毎日の積み重ねを楽しみ、お客さまを飽きさせない技術を生みだす「ulu.」大平結花さん

2023年6月、神奈川県の大倉山駅の駅前に「ulu.」をオープンさせた美容師の大平結花さん。前編では、「ulu.」オープンの経緯や、なぜトータルビューティーサロンというコンセプトを掲げたのかについて伺いました。

後編では14年間、美容師としてキャリアを積み、2018年には「WELLA TREND VISION award」で優勝をおさめるなどコンテスト入賞経験も多数ある大平さんの、美容師としての強みを掘り下げます。10年以上通う顧客も数多く抱えているという大平さんは、コンテスト出場やパーソナルカラーの資格取得など常に新しいことを取り入れ、長く通う方も飽きないような工夫をしているそうです。

今回、お話を伺ったのは…

大平結花さん

美容師

専門学校卒業後、「GLAMOROUS」に入社し、14年間に渡って美容師の腕を磨く。専門学校在籍時からコンテスト出場経験を重ね、2012年 「KBKカットコンテスト」優秀賞、2016年、2017年「NAKANO コンペディション」決勝大会進出、2018年「WELLA TREND VISION award」GOLD AWARDなど受賞経験も多数。

2023年6月には夫とともに「ulu.」を立ち上げ。ネイルとの同時施術が可能なほか、パーソナルカラー診断、着付けなどのメニューも提供する、トータルビューティーサロンをコンセプトにしている。

Instagram:@ulu._yuka

大切なのは、お客さまを飽きさせない工夫

大平さんの元には10年以上担当している顧客も多く訪れる

――10年以上担当しているお客さまが多くいらっしゃるとのことですが、長く通っていただくために心がけていることはありますか?

飽きさせないような工夫をすることですね。大切にしていることの1つは、提案を続けることです。その日きれいになってもらうことは大前提ですが、次回提案にも力を入れていて、きれいになることを楽しんでもらいたい気持ちがあります。そして提案を続けるためには、自分が勉強を続けることがとても大事だと思っていますね。

私は美容学生時代から何度もコンテストに出場していて。クリエイティブな作品作りが好きだということもありますが、常に新しいことに挑戦している姿をお客さまに見てもらいたいという気持ちも大きいんです。またコンテストに出るとなると自然と練習に力が入りますし、学ぶことも多いと思います。

パーソナルカラー、着付けなどを学んで、メニューを増やしているのも、お客さまに対してマンネリを感じてほしくないいという気持ちもあるんです。

――毎回同じ髪型にしたいという方もいると思いますが、そういう場合にも飽きないような提案は必要なのでしょうか?

そういう方の場合は、ヘアスタイルに新たな提案をすることは多分求めていないので、会話を含めたコミュニケーション、何も言わなくても分かってくれる安心感が大事になってくると思います。とくに私のお客さまは私と話す時間を求めている人が多いのかな、と。というのも、髪の悩みだけでなく、プライベートな話しにくい内容も話していただけることが多いんです。

――お客さまが話しやすいように、何か工夫をされているのでしょうか?

私自身、話すことがとても好きなので、意図的にやっているわけではありませんが、自分からどんなことでも話しているのが大きいかもしれません。そうすることでお客さまもより話しやすくなるのかなと。もちろん友達ではないので、その方が会話に求めているもの、聞いてほしい方なのか、そんなに話したくない方なのか、状況の見極めはとても大切だと思います。

あとはその方が楽しく話せる話題を引き出すことも大事ですね。人って自分の好きなことを話すことが楽しいと思うので、その方の好きなものや趣味を聞き出したり、知らないことがあれば教えてもらったりするのがいいと思います。そして自分も会話を楽しむこと。私の場合は、意識しなくても楽しいのですが(笑)。重いことを話してもらったあとも、一緒に落ち込むというよりは少しでも元気になってもらいたいと思うので、励ましたりすることも心がけています。

美容学生時代からのコンテスト出場経験が育てた「どう見せるか」の視点

優勝をおさめた「WELLA TREND VISION award」での大平さんの作品

――先ほどもコンテストのお話が出ていましたが、2018年に「WELLA TREND VISION award」で優勝されているとお聞きしました。優勝の要因をどう分析していますか。

さまざまな要因が重なったのだと思いますね。「WELLA TREND VISION award」はとても規模の大きな大会で、2018年はとても力を入れていました。例年は毎年何回かコンテストに出ていたのですが、このときはほかのコンテストは全部捨てて、ここに照準をあわせたんです。

あとは、長年の積み重ねも大きいと思っています。クリエイティブな作品作りは、もちろんセンスの部分も大きいとは思うのですが、表現力は数をこなしていくことで確実に身につきます。実はパーソナルカラーを勉強しだしたのも、コンテストのためでした。衣装自体は衣装屋さんに作ってもらうのですが、モデルさんに似合う色と衣装の色味を理論的に組み立てられるといいなと思ったんです。

また何度もさまざまなコンテストに出ていると、毎年受賞作品を目にするようになるのでそれぞれの賞の受賞ラインが段々と分かってくるんですね。このコンテストではこれくらいやらないと響かない、このポイントが大きく評価に響く、とか。これらの経験をすべて総合して優勝を掴むことができたと思います。

――コンテストに出場していることで、サロンワークにとってもプラスになることはありますか?

短い時間のなかで仕上げる意識がつくので、サロンワークも自然と早くなりました。あとは、お客さまのファッションやメイクに合わせた似合わせの提案ができるようになったこと、スタイリングのレベルがあがったことも大きいのかな、と。コンテストでは、「どうきれいに見せるか」という視点がとても重要なので、何度も出場するうちにお客さまに満足してもらえるヘアスタイルの見せ方が身についたと思います

どんなに疲れていても、お客さまの前に立つと疲れが消えてしまう

大平さんのご家族。忙しい生活のなかでも、お子さんと過ごす時間を楽しみにしているそう

――お子さんが生まれてから、仕事と子育ての両立はいかがですか?

時間があっという間すぎて、圧倒的に時間は足りていないとは思います。疲れることも多いですが、充実しているとは感じるし、お客さまの前に立つとその疲れが消えてしまうんですよね。私の場合は美容師の仕事、お客さまと話すことがストレス解消になっているのかなと思います。

――今後の目標は?

まずは、自分達のお店が地域に愛されるサロンになるようにコツコツとやっていきます。そして、このサロンのコンセプトに共感してくださるお客さまやスタッフが増えていったときに、お店を大きくすることができたらうれしいですね。


大平さんが美容師として長く愛されている3つの理由

1.常に新しいものを取り入れ、飽きさせない工夫をした

2.自分から包み隠さず話し、お客さまも安心して話せるような空気を作った

3.コンテストに出場し、「どう見せるか」という視点を養った

大平さんのお話を聞いていて感じたのは、努力を楽しんでいるということ。長くコンテストに出場し続けることも、子育てと仕事を両立も大変なことも多いはずですが、一切それを感じさせない空気感があり、話しているだけで「私も何かに挑戦してみよう」という前向きな気持ちになれました。美容師として成功したい方は参考にしてみてくださいね。

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Salon Data

ulu.
住所:神奈川県横浜市港北区大倉山3-1-1サンレモンビル2F
電話番号:045-270-7350
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