【美容師あるある】SNSも技術力も仲間と交流することで向上。フリーランスの将来性が広がる働き方とは【フリーランススタイリスト 西幅誠さん】#2

美容業界でよくあるお悩みや課題にフォーカスする本企画。今回は、フリーランス美容師の気になる「働き方」に迫ります。前回に続き、お話を伺ったのはダブルカラーのスペシャリスト・西幅誠さん。フリーランスとなった今でも仲間意識を大切にしており、「個」が集まるシェアサロンで積極的に他の美容師たちと交流しているのだそう。「その人との関わりがフリーランスの将来を広げることになる」とも西幅さんは言います。

後編では、Instagram運用のコツ、西幅さんが集客する上で重視していること、「仲間と働く」というフリーランスの新しいあり方を教えていただきました。

教えてくれたのは

西幅誠さん

「THEATER」川越店に新卒入社し、スタイリスト3年目で独立&フリーランスデビュー。ダブルカラーの技術を磨くため、活動の場を原宿に移し、現在は、シェアサロン「GO TODAY 原宿Verno店」で働いている。

美容師のSNS運用:仲間と情報共有していれば効率良く活用できる

 

――フリーランスになったことでInstagramの打ち出し方を変えたりはしましたか?

打ち出し方を変えたというよりも、投稿のクオリティを上げる意識をしました。

以前は、流行りの投稿を取り入れたり、他の美容師の投稿でバズっているものを真似したりしていました。僕は人との関わりを大事にしてきたので、協力してくれる仲間がたくさんいて。「こういう投稿良いよ」とみんなで情報共有できたので、効率的にInstagramを運用できたと思います。フリーランスは完全自己集客とはいえ、一人で研究していると多分難しかったと思います

――Instagramの見せ方を変えるだけで来店数は全然違いましたか?

全然違いますね。

デビュー時はゼロスタートだったので、Instagramもほぼつくり直しだったんですけど、ある程度投稿がきれいに整ってきたときにやっと来店が増え出した印象です。半年後にはInstagramからの来店数が安定していたと思います。

――原宿界隈にはダブルカラーを売りにしている美容師さんがたくさんいるわけですが、自分のもとに来てくれるのはなぜだと思いますか?

言ってしまえば、これだけ美容師さんがいる中で僕の投稿を見てくれるかどうかは運次第なところもあります。だから、とっかかりは何でも良いんです。実は僕、インスタ集客が苦手で(笑)、昔も今も新規集客にそこまで力を入れていません。来てくれた方を大事にする、というのが僕のスタンス。リピート率を上げることを重視しています

きれいに載せた投稿はあくまでカタログでしかないので、それをどれだけ再現できるかが勝負だし、会話力やカウンセリング力、人間力も必要になってくる。僕はそれに加えて、「次は何色にしたいか」という今後のプロセスも考えて提案し、次に繋げる努力をしています。

今いるお客様に丁寧に向き合い、そこから紹介していただき、繋いでいけたら良いなと。

美容師の働き方:シェアサロンの仲間と交流していると技術の幅も視野も広がる

現在はダブルカラーに特化。西幅さんがつくる透明感あふれるハイトーンカラーにはファンが多数

――現在の1日の接客人数を教えてください。

今は3人です。10〜14時、14〜18時、18〜22時に入るのがベストですね。一人ひとりのお客様を丁寧に接客したいので、ブリーチの施術に4時間とっているんです。

これを3時間にすればもっと予約を入れられるし、売上も上がります。でも僕、売上はあまり気にしない人なんで(笑)。クオリティを高めることができ、自分が楽しめていることが最優先なので、この働き方が合っているんです。

――自分が楽しく仕事できるくらいの予約数を保っているのですね。月の売上は川越時代と比べてどのように変わりましたか?

売上でいったら川越にいた頃の方がありました。フリー客も含めてバンバン予約が入り、一日の接客数はとんでもなかったので。でも、シェアサロンはバック率が全然違うので、手取りは川越時代の倍くらいになりました。

――フリーランスになって一番プラスとなったことは何ですか?

一番は技術力がついたことですね。今は完全マンツーマンなので、全ての技術力が上がりますし、掛け持ちすることもないので満足度も上がります。

あと、サロンに勤めていると、スタッフはみんな大体やり方が一緒になってくるのですが、このシェアサロンにはそれぞれ違う場所で働いていた美容師が集まっているので、その分色々なやり方を聞けるんです。「あ、そのやり方良いね!」という発見も多く、そういう意味でも技術力が向上するんですよ

と言っても、僕みたいにすぐ吸収したくなるタイプもいれば、そうじゃないタイプもいると思います。フリーランスといっても人それぞれかもしれません。

――完全にソロ活動の人と、西幅さんのように周囲と関わりながら働きたい人。フリーランス美容師の中にも2つのタイプがいるのですね。

そうなんです。このシェアサロンは結構交流が多い方ですが、やっぱり中にはそういうのを好まない人もいて、寂しいなと思うときも。

サロンに勤めていれば、ミーティングを開いてみんなで話し合って解決策を模索していくことができますが、フリーランスの場合はそれができない。ここではみんな育ってきた環境が違うので仕方ないんですけど、隣で見ていて「こうした方が良くない?」と思うときもあるんです。仲の良い美容師同士だったらアドバイスができるけど、交流を好まない人に対してはそれができない。そもそもフリーランスの人に対してアドバイスをする権限はないですからね。そう考えると、サロン勤めにはサロン勤めの良さがあったんだなと思いますね。

やり方が違う者同士で働くことに違和感を募らせ、シェアサロンを転々とする人たちもいっぱい見てきました。でも、僕的には一人は想像以上に寂しい。

――一人で自由に働ける反面、「孤独」にもなり得る。それはフリーランスのリスクとも言えるのでしょうか?

フリーランスとして一人で働くことは悪いことではないけど、その先の未来を考えていないと厳しいんじゃないでしょうか。40歳すぎてもずっとフリーランスで働いていられるわけではないと思うので。サロン勤めの場合は店長になったり、幹部になったりとどんどん昇格できますけど、フリーランスはそれができませんからね。僕は他のフリーランス美容師とめちゃくちゃ話すし、未来についてもよく語っています。

――西幅さんは会社員とフリーランスの良いとこ取りな働き方をしているような気がします。

ホントそうだと思います!

――将来的にはどのように働いていたいですか?

美容師たるもの自分のお店を出したいという夢は昔から持ち続けてきましたし、今でもそれは変わりません。けれど、フリーランスとして活動する中で新しくやりたいことも増えました。

近いビジョンで言うと、中国でセミナーを開くこと。このシェアサロンに中国人の先輩が働いているんですけど、その先輩曰く、中国には美容師免許はなく、日本の美容師技術は現地で高く評価されているみたいで。まだ具体的には話を詰めていませんが、中国に活躍の場を広げられるかもしれないと思うと楽しみです。

――色々な人と関わると夢も増えるし、選択肢が広がるんですね。

そうなんです。そういう意味でも、一人でいると将来的にキツいんです

僕は人が好きで、シェアサロンのメンバーと過ごす日々が最高に楽しいし、クオリティも高められる。今でも超絶幸せなんですけど、さらに自分を高めるために別のサロンで働きたいと思っていて。もっと内装に凝った、洗練された空間で働くのも刺激になるかなって。だから近い将来シェアサロンを移動するかもしれません。もちろん仲間と一緒に。

フリーランスあるある:SNS運用と働き方のコツとは?

1.SNS集客は一人で研究するより、周囲と協力した方が効率が良い

2.様々な場所で働いてきた人が集まるシェアサロンは、色々な技術を吸収できる絶好の場所

3.一人でいるより、周囲と交流している方が視野も将来の選択肢も広がる

取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/本名由果(fort)

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Salon Data

GO TODAY シェアサロン原宿 Verno店
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-11 パークアクシス神宮前B1F
電話:050-1751-2738
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