エクステを身近に感じてもらうために。「プルエクステ」をもっと広めたい!【エクステスタイリスト 河原ユミさん】#2
美容業界で働くうえで「独立」という目標を持つ人は多いはず。そんな方に向けて先輩オーナーの経験談を全2回でお届けする本企画。
前回に続き、栃木県宇都宮市にあるエクステ専門サロン・エクステンション キュー(extension Q)エクステスタイリスト 河原ユミさんにお話を伺います。
前編では、独立するまでの経緯や栃木県内でも唯一展開しているメニュー「プルエクステ」について教えていただきました。後編となる今回は、集客に成功し、増員したスタッフへの気配りや関係を築くために行っていること、今後の展望をお聞きします。
お話を伺ったのは…
エクステスタイリスト 河原ユミさん
エクステブームがきっかけとなり、エクステスタイリストに。栃木県内にあるサロンで8年ほど勤めた後、県内の宇都宮市にて「エクステンション キュー(extension Q)」をオープンし、栃木県で初の「プルエクステ」をスタート。個人としても全国で開催される「プルエクステ技能テスト」で過去最高得点を叩き出し、全国プルエクステディプロマ取得という実力の持ち主。
過去の失敗を活かしたスタッフ教育に入念に力を
――スタッフは現在何人体制ですか?
私と合わせて2人です。
今、働いてくれているスタッフはもともとうちのお客様だったんです。最初に働いてくれていた人が辞めたあと美容師をしているとは知らずに、なんとなく「うちで働きませんか?」と話したら、「はい」って言ってくれて…一週間後には本当に仕事を辞めてきてくれました(笑)。今思えば、自分の中でも「いてくれたらいいなって」思うことが無意識下であったから突発的に声をかけたんだと思います。
――すごい行動力ですね!スタッフとの関係を良好に保つために、意識して取り組んでいることはありますか?
スタッフに「こうしてほしいな」と思うことを率先して声をかけるようにしています。例えば、掃除をもう少し丁寧にしてほしいと思ったら、「丁寧だね、ありがとう」という感じ。そう言われると、言われたほうは「丁寧にしなきゃ!」って思いますよね。
もうひとつは、コミュニケーションがとれていないことで以前働いていたスタッフが辞めてしまったことがあったんです。その反省点として、週一で話し合う機会をつくっています。営業中も体調や様子を伺ったり…。
きっかけは、私は他人に対して感情移入するのが得意ではないことでした。でも、経営者って売上とかお店のこと以外にもスタッフのケアが必要不可欠。経営していて難しいなと痛感した出来事でした。
――確かに一緒に働く上ではコミュニケーションは必須だと感じます。
そう思いますね。より円滑にコミュニケーションをとるために、心理学を学びました。関わる人の特性を先に知っておくことで、何か問題が起きても「こういう傾向がある」とかわかっていれば対応できるし、状況を客観視できて判断が下しやすい。こちらから何か教えるときも同様に、一方的に教えるよりも、相手の意向や気持ちに沿って教えた方がお互いにいいと感じます。相手と同じ感覚や気持ちをわかっていないと意思疎通ができませんから。
――相手の気持ちを慮ることで、河原さん以外のスタッフにとっても働きやすい環境となると感じます。
そうなんです。しかも今って多様性がありますよね。その個人個人が得意とする技術とか知識を尊重し合える関係性を築いていきたいです。例えば、今働いているスタッフはカラーが得意。私は、カラーを始めたばかりなので尊敬しています。そうやってお互いのできるところを尊重し合って、「自分がここで働いている価値」を見出せたほうがいいと思うんです。
ちょうど今、店舗数拡大を視野に入れた働きやすさについて考えていて、構築し直しているところでした。
「プルエクステ」を広めるために。栃木県から全国へ
――そうだったのですね!どういう経緯で店舗拡大を?
うちでメニュー展開している「プルエクステ」を広めたいと思っています。プルエクステって、他のエクステと比べて負担が少なくてストレスフリーなエクステと言われているんですね。そのプルエクステの存在をもっと広めれば、もっと簡単にエクステが楽しめるようになると思っていて。
加えて、私自身のプルエクステの技術を継承したいとも考えています。実は、全国プルエクステディプロマを取得していて、ヘアエクステンションのStylist大会で全国TOP10入りもしたことがあるんです。プルエクステをもっと広めるために私ができることといえば、技術を継承することだと思って。新しいメニューを取り入れるには、それ相応の技術が必要になりますから。
――店舗はどちらに展開する予定なんですか?
まずは、近くの関東圏から、と考えています。他にもプルエクステが伝わっていない地域もあるので、そこを重点的に展開していきたいと考えています。
――何の準備から始めるご予定ですか?
まずは集客から。今のサロンで集客がいかに大事か学んだので、インスタグラムとクーポンサイトなどを検討しています。あとは、Googleのマイビジネスに今のうちから力を入れていこうと。知らない土地で開拓するには、信頼がないとやっていけない。今のうちに「ここなら安心だ」と印象付けておくことで集客に繋がるし、最適なツールだと思いました。
その後は、スタッフ探しも視野に。当サロンもスタッフを2名ほど採用できればいいかなと思っています。
――どんな人を求めていますか?
基本的には、性格は穏やかで…あとはセンスがある人。大体センスいいなって思った人は、価値観が合うことが多いと感じます。
ある程度美容の経験があって、お客様が心地よく感じる接客を自然にできると尚いいですね。
独立するには、自分を信じて突き進むことが大事
――これから独立を目指す人へアドバイスをお願いします!
実際に経営者になってみて、なんでも自分で判断を下すタイミングがあることを実感し、それがとにかく大変だと感じて不安な毎日を送る日もありました。わからないながらも決断をしなければいけない、そんな時こそ自分を一番に信じてあげてください。自分の直感と経験を信じてほしいです。自分が自分を疑ったらそこで終わり。何か問題ごとがあった時、ネガティブに考える方が楽なんですよね。でも、そういう考え方をしていると何も変われないから。必ず道は切り開けると自分を信じて進んでほしいです。
河原さんが仕事をする上で大事にしている3つのポイント
1.感謝の気持ちを忘れない
これは、お客様はもちろんお店に関わる人、さらには植物とかその土地全てに感謝をすることが大切です。
2.寄り添うこと
これは、どの職業にも言えることだと思いますが、相手を思いやるという行為を忘れずに。
3.楽しむこと
自分も楽しむことで相手にも楽しいことが伝わる。そうすると、お互いに楽しく過ごせますよね。
とっても明るく、気さくな印象の河原さん。きっとその親しみやすさがお客様の心を掴んで離さないんだろうと感じました。今後の活躍も目が離せませんね。
取材・文/東菜々(レ・キャトル)