美容師でも自分や家族の時間を大切にしたい!『Pelodias』
世田谷区奥沢と緑が丘の中間地点、閑静な住宅街のなかにある、プライベートサロン『Pelodias』。まるでホテルマンのように、徹底したおもてなしでお客さまを迎えています。そんなオーナーの嶋田さんはさまざまな工夫をしながら、自分や家族との時間を何より大切にされています。サロン経営、美容師のあり方など、嶋田さんのさまざまな思いについて伺いました。
二度と戻らない今を、楽しんで生きる
――ブログの情報発信をかなりまめにされていますね。
「そうですね。このお店を知ってもらうための発信は重要だと考え、こまめに発信をしています。経営戦略でいえばオープンしてから半年で集客を自力化しようといろいろなことをやってきたので、デジタル、アナログの両方を使いながら集客に力を入れてきました。もうすぐ半年になるのですが、計画通り自力化できるようになりました」
――綿密な計画を立ててらっしゃるんですね。
「よくそう言われるのですが、僕としては、あらゆる可能性を考え計画を立ててはいますが、どれを選ぶかは決めないという感じですね。いっぱい選択肢を描いて、そのなかで状況に応じてベストなものを選択することが大事だと思います。一個に決めてしまうと時代に対応できなくなってしまうので」
――経営をしていくうえで、どんなことを大切にしていますか?
「僕が人生で一番大切にしているのは時間です。その時間を無駄にしないために、さまざまなことを試している感じですね。実はもうすぐ子どもが産まれるんですが、個人サロンを経営していていいなと思うのは、週休3日、4日でも問題ないわけです。子どもが産まれてからも、お客さまの予約が午後からなら、午前中に子どもとの時間ができるわけですね。僕はお金って5年後でも10年後でも取り返せると思っているんです。でも息子が幼稚園に入るまでの密接に関われるような時間は、二度と戻ってこない。僕にとっては収入より、時間が何より大切ですね。以前に雇われて働いていたときより、収入のことを考えなくなりました」
――個人経営だと経営状態がひとりの肩にのしかかってくるわけで、逆に収入のことを考えてしまいそうですが…。
「僕もまさか自分がそのように感じるようになるとは思っていなかったんですが(笑)お客さまに満足いただける施術を行うことで、自分もうれしい、そしてお客さまから喜んでお金を支払っていただける。それがいい循環を生んでいくんですね。サービス業の本質に戻ったと感じます」
自分の強みさえあれば、食べていける時代に
――美容業界でも労働時間を短くする流れはありつつも、その一方でアシスタントの方などは修行のために長く拘束される現実があると思うのですが、そのあたりはどのようにお考えですか?
「確かに美容師は技術職なのである程度の修行は必要ではあると思います。ただ、10年、20年前と比べると、技術一本で食べていくというような時代ではなくなっていると思うんですよね。逆に言うと、今の時代は技術だけでは食べていけない時代だと言えるはずです。自分をブランディングし、強みを活かしたマーケティングをしていけば、修行期間を短縮し独立できる時代なんですよね」
――“売り”があれば、長い修行時間も不要だと。
「自分のよさに気付けるかどうかなんだと思います。一番いいのは自分がスタイリストになったときに、リピートしてくれるお客さんにヒアリングをすることですね。自分のことを客観視するこんなにいい機会はないですから。自分の強みが分かれば、あとはそれを磨いて特化していけばいい。それが分からない状態だと、修行期間が長くなってしまうんだと思います」
――最後に今後の方向性についてお聞かせください。
「オープン当初は、もうひとりくらいスタイリストを入れようかと思っていましたが、自分ひとりの空間があまりにも居心地がよく(笑)、しばらくはこのスタイルでお店を続けていこうと思います。僕は時間の無駄がとにかく嫌いなので、無駄を省けないかいろいろと試行錯誤していきながら、自分や家族との時間を大切に進んでいきたいと思っています」