サロンの効率とお客さまの満足度両方を叶える！リピーターで予約が埋まるサロン「#péil」のオーナー ネイリスト・erinaさん
美容の激戦区表参道で、駅から徒歩2分という好立地のサロン「#péil」を経営するネイリストのerinaさん。ご自身の予約はリピーターのみ、ほかのスタッフのリピート率も70％を超える人気のネイルサロンの代表を務めています。
前編では競合が多い街でリピーターの絶えないサロンをつくるための秘訣を伺いました。「感謝の気持ちさえあればどんな場所でも続けていける」とお話しするerinaさん。お客さまに長く通ってもらい、スタッフの負担も軽減できる「ワンランク上のセレクトネイル」について紹介します。
今回、お話を伺ったのは…
ネイリスト・「#péil」代表erinaさん
東京都出身。ネイルスクール卒業後ネイルサロン「RounGe SHIBUYA」に入社し、約7年間ネイリストとして活躍する。2020年4月に独立し、広尾にネイルサロン「#péil（ペイル）」をオープン。2021年に表参道に移転し、現在は3名のスタッフとともに店舗を運営している。店舗経営のほか、福祉施設でのネイルのボランティアや、オンラインサロンの運営、海外を含む自社セミナーの開催など多岐にわたって活躍中。
感謝の気持ちを持って経営努力を続けることが激戦区で生き残る秘訣
半個室のような作りになっているerinaさんの席。手前の部屋にもう２席を構える
――多くの美容サロンが立ち並ぶ表参道に店舗を構えた理由を教えてください。
私の好きなニュアンスネイルを求めるお客さまが多いことが理由のひとつです。資金の関係で最初は広尾にサロンをオープンしたのですが、ニュアンスネイルはあまり人気が出ず途中できれい目のデザインに変更しました。一方表参道ではニュアンスネイルはとても人気で、リピーターになってくださる方が多いです。独立の際は自分の得意とするデザインと街を訪れる人の客層がマッチするか調べることが大切だと実感しましたね。
表参道の街が好きで広尾にオープンしたときから資金が貯まったら移転したいと思っていたのでよかったです。
――表参道は美容の激戦区と言われていますが、そんななか売上をあげるために行なっていることを教えてください。
一番はお客さまへの感謝の気持ちを持ち続けること。それさえあれば日々サロンを良くする努力ができて、その結果が集客につながると思います。
具体的に私が意識しているのはなるべく安い価格で通いやすく、リラックスしたひとときを過ごしていただくことです。そのために駅から近くて広い物件を選ぶことは必須でした。本来は6席くらい入るところを3席にし、ゆったりとした空間をつくっています。またメニューについては安価でクオリティの高いデザインを提供する「ワンランク上のセレクトネイル」をコンセプトとしています。
満足度も経営の効率もあげる「ワンランク上のセレクトネイル」
erinaさんがデザインした新作ネイル10種
――「ワンランク上のセレクトネイル」とは？
「#péil」ではすべてのメニューを定額にしており、ネイリストによって値段とデザインが決まっています。たとえば私の場合は9,500円のメニューのみ。毎月10種類の新作を作っているので、お客さまにはそのなかからお好きなデザインを選んでいただきます。私以外のスタッフは毎月5〜８デザイン、そのうち2つが新作です。このシステムのことを「セレクトネイル」と呼んでいます。
デザインが決まっている定額制のサロンは、お客さまの気にいるものがつねに揃っていないことが課題。「#péil」では最新の技術やカラーを取り入れたうえでネイリストそれぞれの個性を生かしたワンランク上のデザインを提供するため、毎月満足して通ってくださるお客さまが多いです。
――「セレクトネイル」を取り入れた理由を教えてください。
理由は3つあります。
ひとつは私がサロンを経営するうえで大切にしている「スタッフの個性を大切にする」ため。スタッフが複数所属するサロンでは、お店としてのデザインはあってもスタッフひとりひとりの特徴がない場合も多いと思います。しかし「#péil」では自分だけのデザインを作り出してほしくて、私の真似はしないようにと伝えているんです。そのためスタッフごとにオリジナルのデザインを作る形式にしました。
ふたつ目はわかりやすさ。料金もデザインもはじめから決まっており、追加料金も発生しないので安心して通うことができます。担当ごとにデザインが決まっているので、毎月違うスタッフを指名する方もいるんですよ。
――最後のひとつは？
時間の短縮と安価な料金が叶うこと。デザインが決まっているので施術をしながら悩むことがなく、1回につき1時間半から2時間で完了します。そのため回転率がよく、安価な価格で質の高いサービスを提供することができるんです。スタッフにとってもお客さまにとっても効率がよくうれしいシステムだと思います。
技術とデザインに加え、お客さまの話を真摯に聞く姿勢がリピート率をあげる
つねにお客さまファーストで経営を考えるerinaさん
――通いやすいシステムを作られているんですね。リピート率はどのくらいですか？
私は現在予約枠がすべてリピーターさんで埋まってしまい、新規予約をストップしているので100％です。サロン全体となると約70％ですね。
――先ほどお伺いしたメニュー以外でリピート率を上げるために心掛けていることを教えてください。
接客面でお客さまのお話をきちんと聞くことを意識しています。YouTubeで見たんですが人間はみんな「I love me」自分が一番好きなんです。これは極端な言い方かもしれませんが、そのことをつねに頭に入れて自分の話は極力せずにお客さまの話を受け止める姿勢でいます。もちろん興味を持っていただければ私の話もしますが。表参道は20代後半から30代前半のお客さまが多く、好きなアイドルや洋服、メイク、旅行、仕事の愚痴などさまざまな話題で盛り上がって私自身もとても楽しくお話を聞いています。
erinaさんが表参道でサロン経営を続ける3つの秘訣
1.お客さまへの感謝の気持ちを持ってよりよいサービスを考え続ける
2.効率と満足度両方を高めるセレクトネイルを取り入れる
3.お客さまのお話を真摯に受け止める
後編では個性豊かなネイルを生み出す「#péil」のスタッフの魅力に迫ります。Erinaさんが「全員大好き」と語るスタッフのみなさんはどのようにしてオリジナルのデザインを生み出しているのでしょうか。教育方法やネイリストとしての将来を見据えた環境づくりについて紹介します。
