こだわりが光る! サロン専売プロダクト名鑑 『marcoplant(マルコプラント)/KAZE』
サロンのこだわりが垣間見える自社開発のプロダクト。配合成分が珍しいもの、パッケージにこだわりがあるもの、開発者の想いが込められているものなど、そのラインアップは実に様々です。
ここでは、各サロンで開発されたプロダクトについて、開発者にインタビューを実施。毎回様々なヘアサロンの専売商品をご紹介します。「自社開発したい!」「他社のこだわりを知りたい!」という方はぜひ参考にしてみてください。
今回は、2009年に誕生した代官山のサロンKAZEが開発した「marcoplant(マルコプラント)」のなかから、シャンプーとトリートメントをご紹介します。
「marcoplant(マルコプラント)」を開発したのは…
KAZE オーナー HIRONARI TERAOさん
美容免許を取得後、表参道、原宿で10年ほど腕を磨き2009年1月にKAZEをオープン。大学時代に専攻していた中国語をはじめ英語でのコミュニケーションも得意。また、サロンワークの他にヘアメイクとしても活躍中。海上や富士山の頂上など、特殊な現場の経験もあり。
「お客さまのアンケートをもとに商品を開発!」
――まず、KAZEはどのようなヘアサロンでしょうか?
KAZEは「ヘアを通してライフスタイルを提供する」サロンです。もう少しかみ砕いて説明すると「退店から次のご来店までの生活を豊かにするサロン」と言い換えてもいいかもしれません。そのために、もっとも力を入れていることがカウンセリングです。
カウンセリングでは、提案というよりも対話を意識しており、たとえば、お客さまが「雰囲気はくしゃくしゃで、少しフワッとした感じがいいです」と言ったとします。
提案の場合は、写真を見せて「このスタイルでどうでしょうか?」と伝えてカットを始めるイメージです。一方、対話は「くしゃっとするためには、ここに空気が入るように切ります。だからこのくらいボリュームがでます。適度なフワッと感も出ますが、もう少し丸みがほしいでしょうか?」と聞いてみます。
すると、「それでお願いします」や「もう少しこうしてください」などの返答をいただくことができるので、これを繰り返していく。「2人で理想の髪型を作る」というと、わかりやすいかもしれません。
また、お客さまの生活を豊かにするためにケアの方法を詳しくお伝えすることも大切にしているポイントです。「セットはワックスではなくてオイルを使ってくださいね。でも、2週間後からはワックスに変えてください。次回のご来店は2ヵ月後に来てくださいね」など、丁寧にお伝えしています。
――これまでに、どのようなオリジナル商品を開発していますか?
これまでにシャンプーが2種類、トリートメント、全身に使えるクリーム、メイク用のジェルをそれぞれ1種類の5種類を開発しました。今回は、そのなかでもとくに人気があるシャンプーとトリートメントについてご紹介します。ちなみにシャンプー、トリートメントに共通するこだわりは、お客さまのアンケートをもとに開発したことです。
――「お客さまのアンケートをもとに開発した」について、もう少し詳しく教えてください。
お客さまから、テスト品を使った感想を詳しくヒアリングしました。当初は身体への優しさにこだわり、飲んでも大丈夫なほどナチュラルな商品を作りましたが、お客さまからは「あまり効き目を感じない」、また「香りがキツすぎる」と。そこで、効果を感じやすくするために泡立ちをよくして、より心地よく使っていただくために乾かす時には消えているほど香りもやわらかくしました。
ちなみに、バブルシャンプーは髪の毛にアプローチをするアイテムで手触りをよくする効果があります。また、スパシャンプーは頭皮にアプローチをする商品で「使用後に、さっぱりして気持ちがいい」という声をよくいただいていますね。
――続いて、トリートメントはどのような商品でしょうか?
トリートメントは、「ネンドトリートメント」という商品名で販売をしており、名前の由来は「粘土」のような固さからきています。あえてハードにした理由は2つあり、まずはコスパをよくするためです。固い状態から伸ばすので少量で広い範囲をカバーすることができ、商品を無駄に使ってしまうことがありません。
2つ目の理由は、ピンポイントにケアをしやすくするためです。テイストがやわらかいと、自然とトリートメントは広がってしまいますが、本来であればダメージがない部分には塗る必要はありません。たとえば、根本は新生毛で健康、中間から毛先がバサバサの場合は下半分だけをケアすればよい。
ハードなほうが必要な部分だけにアプローチをしやすいですから、あえて固い質感にこだわりました。
サロン発のオリジナル商品を成功させる3つのポイント
サロン発のオリジナル商品を成功させるポイントをまとめると下記の3つでした。
1.サロンのコンセプトに沿った商品を開発する
2.お客さまのご意見を商品に反映する
3.コスパと使いやすさにこだわる
オリジナル商品に共通することについて、ご自宅でのケアを楽しんでほしいというTERAOさん。「家でも美容室気分が味わえる商品を目指して開発をしています」と、笑顔で話してくれました。オリジナル商品開発に興味がある方は、ぜひ「marcoplant(マルコプラント)」を体験してみてはいかがでしょうか。