膣ケアを伝えたお客様が妊娠したことで、いつか絶対フェムケアをやろうと決意。Ms.MUSE 高橋かなさん＃1
自由が丘駅から徒歩数分の閑静な場所にあるフェムケアサロンMs.MUSE。オーナーセラピストの高橋かなさんは、ブラジリアンワックスがきっかけでこのサロンをオープンしました。ブラジリアンワックスの施術は、お客様と密接な関係になるため、不妊や妊活など深い悩みを打ち明けられることが多いのだとか。お客様にデリケートゾーンのケアを伝え、それを実践したところなんと妊娠！ そんな経験から、いつか必ずフェムケアサロンをやろうと心に誓ったのだそう。
シワが気になるから即ボトックス、妊娠したいから即不妊治療ではなく、まずはフェムケアサロンに相談してみる。フェムケアサロンがそんなポジションになれれば。そこにフェムケアサロンの可能性を感じると高橋さんは言います。
お話を伺ったのは…
Mｓ.MUSE
オーナーセラピスト 高橋かなさん
25才のときにエステティシャンに転身。銀座老舗サロンをはじめ、スパやサロンの店長、マネージャー、カウンセラーなどを務め、数多くのエステティックブランドの技術を習得。脱毛は20年以上の実績を持ち、ワックス脱毛を教える日本ブラジリアンワックス協会の上級認定講師としても活動。2011年、自由が丘にエイジングケア専門サロンオープン。2022年、フェムケア専門Ms.MUSEオープン。
ブラジリアンワックスの施術中に、不妊の悩みを打ち明けられ…
エステティシャン歴25年の高橋かなさん。
――サロンを開業されるまでのご経歴を教えていただけますか？
25才のときに、実家のある九州で母が経営するエステサロンに就職しました。5年後、いろいろなエステを経験するために上京。銀座の老舗サロンで2年間修業しました。その後、派遣で何軒かのエステサロンを経験し、38才のときに独立。最初は、美容室の一角を借りて、フェイシャル・痩身・ブラジリアンワックス（デリケートゾーンの脱毛）の施術を提供していました。それから5年後、自由が丘に自分の店舗を持ち、2022年6月、2店舗目としてフェムケア特化のMs.MUSEをオープンしました。
――フェムケア特化のサロンにした理由を教えてください。
ブラジリアンワックスがきっかけでした。ブラジリアンワックスは、デリケートゾーンの脱毛という施術の性格上、お客様とすごく密接な関係になるんですね。そこで不妊や妊活など他ではなかなか話せないようなお悩みを打ち明けられることが多かったんです。
食事も運動も睡眠も全部がんばっているのに妊娠できない。産婦人科での不妊治療に踏み出そうかと迷っているお客様に、「ボディソープでデリケートゾーンを洗ってませんか？」、「化学繊維のナプキンを使ってませんか？」と尋ねると、100％YESという答えが返ってきます。
皆さんご存知ないんですが、ボディとデリケートゾーンの経皮吸収率は全然違います。ボディを1とすると、デリケートゾーンの経皮吸収率は42～50倍。この数字を考えると、臓器にいちばん近いデリケートゾーンに特別なお手入れが必要だということが分かりますよね。
デリケートゾーンの正しい洗い方やケア方法をお伝えすると、皆さん目から鱗だと驚かれます。お伝えしたケア方法を実践することで、妊娠された方もいます。「妊娠できた理由は、これ以外に考えられない」と本当に喜んでいらっしゃいました。これまで何千名というお客様と接してきて、そういった経験をしてきたので、いつか絶対フェムケアをやりたいと思っていました。
フェムケアサロンは、少子化を救う
「フェムケアの重要性は、まだまだ知られていない」と高橋さん。
――お客様が妊娠されたことがきっかけだったんですね。フェムケアサロンはまだまだ少ないと思いますが、どんなサロンにしていきたいですか？
現在、不妊治療をされている女性は本当に多いですよね。先日、産婦人科の先生とお話する機会があったんですが、自然妊娠できる体なのに不妊治療を希望する方も多いとおっしゃっていました。
それって、小じわが気になるからボトックス注射を打てばいいという考え方と同じですよね。そうではなくて、妊娠に向けてまずは生活習慣を見直し、デリケートゾーンのケア方法を変えてみる。それだけで妊娠できたケースをいくつも見てきたので、そこにフェムケアサロンの可能性を感じています。フェムケアサロンは、少子化を救うと本気で考えているんです。不妊治療をする前に、フェムケアサロンに相談してみよう。Ms.MUSEがそんなポジションに立てたらいいなと考えています。
――サロンコンセプトについて詳しく教えてください。
「女性の体を、潤わせる」をコンセプトに掲げています。生理、PMS、自律神経のバランスといった女性特有の悩みを、子宮の機能や女性ホルモンバランスからアプローチして、身体・精神の両面から整えていきます。日本人は、外見はすごくきれいにしていますが、デリケートゾーンのお手入れに関してはまったく遅れているんですよね。膣を潤わせると、内側はもちろん、肌もびっくりするほど輝き出すんです。
――「女性の体を、潤わせる」ために、どんな施術メニューがあるのでしょうか？
デリケートゾーンの脱毛や女性の生理周期を考えたトリートメントをメインに、ローズ蒸しテントやよもぎ蒸しなど女性であることをいつまでも楽しむためのメニューをご用意しています。先ほどお伝えしたように、膣からの経皮吸収率は42～50倍。ローズの女性ホルモン様成分を膣から吸収したときの効果は想像以上に高いんです。
高橋さんがフェムケアサロンを始めた理由は
1.ブラジリアンワックスの施術中、フェムの悩みを聞くことが多かった
2.デリケートゾーンのケアを伝えたお客様が妊娠できた
3.フェムケアサロンに大きな可能性を感じた
後編では、女性周期を考えたトリートメントやローズ蒸しテントなどフェムならではの施術内容と、フェムケアセラピストとして心がけていることをお伺いします。
取材・文／永瀬紀子
