時代に左右されない武器を作る!『December』のサロン作りに迫る
「あたたかい技術・人・空間」をビジョンに掲げる美容室『December』。2018年に渋谷に店舗を構えて以来、高い技術力でお客さまから支持を集め着実に成長を続けています。そんな『December』がファンをつかんでいる背景には、お客さまの信頼を築くお悩み解決やあえて美容室っぽさをなくした空間作りがありました。
今回は、代表の北田ゆうすけさんにインタビュー。前編では安定して成果を上げる方法に迫ります。
質感作りで、お客さまのお悩みを解決
————まずは『December』が人気を集めている理由を教えてください。
「時代に左右されない技術を持っているからだと思います。技術でウリにしているのはカットで、業界を見ているとパーマやカラーを前面に打ち出しているサロンもありますが、僕は『流行に影響を受けやすい施術ではないか』と感じていて…。ブームに合わせて施術内容を変える必要があるので、『安定した成果を残すことはなかなか難しいんじゃないかな』と。
一方、カットはいつの時代でも変わらずに必要です。もちろん、流行のスタイルはありますが、ベーシックな技術を身に付けておけば応用して適応することができます。ちなみに技術のなかでも、『質感作り』をとくに意識していることがポイントです」
————なぜ「質感作り」を、意識しているのでしょうか?
「質感をよくすることが、お悩みの解決につながるからです。『お悩みの解決』と聞くと、トリートメントなどのケアを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、質感をよくするだけで多くのお悩みを解決することができます。
たとえば、『思い通りに髪がまとまらない』というお客さまがいらっしゃった時に、髪にダメージがそれほどなければケアの必要はありませんよね。もしかしたら、髪質が堅いにも関わらず毛量が多いだけかもしれないので、その時は量を減らすだけでかなり満足していただけます。
僕は、本当によい質感を生む技術を持っているサロンは、思いのほか少ないと感じているので、差別化を図るためにとても大切かなと。また、サロンではスタイルのコンセプトも作りスタッフ全員で共有をしています」
スタイルのコンセプトは、「クリーン&カジュアル」
————「スタイルのコンセプト」を作っている理由を教えてください。
「『December』の強みをお客さまに伝えやすくするためです。もし、スタッフが完全に自由にスタイルを作っていたら『December』のホームページやインスタグラムを見た時に、お客さまは『自分に合っているサロンかどうか』が分からないと思います。また、『ベーシックなスタイルを作らなければ教育カリキュラムも作れないな』と。
そこで、大きな軸を1つ作り、そこにスタッフそれぞれの個性をのせています。ちなみに、サロンのコンセプトは『クリーン&カジュアル』です」
————なぜ「クリーン&カジュアル」を前面に打ち出しているのでしょうか?
「お客さまがもっとも求めているスタイルだと感じているからです。まず、美容室を訪れるお客さまの多くが『今よりもきれいになりたい』という感情を抱いていると思います。そのため、『クリーン』は大切な要素です。また『カジュアル』は『渋谷』という立地に影響を受けています。僕は以前に表参道で働いていて、渋谷と表参道を比べた時に、渋谷は『フォーマルよりもカジュアルかな』と。客層も、20代~30代の半ばが多いですからね」
長いカウンターの理由とは?
————空間作りで大切にしていることはありますか?
「大切にしているのは、緊張感を少しでもやわらげるために『美容室っぽくしないこと』ですね。そのため、入ってすぐに植木を置きグリーンを多くしています。また、入ってすぐに配置している大きなカウンターもポイントです。あえて、長いカウンターにすることで空間をより広く見せることができて、メーカーさんやディーラーさんと打ち合わせをする時にも、とても役に立ちます。
仕事でいらっしゃる方はほとんどがスーツを着ていて、フロアのなかに正装の方がいると、お客さまは硬くなってしまうかもしれません。カウンターを作れば、業者の方々はカットスペースに背を向けて座るので、お客さまはそれほど気にならないと思います。小さなポイントですが雰囲気作りには大切だと思っていますね」
安定して成果を上げる極意
ピアスなどのアクセサリーも店頭に並んでいる『December』。安定して成果を上げるための極意をまとめると、下記の3つでした。
1.時代に左右されない武器を作る
2.お悩みの解決で、お客さまの信頼をつかむ
3.「美容室っぽくない空間」でリラックスできる雰囲気を作る
後編では、リピートを高める方法に迫ります。
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