接客ではバックボーンを語る!『Chara』の仕事術に迫る
髪にお悩みを抱える方々から絶大な信頼を得ている『Chara』。多くのお客さまが長年サロンに通い続ける理由は、接客スキルの高さにあると言います。その良質なサービスの秘密について「商品知識などの共有を徹底しているので、どのスタッフが担当になってもきちんと説明しながら施術ができるからだと思います」と、総店長の大西けん太さん。他にも『Chara』が人気店に成長した陰には、サロンの強みを的確に届ける発信術や商品のバックボーンを説明した接客がありました。
後編では、再来につなげるコツや発信のこだわりを伺いました。
SNSに頼らない発信術とは?
————発信面はどのように取り組んでいますか?
「活用しているツールはブログとインスタグラムで、ブログには特に力を入れています。現在は、2種類のブログを運用しており、1つ目がホームページのトップに表示されるブログです。内容は、季節のお悩みをはじめおすすめのスタイルなどを紹介しています。
もうひとつが『AVEDAの魅力』というタイトルのブログです。新製品の紹介から『AVEDA』にまつわる豆知識まで、詳しく解説しており『メーカーのページよりも深い情報を届ける』を目標に掲げて、成分情報などはかなり詳細を記載しています。
ちなみに、数年前に集客の経緯を分析したことがあり、結果は『AVEDA』のページからの流入がもっとも多いとのことでした。ブログの更新ペースは毎日ですが、担当はスタッフ全員で持ち回りなので、それほど負担はありませんね」
————SNSは、どの程度力を入れているのでしょうか?
「SNSにはそれほど力を入れていません。『Chara』のアカウントを訪れた方は、サロンを探すためにチェックしているとは限りませんし、池袋に来られる距離にお住まいではない確率も高いと思います。
ターゲットが明確に分からず『効果を発揮することはかなり難しいかな』と。現在はSNS集客が主流だとよく聞きますが、おそらく成功しているのは本当に一握りです。そして、その方々が目立っているから『SNS=宝の山』という認識が広まっていると感じています。
そのため、『Chara』では『新規集客目的のツール』というよりも『メンバーさまをヘビーユーザー化するツール』としてSNSを活用しています。
『ヘビーユーザー化するツール』は、『お客さまに、よりファンになっていただくための手段』と、言い換えてもよいかもしれません。サロンのアカウントをフォローしてくださると、日常的に『Chara』の情報が入ってくる状態になります。つまり私たちのことを思い出してくれる可能性が高まり、美容室選びに迷っている友人に会った時に、ご紹介につながるかもしれません。このように『新規集客のきっかけになればよいな』と思っています」
製品のバックボーンを説明する接客術でリピート率を上げる
————リピートを生むために、心掛けていることはありますか?
「シャンプーとマッサージを大切にしています。口コミでも、よく高評価をいただいているので再来生んでいる要因の1つですね。そのため、たとえ混んでいても時間をとってしっかりとほぐしています。
また、接客時に製品のバックボーンを説明することも意識しているポイントです。とくに『AVEDA』の商品には、開発に至るまでそれぞれストーリーがあるので、『この商品は○○産の成分が使われていて、現地の方とはフェアトレードをしています。だから経済支援にもなっているんです』など、背景まで話しています。
お客さまは、『商品についてきちんと理解して施術をしてくれている』と感じて安心しますし、『自分もその国に貢献している』とポジティブな気持ちにもなりますからね」
深夜のレッスンをなくし、若手のストレスを減らす
————最後に、今後の目標を教えてください。
「働きやすい環境を整えていきたいですね。『Chara』では3年ほど前から働き方改革を進めており、教育体制などを大きく変えました。現在は、すべての練習を営業時間内に行い、アシスタントは深夜まで残ることなく必ず定時で帰宅しています。
最初は難しいと思いましたが、実際に取り入れてみるとデビューまでの期間は変わらず『効率的でよいな』と。ちなみに離職率も低く、ここ5年間では10%くらいです。派閥などがとくになくスタッフの関係が良好に保てていることが、その理由だと思っています。これからも、チーム一丸となって、お客さまの想像を超えるサービスを届けていきたいですね」
安定した成果を上げる極意
丁寧な接客が印象的だった『Chara』。安定した成果を上げる極意をまとめると、下記の3つでした。
1.サロンの強みを的確に届ける発信ツールを活用
2.商品のバックボーンを説明した接客でリピートを高める
3.残業をなくし、働きやすい環境を整える
海外との交流もあるという『Chara』。2012年には、中国で1週間の『Charaビューティーセミナー』を開催したこともあるそうです。ハイレベルなメニューを体験したい方、空気感のよいサロンの雰囲気を味わいたい方は、サロンに足を運んでみてはいかがでしょうか。
▽前編はこちら▽
ウリは2枚看板のヘアケアメニュー!『Chara』の経営術に迫る>>