強みを生かした施術ときめ細やかなおもてなしで、指名数1位を獲得 セラピスト・misaさん
セラピストにとってお客さまの満足度を量る大きな材料となるのが「指名数」。都内有名サロン勤務時に、指名数で350人の頂点に立ち、その後も顧客の95%が指名だったというセラピストのmisaさんです。どのようにして実現したかを聞いていくと、自分の強みを知り、それを明確にすることを大切にしてきたそう。さらに、マッサージがあまり好きではなかったからこそたどり着いた、ホスピタリティあふれる接客と施術が指名を生んでくれたといいます。
今回お話を伺ったのは…
misaさん
愛知県出身、東京都在中のセラピスト。都内有名サロンにて指名ランク1位を獲得後、ヨガインストラクターやタイ古式マッサージの勉強を経て25歳で独立開業。3年後に会社を手放したのち、現在は東京・白金高輪と愛知の2か所にサロンを構えるほか、スクール・美容専門学校での講師としても活動。2021年3月には「一般社団法人ホスピタリティマインドセラピスト協会」を設立。スクールは募集が出ると同時に満席になり、施術枠も3か月先まで満席となる、予約のとれないサロンへと成長。
Instagram:@misa.therapis
HP:https://hmt-kyoukai.com/
一般社団法人ホスピタリティマインドセラピスト協会
強みを明確にし、磨き続けることで指名数1位を獲得!
———サロン勤務時代にはスタッフ350人のなかで指名1位を獲得したり、95%が指名のお客さまで埋まるなどの実績を残されてきたそうですね。どのようにして実現されたのでしょうか?
自分の売りを明確にしました。私は身長が169センチあって、一般的な女性に比べると力がすごく強いんですね。自分の武器は何かと考えたときに、まだ若かったですし経験もなかったので、力くらいしか強みが見つからなくて。強めの施術を好むお客さまにアプローチすることにしました。
———自分の強みにはどうやって気付いたんですか?
お客さまが気付かせてくれました。私のお客さまは、体のコリや痛みが強くてシップを貼って寝ているとか、痛み止めを飲んでいるという方がほとんどで、強いマッサージが好きな方ばかりだったんです。自分がそういうお客さまから人気なんだと気付いたときに、強みも同時に発見できました。
またそういうお客さまから「もうちょっと強くしてほしい」というようなリクエストをもらうと、さらに強みを磨き上げるきっかけにもなりますよね。私も指立て伏せをしたりして、もっと強い力を身につけようと日々努力していました。お客さまに喜んでもらえることを追求することが、大切だと思います。
アロマトリートメントはただの手段。お客さまを喜ばせることができれば結果はついてくる
———お客さまを喜ばせることに集中してきた結果が、指名になって返ってきたというわけですね。
そうですね。私はアロマトリートメントを「手段に過ぎない」と思っているんです。というのも、今年でセラピストを始めて12年になるのですが、実はあまりマッサージが好きだと思ったことがなくて(笑)。それでもここまで続けてこられたのはお客さまに喜んでもらえることが本当にうれしくて、それが目的になっているからだと思うんです。アロマトリートメントはそのツールに過ぎないのではないかと。
ちなみに、そういう考えなのでほかの職種に転職したことも一時期あったのですが、やっぱりセラピストに戻ってきてしまうんですよね。お客さまの反応がダイレクトにわかる仕事だということと、元々自分自身が感情の振れ幅が大きい人間なのですが、施術をしているときは瞑想のように目の前のことに集中できるのが、自分に向いているのかなと思っています。
———なるほど。その後さまざまな経験を積んで、今はどんな強みをお持ちですか?
ホスピタリティを持った施術と接客に力を入れてきました。お客さまがここに来た瞬間にすごく幸せを感じられるように、本当に心を緩ませることができるように、できるだけのことをするようにしています。
マッサージが苦手だったからこそたどりついた、ホスピタリティの境地
———ホスピタリティを持った施術や接客とは、具体的にはどんなことでしょうか?
私が大切にしてきたのが、手配り、目配り、耳配り、体配り、言葉配りという5つの心配りです。自分の五感すべてを使ってお客さまの気持ちを感じ取り、心配りをすること、行動をすることを心がけてきました。たとえば手の位置ひとつとっても、お客さまが安心する位置があります。それが1センチずれただけでも不快な気持ちになってしまうんです。ほかにもお客さまを迎えた瞬間の表情や、声のトーン、会話しているときの間など、安心いただけるように動くこと、声をかけることを心がけています。
このサロンはマンションの一室で、立派な施設というわけではないので、できることはかなり限られているのですが、自分の発する雰囲気や空気によって空間も変えることができると思っています。ここに来たら本当にやすらげる、自分らしくいられる空間でありたいと思っていますね。
これもマッサージが大好きだというわけではなかったからこそ、できたことなのかなと思っているんです。マッサージが大好きでそのことを追求しているだけだったら、細かいところにまで目がいかなかったかもしれないな、と。私は昨年、協会を立ち上げてスクールを運営しているのですが、「ホスピタリティマインドセラピスト協会」という名前で、ホスピタリティ、おもてなしの部分はかなりこだわってきました。
———素晴らしいですね。ただ、なかには合わないかな?と感じるお客さまもいますよね。そのときはどう対応しているのですか?
セラピストモードになるとそれも一切気にならなくなりますね。意図してスイッチをオンにすると、イライラしてらっしゃる方にも「お忙しいんだな」とか「お疲れなんだな」としか思えなくなります。
それにイライラしたくてしている方というのはいなくて、そういうときこそセラピストの本領が発揮できるときだと思うんです。誠心誠意の対応をしていると、お客さまがやさしい表情にかわったり、ご自身の辛い気持ちを吐き出してくれたりと、ものすごく変化が出ます。それもセラピストのやりがいのひとつだと思っていますね。
misaさんが取り組んできた指名されるための3つのポイント
misaさんにこれまで取り組んできた「指名されるためのポイント」を伺うと、以下の3つでした。
1.お客さまに教えてもらった強みを明確にし、磨く
2.セラピストの技術は手段であり、お客さまに喜んでもらうことが目的だと考える
3.5つの心配りというホスピタリティをもって、お客さまを迎え、施術する
後編では、広告費を一切使わずに、インスタグラムだけで集客をしているというmisaさんにそのコツを伺います。最初の1年は集客につながることも少なく、苦戦したそうですが、あるひとつの投稿がきっかけで大きな反響を得ることができるようになり、3カ月後まで満席に。自分の言葉で素直に発信することの大切さを知ったといいます。後編もお楽しみに!