常に予約でいっぱいのサロン「LAND」美容師・はらえりかさんが大切にする「お客さんに寄り添う姿勢」
星の数ある美容サロン。その中で、何度もリピートしたくなるお店とは、どんなところでしょうか?美容師・はらえりかさんが営む、「LAND(ランド)」は、そんな「また行きたくなる!」が詰まったお店です。自宅兼サロンのアットホームな雰囲気に、いるだけで幸福な気分になるインテリア、そしてヘアスタイルだけにとどまらないスタイル提案…。開業1年と経たず、予約でいっぱいの「LAND」の魅力に迫ります!
今回、お話を伺ったのは…
はら えりかさん
「LAND」代表
女性限定、完全予約制の美容室「LAND」を営む、2児の母。趣味は、ハンドメイドアクセサリーづくりで、そちらもプロの領域。押し付けがましくないスタイル提案で、リピーターのお客さんが多い。
子育てしながら長く続けたい。そんな願いを叶えた「自宅サロン」
――本日は、よろしくお願いします。はらさんのサロン「LAND」について教えていただけますか?
「LAND」を立ち上げたのは1年半前。独立のタイミングで立ち上げたサロンです。子育てと仕事を両立したいと考えた時にたどり着いたのが、自宅にサロンを開くということで、家の一部屋を改装して、美容室に必要な設備やインテリアを作っていきました。
――自宅サロンは、初期投資や内装を整えるのが大変そうですね。
サロンを開くには、水回りや、換気扇、壁紙、床の素材など規定のものにする必要があり、初期投資はそこそこ掛かりますが、美容師という大好きな仕事を長く続けていきたいという思いや、周りの協力もあり、自宅サロンをつくることに決めたんです。
――自宅サロンのメリットについてうかがえますか?
たくさんありますが、毎月の固定費の面での恩恵は大きいですね。一度作ってしまえば、賃料は掛かりませんし、光熱費や水道代の基本料も自宅のものを使うことができます。あとは、時間や体力的な面で、子育てと両立しやすい点は大きなメリットと言えますね。移動の時間も掛かりませんし、子どもに何かあってもすぐに駆けつけられるところも便利です。長く美容師を続ける上では、利点の方が多い気がします。
日頃の忙しさを忘れる、非日常空間
――サロンの内装を自由に決められるところも、魅力ですよね。何かインテリアのコンセプトのようなものがあれば教えてください。
「非日常的な空間」をテーマに、自分が好きなテイストの家具などを揃えていきました。はじめは、そこまで意識していなかったのですが、完成したインテリアをみていたら、私はアンティークっぽい部屋が好きなのだと気が付きました。
――確かに家具の既成品感がなく、落ち着けそうな空間ですね。「非日常」をテーマにした理由をうかがってもよろしいでしょうか?
「LAND」にいらっしゃるお客さんは、30〜40代の子どものいる女性が多いんです。私も子育て中だからわかる部分もあるのですが、忙しい毎日を過ごされている皆さんに、サロンでは少しでもいつもと違う雰囲気のなか、リラックスしてもらえたらと思って、今のようなコンセプトにしました。あと、細かい点ですが、例えば鏡の前に座った時、視界にドライフラワーが入り幸福感生まれるような空間を作っています。
――「LAND」は女性客限定のサロンですが、その理由についても教えていただけますか?
理由は2つありまして、もともと私のお客さんに女性が多かったので、安心してご来店いただけたらという思いと、自宅をサロンにして働いているので防犯のためですね。本当に昔から施術をさせいただいているお客さんや、その知り合いの方がいらっしゃることが多いですね。とは言いつつも、以前から担当させてもらっている男性のお客さんとかはいらっしゃいますね。お客さんのイメージとしては昔から大事にしている方や、その人が大事にしている方に来ていただきたいと考えています。
人気の秘訣は、徹底的にお客さんに「寄り添う」スタイル
――なるほど!そんな意図があったのですね。お客さんは、かなり前から通われている方が多いのでしょうか?
大半がそうですね。8、9割が20代の頃からのお客さんで、15年目の方もいらっしゃいますね。
――「はらさんにお願いしたい!」という方が多いのですね。ずっとリピートしてもらえるために、大切にされている事があれば教えていただけますか?
単純ではありますが、「いかにお客さんに“寄り添った”美容師でいられるか」を大切にしています。例えば「LAND」では、お客様のライフスタイルや関心に合わせて、年間を通した髪のスケジュールを立てるようにしています。コーディネイトの中に色物を入れたくなる春だったら、「髪はそこまで主張せず、馴染みやすいカラーにするといった選択肢もありますよ」と、ご提案をさせていただいたり、紫外線が強い夏のカラーやお手入れ方法に加え、「今のうちにのばして秋になったら、少し切るのもいいですね」といった感じで季節を楽しめるようなスタイルをお話させてもらったりしています。
――髪だけでなく、お客様のファッションや生活スタイルを取り入れたアドバイスなのですね!それは、痒いところに手が届くといいますか誰もが知りたい気がします。
ありがとうございます。私の場合は、そういったお客さまの背景を知らないとカットができないので、新規の方のときは、いろいろとお話させていただくことが多いですね。あとは、お客さんからの「これが気になっている」といった提案もウェルカムなので、話しやすい雰囲気作りや、施術前に「お店から出たら私には何もできないから、いるうちに何でも質問して!笑」と言った感じでお話させてもらうことが多いですね。
リピーターが絶えない「LAND」の3つの特徴
1.自宅の一部を改装して作ったサロンなので、賃料や光熱費の負担が少なく、自分らしい働き方ができる
2.インテリアのコンセプトは「非日常」。アンティーク家具に囲まれた環境でゆったりと施術を受けられる
3.お客さんのライフスタイルやファッションを考慮した年間の髪のスケジュールを組んでくれるなど、「お客さんに寄り添う姿勢」を大切にしている
サロンによっては、時間短縮のために「短いほど良い」と捉えられることもある施術前のカウンセリング時間。はらさんのお話を聞いて、この時間の大切さを改めて感じさせられました。美容室に来るお客さんが心から求めているのは、「素敵な自分になって、毎日を明るい気分で、楽しく過ごすこと」。そのために出来ることを全力でやる!という思いをインタビューで感じました。「LAND」が人気の理由は、表面的な技術やコミュニケーションだけにとらわれず、「お客さんの理想像」から逆算して、施術や会話をしているからなのではないかと感じました。続く後編では、はらさんの趣味で、仕事にもなりつつある(?)ハンドメイドアクセサリー作りや、これまでの経歴についてお話を聞いています。お楽しみに!