サロンで個人売上トップを達成。4年でサロンの年商1億円から12億円に成長させた秘訣とは?【fifthグループCMO 木村允人(まさと)さん】#1
圧倒的な技術力により、再現性の高いメンズパーマで多くのファンを獲得しているサロン「fifth」。今年で21年目を迎える「fifth」は16年目までは年商1億円でしたが、木村允人さんが経営に携わったことにより、わずか4年で12億円と大幅にアップさせることに成功しています。木村さん自身もサロンのトッププレイヤーとして活躍しながら、売上アップが実現できた秘訣は何なのでしょうか?
前編では、木村さんのこれまでの経歴、「fifth」の経営に関わることにした理由や取り組んだことについて詳しくお話をお聞きします。
KIMURA’S PROFILE
- お名前
- 木村允人
- 出身地
- 熊本県
- 年齢
- 34歳
- 出身学校
- ハリウッドワールド美容専門学校
- 憧れの人
- いない
- プライベートの過ごし方
- サウナ、仕事の事を考える
- 趣味・ハマっていること
- 色々なサウナに回る
- 仕事へこめる気持ち
- 少しでも関わるスタッフやみんなのより良い環境を作れるように日々精進していきます!しっかりとやる事をやり楽しくみんなで成長していきたいと思ってます!
2年半のフリーター期間を経て、美容師への道を歩み始める
――美容師を志したきっかけをお聞かせください。
僕が学生の頃、ファッションやヘアスタイルなどの美容情報は全て雑誌から得ていました。誌面で活躍している美容師はもちろん、地元でも担当していただいた方を見ていて、かっこいいなと憧れたのがきっかけですね。
――その後の進路は?
ガイダンスに行ったときショーや校風に惹かれ、福岡県にある「ハリウッドワールド美容専門学校」へ進学しました。地方ということで、都内に比べて学費を抑えられたことも理由の一つです。
卒業後は雑誌で見て憧れていた「SHIMA」を受けましたが、受からず…。とりあえず、美容師をするなら「東京」と決めていた僕は、専門学校の先生から勧められた町田にある個人経営のサロンに就職しました。
ところが、1ヶ月くらいで退職してしまって。その当時は社会人としての自覚が足りなかったと感じます。
それからは約2年半ほどフリーターとして働いていて、街で偶然声をかけられたことでサロンモデルも経験しました。ただ働いている間、美容師としての夢は諦めていませんでした。
――再起を図ったきっかけは?
専門学校で出会った友人たちの姿を見て刺激をもらったんだと思います。専門学生時代から一緒に住んでいた仲間と頻繁に交流を欠かさなかったからこそ、自分を見つめ直すきっかけにもなったと今は思いますね。
「fifth」が積み上げてきた実績を活かしながら、パワーアップを目指す
――「fifth」に入社を決めた経緯をお聞かせください。
サロンモデルの仕事を通して、いろいろなサロンやサロンの人たちと関わった中、気になっていたのが「fifth」でした。
――どんなところが良かったのでしょう?
サロンモデルの仕事で何度か来させていただいているうちに、どのサロンよりもアットホームさがあってとても良い雰囲気だなと。ほかにも、サロンワークだけじゃなくメディアの仕事を受けていたことで、幅が広く魅力に感じました。
――年商を大幅にアップさせたとのことですが、どのような経緯があったのでしょう?
僕の性格上、物事をいかに効率的に動かすかを考えるのがクセで。上司や先輩の様子を見ていて「もっと効率的になる方法があるのでは?」と、思うことが多かったんです。それで実際に申し立てをして、口論になったことも数知れず(笑)。
当然、売上もまだままならない下っ端から経営や効率の話をされても聞く耳を持つわけないですよね。
――経営に不満があるにも関わらず、辞めない選択肢をした理由は何ですか?
シンプルな話で「fifth」に仲間がたくさんできていましたし、僕の紹介で働いていた同期や後輩もいたから。独立を考えたこともありましたが、「fifth」は当時で15年も続いている実績がありました。僕が独立をして一からサロンを構えると考えたとき、その年数は買えない、敵わないと思って。だったら、この信頼を築いてきた実績のある「fifth」で改革をしていきたいと考えました。
加えて、美容師として長くサロンに勤めたあと独立をするケースが多い。周りでそういう人たちを見ていましたし、美容師として独立以外の新しいモデルケースが作れたら良いなと思ったんです。「fifth」のさらなるパワーアップとともに、みんなが幸せになれる仕組みを作ろうと思ったのが理由です。
――どんな取り組みから始めましたか?
本気で根本から経営について変えたい、携わりたいけど、相手にされない状況を打開するために必要なのは実力だと思い、まずは自分の売上をトップにすることから着手しました。
――個人で売上トップになるコツとは?
とにかくあらゆる集客媒体を自分で使いこなし、特徴をつかんで活用しました。はじめにそれぞれの集客サイトやツールを作った会社の背景を考え、どんな層をターゲットにしているのか、どんな取り込みに力を入れたいのか。サイトやツールごとにやり方がわかれば、あとはその目的に沿って実践していくだけです。
――自分で考え、実践したことで売上に繋がったのですね。それから経営側に?
そうですね。自分がサロン内で売上トップの称号を勝ち取ったことで、意見ができるようになりました。
独自のマーケティング力を活かすために、年商およそ10億円もの大幅アップに成功
――年商をアップさせた秘訣をお聞かせください。
僕は、今も昔もチームで勝ちにいくことを想定しています。チームには統一性が大事です。自分で売上トップがとれるモデルケースを作ったことを活かして、それに合わせてペルソナを設定しました。
マーケティング力が一気に向上したことで、年商アップに辿り着けたのだと思います。
――具体的には?
それぞれの店舗にそれぞれテーマを設定し、特化させ、再現性を確立したことでしょうか。例えば、原宿店はメンズパーマがウリ、みたいなイメージです。
――どのようにして、それらの動きができたのでしょう?
自分でももちろん経営について勉強しましたが、一番は実際に経営に詳しい人や関係者の話をよく聞き、すぐに取り入れて実践。そして継続できたところだと思いますね。どんなことも、始めてから結果を出すのに一定の期間がかかります。そこをどのくらい継続できるかが大事だと感じます。
僕は、みんなと一緒に幸せになりたい。そのために何ができるか考えたとき、「お金」があれば共通して幸せに導けると思いました。20代の中盤になって挑戦していたので焦りもありましたが、着実に目標に近づくためには一歩一歩の速度を上げることだと割り切っていたことも関係していると思います。
当時フリーターをしながらも、美容師になることを諦めていなかった木村さん。自身でそのタイミングをつかみつつ、自己分析をもとに、見事トップの売上と年商のアップにも貢献しました。後編では、「fifth」の今後の目標や美容業界のボトムアップを目指す木村さんの方針について伺います。
お話を伺ったのは…
fifthグループ総店長 木村允人さん
地元の熊本県を出て、福岡県にあるハリウッドワールド美容専門学校へ進学。卒業後は東京・町田のサロンに入社するも、わずか1ヶ月で退職し、2年半の間フリーターを経験。その後、読者モデルの仕事で「fifth」に出会い、入社。美容師としてデビューを果たしたのち、サロン内でトップの売上を獲得して経営に携わったところ、サロンの年商を十倍にする敏腕ぶりを発揮。現在は、社内でヘアサロン向けコンサルティング事業を立ち上げ、経営に徹して活躍している。
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/SHOHEI