日常の一部となれるような隠れ家ヘアサロンに『salon de feve』
おしゃれな店舗が立ち並ぶ南船場のビル8階にある隠れ家的なムードのヘアサロンは、一歩中に足を踏み入れると明るい日差しが差し込む穏やかな空間。フランス語で「幸せなコトやいいコトがあるように」との意味が込められた店名を持つ「salon de feve」は、同業者である他のヘアサロンオーナーからその名を耳にすることも多いお店です。現在はオーナースタイリストである川口さんひとりでのんびりと営業しているというsalon de feveが同業者に愛される理由を探しに行ってきました。
気負わずリラックスして話せる空間
他店の取材中に何度かsalon de feveのお話を他のサロンオーナーさんから聞きましたが、同じく美容のプロである同業者のお客様が多いのでしょうか?
「何名かはいらっしゃいますが通常のお客様が中心ですよ。他のお店で話題に上るのは非常に嬉しいことですが、きっと当店が他のサロンさんとの合同レッスンや勉強会を積極的に行なっているからうちの名前が出てきたのではないでしょうか(笑)。合同レッスンによって自分とは違う視点でのアドバイスがもらえたり技術を教えあえたりできるメリットがあるので、僕自身が横のつながりを重視しているんです。ちょうど現在は僕ひとりで店を運営していることもあって、他のお店のスタイリストさんと一緒に勉強会などをすることは特に刺激になっていますね。あと、当店のコンセプトに日常生活の一部になれるようなサロン、というのがあります。美容室の中には行くときに少し緊張する、敷居が高く感じるという種類のサロンもありますが、うちはリラックスして普段着で来られるお店にしたかった。気負わない空間で気軽に髪や美容について相談できる店づくりが当店のテーマなので、そう行った意味では同業者の方も遊びに来やすいというのはあるのかもしれないですね。」
程よい距離感で話しやすい雰囲気に
川口さんはとてもお話がお上手でつい会話に引き込まれてしまいますが、もともとそういったコミュニケーションの能力に長けていたのでしょうか?
「会話のテンポなどは美容師の仕事についてからお客様とコミュニケーションをとる中で身につきました。実はもともと接客は苦手な方だったのですが、美容師の仕事ではいかにお客様が髪型に対して抱えている悩みや、なりたいスタイルを会話から引き出すのかが重要ですよね。それに加え、普段はおしゃべり好きなお客様でも今日はあまり喋りたくなさそうだとか、いわゆる空気を読むというようなこともしなくてはなりません。そういったお客様との距離感を意識して程よい距離感の接客を心がけることで、僕はお客様との距離がより近くなったと実感しています。当店はオープンから10年目になるのですが、オープン当時からのお客様が多いのはそのあたりの距離感の加減が良いのかな、なんて思いますね(笑)。実は美容師は骨格やファッションといった“見える部分”からの情報だけでなく、その人の仕事や趣味など“一見しただけではわからない部分”の情報が大事。そういった部分を会話から引き出して、より似合うヘアスタイルを提案することで初めて、お客様の日常に溶け込むようなスタイリングができるのだと考えています。」
遊びをプラスする“ひとヒネリ”が真骨頂
川口さんの提案するヘアスタイルはベーシック中にもどこか個性的というか遊びを感じさせる部分がありますが、スタイリングのコンセプトは?
「僕はいわゆる奇抜すぎるスタイリングはあまりしません。ナチュラルでラフなものが中心ですが、必ずそういったスタンダードなスタイルの中にひとヒネリ加えるのがモットー。そのヒネリの部分でお客様の個性や魅力をさらに引き出せるような提案をしています。これは技術に対しても言えることで、例えばカットにしても、今まで培った技術に自分なりのアレンジを加えています。そういったヒネリ、つまりアレンジを入れることこそが、サロンらしさやスタイリストらしさに繋がるのではないでしょうか。そういった遊びの要素をプラスするための引き出しを自分の中に増やすために、よくやっているのが街ゆく人をウォッチングすること。そうやってリアルなトレンドを研究することで、ヒネリのパターンをアップデートしています。」
話していて聞き飽きない川口さん自身の会話の巧みさや、どのスタイルにも独自のアレンジを必ず加えるというモットーなど、salon de feveがプロに愛されるサロンたる理由の一端を覗くことができました。後半では独立した時のエピソードを始め、現在募集中というスタッフにかける思いなどを中心にお話を伺います。
Salon Data
salon de feve
住所:大阪府大阪市中央区博労町4-6-17 第三丸米ビル807
TEL:06-6241-1863
Profile
川口雅孝さん
オーナースタイリスト
和歌山県出身。インテリアやアート、お笑いにも造詣が深く、同業者からの信頼も厚い人気美容師。大阪の美容専門学校を卒業後、市内のヘアサロンにアシスタントとして入社し、その後キャリアを積み10年前に独立する。モットーは美容師としてできるだけ長くサロンワークを続け、生涯ハサミを持ち続けること。
ゲストの喜ぶ顔をサロンの原動力にしたい!『salon de feve』>>