り付かれてしまったんですね。施術後にお客様へ鏡を見せた時の「可愛い!」という反応を共有できるのは本当に楽しく、やりがいを感じずにはいられませんでした。オープン3か月後には、マツエクで数ヵ月先まで予約が埋まるようになっていました。

──なるほど。「好き」が高じてだったんですね。

その頃、周囲でも徐々にアイラッシュのお店が増えてきて、予約が取れないからとお客様が他店に行かれることも多くなってきました。でも、またGilfyへ戻って来てくれる。「中野さんにやってもらうと仕上がりが全然違う」との言葉を聞いて、マツエクの奥深さを知り、この人じゃなきゃと思ってもらえる技術を提供し、自分の技術で喜んでもらいたいと強く思うようになりました。

スキルアップ期
好きなことにのめりこむ性格が作り上げた高い技術力


──他店から戻っていただけるのは嬉しいですね。その頃、技術面でどんなことを意識していましたか?

当時のマツエク業界には、デザインの多様性が今ほどありませんでした。個々の要望を細かく聞くというより、「イメージはセクシーとキュートのどちらにする?」程度の大雑把なものが主流でした。

目元を扱うことの危険性やイメージの相違をなくすため、当時からカウンセリングをじっくり行い、骨格やチーク位置などを見て、長さやボリュームをお客様に合わせて微調整していました。目を閉じた時と開いた時では、黒目のセンター位置が変わるのでデザインがくるってしまいやすいのですが、ベースとなる箇所を数本仮付けして確認し、試行錯誤しながらやっていました。

お店の繁盛のためというより、マツエクオタクの自己満足の世界ですね(笑)。でも、当時はカウンセリングやここまで細かく施術する技術者が多くなかっただけに、似合わせや持ちの良さというお客様のニーズへお応えすることへつながり、多くの方から支持してもらえる結果となりました。

──中野さんの研究熱心さと、妥協を許さない姿勢が感じられます。

好きなことに対してだけね。他のことについては超適当です(笑)。スクール生に伝えているのが「練習は繰り返しが重要。1回できて終了ではない」ということ。

特に私の場合、シングルラッシュのエクステは走りだったので、毎日が勉強・発見の連続でした。施術したお客様が次に来店された時に「ここはどうして取れちゃったんだろう」と検証して、その気づきを次に生かして…の繰り返し。その後、ボリュームラッシュ導入の際も「ノーミスで60回できるまで終わらない」とマイルールを作って練習しました。失敗したら一からやり直し(笑)、気が付いたら朝5時なんて日もよくありました。

「Gilfy(ジルフィー)」の店内には
中野さんがこれまでに受賞した賞状やメダルがたくさん!

──多数のコンテスト受賞など、その技術力は高く評価されていますね。

マツエクサロンが乱立しはじめた頃、お客様にとって「良いお店」の条件って何だろうと考えました。賞状やトロフィーは、お店を選んでもらう判断ツールになるかなという気持ちでコンテストに参加しました。自分自身も日本まつげエクステンション協会で検定試験審査員や国内外のコンペで審査員を務めていますが、それもすべて、お客様が安心して施術を受けられる材料になればと思って始めたことです。
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「マツエクが好き」という自分の気持ちを大切にすることが、結果的にお客様のニーズに応えることにつながったと語る中野さん。スキルアップへのひたむきさと妥協しない姿勢が、多くの女性の心をとらえたようです。
後編では、サロン経営にとどまらず新たな事業を展開していったストーリーと、出産という転機による仕事観の変化などについて伺います。

取材・文/黒木絵美
撮影/柴田大地(fort)

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Salon Data

Gilfy(ジルフィー)
住所:町田市原町田6-18-13 サニーサイドビル2
電話:042-860-6766

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