美容師は歳をとったら働きにくくなる? 年齢を重ねても活躍する方法とは
美容師として活躍している方のなかには、このままずっと美容師を続けられるか不安になったり、迷ったりする方もいることでしょう。身近に年齢を重ねた美容師がいない場合は、なおさら明確なビジョンを描きづらいかもしれません。
そこで今回は、美容師が年齢を重ねると働きづらくなると考えられる理由や、年齢を重ねてからの働き方について紹介します。
美容師は歳をとったら働きにくくなる?
年齢を重ねた美容師は、美容の仕事を続けられなくなるのでしょうか。結論からお話しすると、決してそのようなことはありません。40〜50代の方でも現場に立つ方も多く、これまでの経験や知識を活かして、ベテラン美容師として働く方もいます。
しかしその一方で、40代を機に美容師を続けられない、辛い、と感じてしまう方も少なくないと言われています。
トレンドの変化についていけないことや体力的な厳しさ
年齢を重ねた美容師が仕事を続けられないと思う理由には人それぞれあるものの、例を挙げるなら、トレンドの変化についていけなくなったり、体力に厳しさを感じたりすることなどがあります。
美容師は、トレンドを先取りしたり新しい技術を学んだりしながら、最新のヘアスタイルをお客様に提供することが主な仕事です。
お客様のご要望に応えられるよう、最新技術を学んだりトレンドを取り入れ、発信し続けなければならず、遅れをとるとサロン業界から置いてけぼりになってしまいます。
特に都心部のサロンは、若い美容師が多く、トレンドにも敏感。トレンドを追いかけることに疲れたり、若い美容師についていけなくなったりするなどの理由から、転職や退職を考える方も少なくありません。
年齢を重ねた美容師のその後の働き方
年齢を重ねサロンでは働けないと感じた美容師は、その後どんな働き方を選んでいるのでしょうか。代表的なものに、地元に戻って地域密着型のサロンで働く・独立する・キャリアチェンジするといった方がいます。具体的に見ていきましょう。
地元に戻り地域密着型のサロンで働く
年齢を重ねた美容師には、地元に戻り地域密着型のサロンで働く方も多くいます。
都心部の若年層をターゲットにしたサロンだと、客層が自分の年齢と合わない・従業員が若くお客様から比較されるのが辛い・自分よりも若いスタッフの下で働くのが辛い、などと悩む方もいます。
そのような悩みを抱えたとき、地元が郊外やベッドタウンなど落ち着きのある場合はそこへ戻り、理想的なサロンがあれば転職するパターンが多いようです。
独立する
年齢を重ねると、このままの働き方でよいのか迷い、独立を視野に入れる方もいます。
モアリジョブでは、40歳を迎えたことをきっかけに、生涯、美容師でいるために独立を選んだ、『風と雲の美容室』代表のJUNさんのインタビュー記事を紹介しています。
40歳になったとき、この先自分は、どんな仕事をしていかないといけないのか、美容を通じて何をしていきたいのかを、すごく考えたんですよね。
出た答えのひとつが、月並みですけど、やっぱり一番大切なのは今来てくださっているお客さんで、その方たちといっしょに成長していきたいなという気持ち。もうひとつが、「生きている限りは、美容師をやろう」という気持ちでした。
引用元
生涯、美容師でいるために選んだ独立という道 独立を目指すあなたへ vol.9【風と雲の美容室 JUNさん】#1
独立には大きな決断力と行動力が求められ、さらに安定した経営を維持し続けなければならないといった困難もあります。
しかしその一方で、自分のお店を持てること、自分の裁量で休日を決められること、自分の頑張りがそのまま収入につながるなどたくさんのメリットもあるので、年齢をきっかけに目指す方も多い働き方の一つです。
店長・経営者にキャリアチェンジ
スタッフとして経験を積み技術を学んだ後は、店長や経営者にキャリアチェンジする美容師もいます。
立場を変えて働くことで、スタッフとしての経験が活かせるだけではなく、経営者の視点からサロンを維持するための知識や方法の考え方を養えるので、将来的には転職や独立のチャンスが高まる働き方でもあります。
独立を見据えた働き方を検討するなら|平均年齢とタイミング
美容師として働いていると、年齢をきっかけに「そろそろ別の働き方を考えた方がいいかな」と悩むことも少なくありません。
ここでは、独立を見据えた働き方を検討するときにポイントとなる、平均年齢・タイミング・独立の方法について紹介します。
美容師として働き始めてから8~10年後
美容師が独立する時期の多くは、美容師として働き始めてから8〜10年後、年齢にすると35〜40歳くらいと言われています。
その理由は、多くのトレンドを追いかけたことで得た知識と高い技術に加え、多くのお客様にヘアスタイルを提供し続けた豊富な実績があるためです。
さらに、店長や経営者としての経験があれば、運営ノウハウが身についていることも強みとなり、独立に適したタイミングと考えられます。
独立に向けて準備すること
独立するうえでは、たくさんの準備するものがあります。サロンの独立にあたっては、サロンの規模にもよりますが、初期費用をはじめ開店後の運営資金なども考慮し、1,000~2,000万円ほどの余裕のある独立資金を用意しておくのが望ましいと言われています。
なお、サロンの資金を用意する場合は、一般的な都市銀行のほかにも、「日本政策金融公庫」と呼ばれる金融機関から融資を受けることも可能です。
ただし、日本政策金融公庫から融資を受けるときは、創業計画書や借入申込書などの作成・提出が必要になるので、詳細についてはしっかり確認することをおすすめします。
サロンを開業するうえでは、必要書類を作成・記入し、保健所に提出する必要があります。これは、美容所を新規に開設するときは、あらかじめ書類を保健所へ提出し、構造設備が基準に適合しているかを確認するための検査を受ける必要があると厚生労働省によって定められているためです。
さらに、税務署と各都道府県税事務所に開業の届出を行う必要もあるので、サロン開業の流れを詳しく知りたい方は、下記ページもあわせてチェックしてみてください。
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美容室を開業するまでの流れを紹介|開業費用はどれくらいかかるの?
引用元
独立の方法には個人開業とフランチャイズ開業の2パターンがある
独立の方法には個人事業とフランチャイズの二つあることも押さえておきましょう。
個人事業とは、開業手続きが必要なほか、店舗やまとまった資金を自分で用意する必要がある開業方法のこと。事前準備がたくさんあるので大変に感じることもありますが、がんばった分だけ自分の収入につながるほか、自分のサロンを持てるなど魅力も多い方法です。
一方、フランチャイズ開業は、フランチャイズ本部である親企業が商標の使用許諾をはじめとした商品・サービスの販売権を加盟店に与え、販売や経営に必要なノウハウの提供・指導を行う開業方法です。
開業から運営までのサポートが受けられるので、商材の購入や広告宣伝などのコストが抑えられるため必要な開業資金が比較的少なくなるほか、企業のブランド力によって高い集客が見込めるなどのメリットがあります。
ただし、加盟店として出店することになったあとは、フランチャイズ本部へ加盟料やロイヤリティを支払う義務が生じます。
引用元
独立行政法人中小企業基盤整備機構:ビジネスQ&A:フランチャイズの特徴とその仕組みを教えてください。
年齢を重ねた美容師がさらに活躍する方法
年齢を重ねた美容師は、キャリアチェンジや独立以外にも、さまざまな方法で活躍することができる職業です。ここでは、美容師がさらに活躍できる方法を紹介します。
業務委託契約をして働く
業務委託とは、サロンから業務を請け負う個人事業主として働く方法です。サロンと美容師が雇用関係ではないことから、自由に働けるケースが多いとされています。
報酬形態も契約によって決まり、契約の多くは売上に対して決められた割合の金額を受け取ることが可能な成果報酬型です。
その割合は40〜60%とも言われており、売上を上げれば上げるだけ高報酬を受け取れることや、開業するよりも経費を抑えて独立できるといったメリットがあります。
しかしその一方で、業務中にケガをしても労災が適用されないほか、休業補償が受けられないといったデメリットもあるので注意が必要です。
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フリーランスの美容師とは? 3つの働き方を紹介|フリーランスで働くメリット・デメリット
介護美容師として働く
介護美容師とは、介護が必要な方や障害のある方の自宅・病院・福祉施設などを訪問し、美容施術を行う美容師のことです。高齢化が進むこれからの日本にとって、活躍の場が広まる職種の一つです。
施術する対象の方は、高齢者や障がい者。きめ細やかな配慮が求められることも多く、40代以上の美容師の需要が高いと言われています。介護美容師については下記記事で詳しくまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
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介護美容師として働くために必要な資格とは?資格の取得方法や費用について解説
ヘアメイクアーティストとして働く
ヘアメイクアーティストとは、ヘアアレンジやメイクアップが必要な企業に所属するほか、フリーランスとして依頼を受けて働くこともできる職種のことです。
雑誌や広告などの出版関係のほか、芸能界、化粧品メーカーに勤務することもできるので、多方面で活躍可能な職種と言えるでしょう。
ヘアメイクアーティストについては下記記事で詳しくまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
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思い切って違う職種へ転職する方も
美容師免許を活かしてジョブチェンジする方も少なくありません。興味のある職種ややってみたかった職種があれば、年齢を一つのターニングポイントとしてチャレンジしてみてもよいでしょう。
これまでの美容師としての経験や美容に関する知識が活かせる職業を紹介します。
アイリスト
アイリストはまつげパーマやまつエクなど、目元の施術を行う職業。施術を行うには国家資格である美容師免許が必要となることもあり、美容師から転職する方も少なくありません。
なお、一般的にも定着している「アイリスト」という名称は有限会社ローヤル化研により商標登録されています。そのため、承認なく「アイリスト」と名乗ることはできないことも知っておきましょう。
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ネイリスト
ネイリストは爪の手入れやカラー、ネイルアートなどの施術を行い、爪を美しく整える職業。
ネイリストになるための必須資格はないため、美容関連の職業のなかでは目指しやすい職業と言えるでしょう。民間の資格はいくつかあり、自らのスキルアップや就職の際に、知識や技術の証明として役立てている方もいます。
ネイリストの活躍の場はネイルサロンのみにとどまらず、ネイルのメニューを提供している美容室やエステなども選択肢としてあります。
引用元
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エステティシャン
エステティシャンは、フェイシャルトリートメントやボディケア、美容脱毛など全身のさまざまな部位に美容のための施術を行う職業。手技による施術のほか、化粧品や機器を用いた施術も行います。
必須となる資格はなく、未経験歓迎の求人も少なくありません。専門学校や養成施設で知識や技術を習得してから就業する方もいれば、社会人や主婦から未経験で就職し、サロンでの実際の仕事を通して技術を身につける方もいます。
引用元
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エステティシャンとは?おすすめの資格や仕事内容、エステティシャンになる方法や給料など徹底解説 | モアリジョブ
美容部員
美容部員はデパートやドラッグストアなどで、化粧品の販売を行う職業。お客様の希望を聞いたうえでメイクやスキンケア方法を伝えたり、実際に商品の使い心地を試してもらったりしながら、商品を販売します。
美容部員のほか、ビューティーアドバイザー(BA)や化粧品販売員と呼ばれることもあります。
引用元
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美容部員とはどんな仕事?なる方法や美容部員に向いている人について紹介
自分にぴったりの転職先を探すには?
美容師としての働き方を変える場合も、ほかの美容関係の職業へ転職する場合も、まずは求人情報を探すことが必要です。
自分に合った求人を探す方法を2つ、紹介します。
1. 転職エージェントを利用する
転職エージェントは転職希望者と求人を行っている企業とをつなぐサービス。登録し、自分の希望を伝えることで、エージェントの担当者から希望に沿った求人を紹介してもらうことが可能です。
アイリストやネイリストなどへの転職を希望する場合は、美容業界に強いエージェントがおすすめです。
2. 求人サイトで探す
インターネット上で求人情報を検索できる、求人サイトを利用する方法もあります。働きたい職種名やエリアなど、自分の希望を入力することで簡単に検索ができる点が魅力です。
求人サイトには、あらゆる職種を取り扱う総合型の求人サイトもありますが、美容関連の求人を探すなら「リジョブ」のように美容に特化した求人サイトの利用がおすすめです。
「リジョブ」は絞り込み検索の条件に美容ならではの項目が充実しているため、希望に沿った求人が探しやすくなっています。また、会員登録しておくことで、企業から直接スカウトを受けられる可能性もあります。
美容師の履歴書で押さえておきたいポイントとは?
履歴書を作成する際には、古い履歴書を使いまわすことは避け、応募先に向けた具体的な内容となるよう作成しましょう。作成後には、記入ミスがないかを確認するための見直しも大事です。
志望動機には、「なぜその職業を選んだのか」「その職業のなかでもなぜその職場を選んだのか」が伝えられるとよいでしょう。また、美容師として身につけてきた知識や経験を、応募先の職場で活かせることを積極的にアピールすることをおすすめします。
基本的な履歴書の書き方や好印象を与えるためのポイントについて詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてください。
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美容師の履歴書の書き方を詳しく解説|志望動機の例文やアピール方法、注意点や面接のポイントも紹介
面接で好印象を与えるには?
身だしなみはもちろんのこと、基本的な面接のマナーは事前に確認しておくことをおすすめします。
また、聞かれやすい質問にはあらかじめ答えを用意しておくことも大事です。自己紹介や志望動機、転職理由などは、どの職業でも聞かれる確率の高い質問と言えるでしょう。
応募した職業が美容師の場合は「どのような美容師になりたいか?」といった、ビジョンに対する質問も想定し、答えを準備しておきましょう。
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美容師の面接|面接の流れやマナー、質問の意図や回答のポイントを紹介
美容師は年齢を重ねてもさまざまな方法で活躍することが可能!
年齢を重ねた美容師は、そのままサロンで働き続ける以外にも、新たな可能性を見つけ、独立したりキャリア(ジョブ)チェンジする方も少なくありません。
特に美容師免許はさまざまな職種で必須とされていることも多く、上手に活用すれば幅広い職種に就けるなど、ジョブチェンジにも有利に働く強い武器とも考えられます。
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