月100件の受注を獲得する個性派ネイルチップができるまで ネイリストMISUZUさん
ヴィンテージ×個性派ニュアンスというほかにはない独自のセンスで、多くのデザインを生み出すネイリストMISUZUさん。ネイリスト歴2年と短い期間で独立したにもかかわらず、ネイルチップの受注が月に100件入るほど人気を得ています。
前編では個性的なデザインが誕生するきっかけやネイルチップに絞って販売を行う理由を伺いました。経験をカバーするため毎日10時間の練習を重ねたというMISUZUさん。そのモチベーションとなったインスタグラムの活用についても紹介します。
今回お話を伺ったのは…
MISUZUさん
ネイリスト
アパレル関係の仕事をしながら休日にネイルスクールに通い技術を取得。妊娠、出産を期に転職し、ネイリストとしてAYA NAILZに勤務する。約1年働いた後、2人目の妊娠をきっかけに退職。出産後にフリーランスとなり、現在はネイルチップの販売を中心に活躍している。2023年内に二子新地の自宅にてネイルサロンをオープン予定。
経験値を時間でカバーできるネイルチップの販売に専念
――MISUZUさんのインスタグラムには個性的なネイルチップのお写真が並んでいますが、対面での施術は行なっているのでしょうか?
現在は知り合いや昔から仲よくさせていただいているお客さま2、3名のみ実際の施術を受け付けています。新規のお客さまは募集しておらず、仕事のほとんどがネイルチップの販売です。
――ネイルチップの販売を視野に入れて独立されたのですか?
いいえ。そもそもネイリストになってすぐは独立することを考えていませんでした。勤めていたサロンは働きやすく、このままパートで続けようと思っていたんです。しかし子育てをしながら働いていたので急に休まなければならないことも多々あり、申し訳ない気持ちでいっぱいに。ひとりで責任を負うことができる独立という道を選びました。
しかし当時はまだネイリストになって1年ほど。自分の納得のできるものがひとりでできるか不安でした。一方で、ネイルが好きでネイリストになる前からさまざまなデザインを見てきたので、時間さえかければお客さまの希望のデザインを作ることができるという自信はあったんです。
そこで時間をかけて制作ができるネイルチップの販売にしぼることに。サロンで働いていたころからネイルチップを作るのが好きで、趣味で作品をためていたこともきっかけとなりました。さらに自分の好きなデザインがネイルチップ向きであることも販売に絞った理由のひとつです。
個性的なデザインと丁寧な受注法でお客さまの心を掴む
――MISUZUさんの好きなネイルチップ向きのデザインとは?
私の得意とするヴィンテージ×個性派ニュアンスのデザインは、パーツをたくさん使用し、細かなデザインを施すことが特徴です。以前勤めていたサロンのオーナーがレディ・ガガのネイルを担当するほどのユニークな方で、その方と出会って「爪からはみ出したり、ネイルに関係のないパーツを使ったりしてもいいんだ!」とネイルの概念が変わり、現在のような立体的なデザインが完成しました。
派手なデザインなので成人式やイベント用にオーダーしてくださる方が8割です。自爪で3、4週間日常生活を過ごすには少し派手すぎますが、ネイルチップだと専用のシールを貼れば何度でも繰り返し使えるので、特別な日だけつけるという便利な使い方ができます。
――どのようにして注文を受けられているのですか?
インスタグラムのDMでオーダーを受け付けています。注文を受け次第、こちらから形と大きさの違う何種類かのチップをご送付。実際にお客さまの爪に当てていただいて、指ごとに一番合うものを連絡してもらいます。長さは1mm単位で調整が可能。そうすることでお会いしなくてもお客さま1人ひとりの爪に合った商品を作ることができるんです。
デザインについてはすべてオーダーメイドの受注生産なので、希望をお伺いし、作り込んでいきます。1件にかかる時間は早くて2、3時間、難しいときはアイディア出しを含めて2、3日かかることもあります。
お客さまの希望を汲み取る力と技術力で月100件のオーダーを獲得
――お客さまと直接会わずに理想のデザインを再現するために、どのような工夫をされていますか?
細かい希望をお伝えいただくこともありますが、最近はおまかせのオーダーも増えてきました。その場合は写真をたくさん送っていただき、それに合うようにアイディアを出していきます。
たとえば成人式なら着物のお写真。またヘアスタイルや小物など、送っていただけるものは全部写真で見せてもらいます。そこからその方の好みを分析して、パーツになりそうなアイテムを探し、デザインを検討。おそらく私のお客さまはほかの人とは違うデザインを望まれていると思うので、パーツや色の組み合わせなどできるだけ新しいものを取り入れることを意識しています。そうすることによって多くの方から「好みのチップになった!」とうれしい評価をいただいてきました。
成人式などイベントが多い時期には1カ月で100件ほどのオーダーをいただきます。
――1年で独立、現在2年目にしてこれだけ人気のネイルを作る技術はどのようにして培ってきたのですか?
サロンに勤めていたときからサロンワークを含めて、毎日10時間くらい練習をしていました。子どもを寝かしつけた後、朝方までネイルと向き合うこともしばしば。ネイルが好きなので辛くはありませんでした。おかげで少しずつ技術が身についていったと思います。当時からインスタグラムに出来上がったネイルチップを投稿しており、見てくれる人のうれしいリアクションもモチベーションになっていましたね。
ネイリスト歴2年のMISUZUさんが、ネイルチップの販売を成功させた3つの秘訣
1.苦手と得意を理解し、自分に合った販売方法を見つけた
2.お客さまのニーズを把握し、常に新しいデザインを作り続けた
3.毎日10時間ネイルの練習を行なった
ネイルチップの販売が好調のMISUZUさんですが、2023年中にプライベートサロンをオープン予定とのこと。後編では、サロンを立ち上げようと思ったきっかけや、「眠れるほど癒されるサロンにしたい」という空間づくりのこだわりについて伺います。