厳しさが魅力となる学校！？ 埼玉県理容美容専門学校
カットによるスタイリングを中心に学べる理容科と、美容に関わる技術を広く学べる美容科がある埼玉県理容美容専門学校。今年で創立65年を迎え、2万人を超える卒業生を見送ってきました。そしてこちらの学校、どうやら「厳しさ」が人気の秘密のようで…！？
そんな埼玉県理容美容専門学校での学校生活について、今年入学したばかりの1年生4人と、校長先生にお話をうかがいました。後編の今回は、20年間「SAIRIBI」を見守ってきた相川校長先生に、学校の理念や制度について語っていただきます。
技術を習得するには、素直な心がもっとも大事
――こちらの理念はなんでしょうか？
「学校としては“理容師・美容師に必要な知識と基礎的技能を授け、かつ、心身ともに健康な理容師や美容師を養成すること”を打ち出しています。しかしそれ以上に、この理容美容業界を背負って立つような人材を育てたいと私は思っています。そのためには、社会に役立つような人間性をここで身につけてもらうことが重要になってくるんです」
――社会に役立つには、どのような人間性が重要だと思われますか。
「素直さですね。素直な心がないと、この業界で活躍するのに必要な技術を習得することは難しいと思うのです。たとえば、学校のなかでもっとも高い技術を持っているのは教師ですよね。そんな教師からの指摘を心で受け止めて形にできるか、あるいは自己流を貫いてしまうかで、技術力は変わってくるんですよ。理容師、美容師の技術は一朝一夕で手に入るものではありません。そのことを理解し、素直に人の言葉を聞き入れてコツコツと実行できる謙虚な心を持つこと。それが社会に役立つ技術を身につけ、ひいては本人自身も過ごしやすい環境を作ることに繋がると思います」
――理容師として働いたうえで、20年間教師をされている相川先生だからこそ学生に伝えられることはなんでしょうか？
「当校には社会常識論という授業がありまして、私自身が教壇に立ちます。この授業ではたとえば、命についてどう思うか？宿命と運命の違いとはなんなのか？そういった、若い頃は考えることが少ないであろうことについて研究し、発表する機会を設けているんです。また、この業界に携わる人間にとっては非常に大切な“シザーズ”を、業者の方がどのような思いを込めて作っているのか。こういった話を、私の理容師として、そして人間としての経験を交えながら話しています。今は理解できないだろうから話さない、と考えることは教育として間違っていると思うのです。10年、20年経ったとき、いつか学生たちに実感を持って理解してもらいたいことを、自分なりに伝える努力をしています」
本当の教育を受けられる場でありたい
――“SAIRIBIは厳しい”との評価が多いようですか、それはなぜでしょうか？
「実は、私もよくわからないのです（笑）。ただ、学生たちが社会に出てから苦労するに違いない悪い癖や習慣は、本校在学中に必ず直すようにしていますね。たとえば、この業界は掃除に始まり、掃除に終わります。なので当校では教室や廊下、トイレにいたるまで、しっかりと清掃をさせていますよ。また、社会人にとって遅刻、欠席は許されないことです。そこで、学生のうちからタイムカードを使わせることで、時間を守ることを覚えてもらうようにしているんです。これらを厳しく感じる方もいるかもしれませんが、当たり前のことを当たり前にできるようにしているだけですよ」
――最後に、相川先生が思うこちらの魅力を教えてください。
「ここは専門学校なので技術を教えることは当然ですが、それ以上に大切な財産、人間同士の深い繋がりや思いやりを学ぶ場になっていると思います。そんな環境だからこそ、心身を磨き、一流の技術者として成長していくためのヒントを得られる。これが当校の一番の魅力なのではないでしょうか」
こちらの学校は、“先生に会いに来ました”と、何年も前の卒業生が元気な顔を見せに来てくれることがとても多いそうです。帰ってきたくなるような温かい雰囲気、そして人として真剣に向き合い、厳しくも優しい指摘をしてくれる先生方が魅力の埼玉県理容美容専門学校。技術と人間性を本気で磨きたい方は、ぜひ検討されてみては？
