こだわりが詰まったサロンで、一人ひとりのお客様と向き合う接客を【Cuem 店長 橋本佳奈さん】#1

3月に仙台でオープンしたサロン Cuem。韓国カフェをモチーフにしたスタイリッシュな趣の内装は、店長を務める橋本佳奈さんのイメージにより生み出されたデザインなのだそう。そんな橋本さんに、サロン開業の際にこだわったポイントなどについて、仙台で美容師として働くきっかけや心構えなどから掘り下げてお伺いしました。

前編では、美容師になったきっかけやサロンのテーマ、仙台でサロンを開業するにあたってこだわったポイントなどをお聞きします!

教えてくれたのは…
Cuem 店長 橋本佳奈さん

地元福島県の高校卒業後、ブライダル・美容について学ぶために仙台ビューティーアート専門学校へ入学し、卒業と同時に美容師免許を取得。卒業後すぐに仙台市内のサロンに就職し、3年目に副店長、4年目には店長を任される。退職後、2022年3月にオープンした恩師がオーナーを務めるサロン Cuemにて店長に。

アドバイスを受けたことがきっかけでブライダル職から美容師へ転向

休日の過ごし方について「美容専門学校時の友人たちと定期的にカフェ巡りをしています」

――まず、美容師を目指したきっかけについてお聞かせください。

ヘアアレンジをするのが好きでした。高校生の文化祭で初めてクラスメイトのヘアアレンジをしたのですが、友人から「ありがとう!」と喜ばれたことがとても印象に残っていて。好きでやっていることで相手も喜んでくれるのが嬉しく、そのときから美容師という職業を魅力的だなと感じていました。

専門学校に入学した当時は、ブライダルのヘアメイクに興味があり、そちらへ進もうと考えていました。ですが、実際にブライダルの職場でサロン実習に参加した際に、現場で長く働かれている方から「若いうちはサロンで技術を学んでおくといいよ」とアドバイスを受けて納得したので、それから本格的に美容師を目指し始めました。

――ブライダル志望だったのですね。専門学校卒業後は仙台市内のサロンに就職されたのですか?

そうですね。サロンの雰囲気が良くて、スタッフさんの対応も丁寧でいいなと思ったサロンへ就職することができました。内定後、シャンプー練習に伺っていたところ「就職までバイトしてみない?」と誘っていただき、就職前に1年間ほどバイトもさせていただいて、とても勉強になりましたね。このサロンでは5年と少し働いていました。

――ブライダル志望から美容師へ転向されてみて、気持ちの面ではいかがでしたか?

今でもそうなのですが、実際のサロン業務は楽しいと思いましたね。当初は、将来的に「やっぱりブライダルのお仕事がしたいな」と思ったときのために経験を積む期間として捉えていましたが、今ではその気持ちを上回る以上のやりがいを感じています。いつかブライダルの職に就く可能性も踏まえて、美容師のうちに「自分の力でお客様に最高の接客をすること」を目標としていたので、尊敬する先輩のお客様に対する話し方や雰囲気を見て学び、真似して接客の力を身につけていきました

――その結果が反映されて、店長を任されるようになったのですね!

ありがたいことに、以前のサロンでは副店長、店長と経験させていただきました。現在も店長を任せていただいていますが、以前の経験が活きていると感じます。

一人ひとりのお客様との時間を大切にするサロンにしたい

店内は、マンツーマンの接客に最適な半個室の仕様になっている

――サロン開業の経緯についてお話いただけますか。

実は、サロンのオーナーが専門学校のときの先生なんです。先生とは卒業してからも何度かお会いしていて、あくまでオーナーとして「いつかサロンを経営してみたい」というお話を以前から伺っていました。当時の私は美容師歴も2年と浅く、自分でサロンを開業するということにピンと来ていなかったんです。ですが数年後、勤めていたサロンで店長職を経験させていただいたことで自信がつき、サロン開業のお話について改めて先生に相談しました。以前から経営を考えていた先生がオーナーとなり、私はこれまで経験した店長職を活かすことを踏まえて、本格的にサロンを開業する方針に決まりました。

――いいタイミングだったのですね。サロンを開業した際のテーマについて教えてください。また、サロンのターゲット層はどのあたりでしょうか?

「Cuem」というサロン名は、造語なのですがオーナーと一緒に考えました。cueには、「合図やきっかけ」といった意味が込められていて、emは「emotion」から取りました。カットやカラーを通して、お客様の心に嬉しい気持ちや満足感のような感情を生み出せることに加えて感情を動かせるようなサロンになればいいなという思いを込めました。

また、サロンのターゲット層は、20〜30代前半ですが20代のお客様が多いですね。
インナーカラーやデザインカラーなどが人気のメニューです

――サロンで独自に取り入れている方針について教えてください。

当サロンではマンツー・マンで接客をしています。というのも、地域のお客様から長く御愛顧いただきたいと考えていることから、サロンには私を含めた3名のスタッフで一人ひとりのお客様と1:1のお時間を大事に施術させていただいております。以前勤めていたサロンでは、アシスタントがいて一度に何人ものご予約をお取りすることができたのですが、その分限られた時間でしかお客様と対話ができないことから、サロンを開業する際にはそこを改善する方針を取りたかったんです。そうすることで、より地域の方々とも密接に関わり合うことができ、顧客獲得に繋がると感じています

――お客様からしたらとても嬉しいと思います。取り入れてみて、いかがですか?

やはりやってよかったです。以前よりもお客様から細かい情報やご希望などを聞き出せて、それが施術に活かせるのでお互いにいい環境が整ったと感じています。例えば、もともとの明るい髪色からいきなり暗くしなければならないと直前に言われるよりも、会話の中から「次の髪色は暗くしたい」などのご希望が事前に聞けていれば、次の施術を見越した対応ができるんです。

サロンの立地条件は、「駅から徒歩圏内」こだわった内装で集客もバッチリ

洗練された内装はもちろん、家財なども橋本さんが選んだそう

――仙台の中心部といいますと、車移動よりも電車移動のイメージなのですが、サロンを開業する際に立地はどういう条件で選ばれましたか?

まずは、駅から徒歩圏内であることを条件としました。あとは、以前のサロンのお客様が同じくらいの距離で負担なく、通っていただける場所を考慮して選びました。サロン開業をスタートした当初は、スタッフを募集しておらず私だけだったので、そこも配慮できました。

あとは、私が得意とする施術のターゲット層が若い方向けなこともあり、ご高齢の方が多い郊外よりも、若い方が多く集まって集客も見込めそうな中心部で探しました

――立地は大事ですよね。では、条件のもと場所もスムーズに決まって…?

それが、一度現在の場所とは違う物件を選ぼうとしていました。ですが、もともと美容室として機能していた物件ではなく、水回りやガスの工事を必要とする物件だったことに加えて、工事が入れない物件だったんです。結果、選び直しで時間がかかり、当初予定したオープン時期もずれてしまいました。

――とはいえ、なんとかオープンできてよかったですね。橋本さんが特にこだわった部分について教えてください。

こだわったのは、内装ですね。ほぼ好きなように決めさせていただきました!私が韓国好きということから、韓国にあるカフェをモチーフにして要望を実現してもらい、壁や床の色、設置する家具も一つひとつデザイナーさんからアドバイスをいただきつつ、じっくり選びました。

――お客様からの評判はいかがでしたか?

ご好評いただいているようで、SNSにアップしてくださるお客様もいらっしゃいます。また、その投稿を見てサロンへ来てくださるきっかけにもなったので、こだわって作ってよかったと感じています。


仙台でサロンの立地を決めるにあたり意識した3つの条件

1.駅から徒歩圏内であること

2.以前からのお客様の負担を減らす範囲内に

3.自分の客層を分析し、ターゲット層に沿った場所選び

橋本さんがこだわって決めた内装やお客様との接し方から、地域に根ざした美容師へと着実に近づいているように感じられました。後編では、仙台のお客様の傾向や集客方法、今後地方でサロンを開業したい方へのアドバイスを伺います。

取材・文/東菜々(レ・キャトル)

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Salon Data

Cuem
住所:宮城県仙台市青葉区一番町3丁目9-13 DATE ONE 6F
電話:022-796-0705
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