器用貧乏だった過去の経験を総動員して作り上げた「美容師あるある」でフォロワー数7万人に!美容師・イラストレーターTAKUOさん

美容師ならだれでも「わかる!」とうなずきたくなる日常の1コマをシュールに切り取った「美容師あるある」で多くのフォロワーに愛されているのが、美容師・イラストレーターのTAKUOさん。4年前のインスタ開設の初日から大きな反響があり、1週間でフォロワーが1000人、5ヶ月で1万人にまでになり、現在は7万人のフォロワー数を誇ります。

その秘密を伺うと、「このインスタは自分の人生の集大成なんです」と話してくれました。さまざまな原体験を通して、今のスタイルを確立したといいます。

今回お話を伺ったのは…
TAKUOさん

美容師・イラストレーター

山野美容専門学校卒業後、都内2店を経て現在はフリーランス。1枚絵で「美容師あるある」を見せるイラストをインスタに投稿したところ話題を呼び、現在のフォロワー数は7万人を超える。
Instagram:@
takuo_illustrator

原体験は先生の似顔絵イラスト。くすりと笑ってもらうために研究を重ねた日々

共感度の高い「美容師あるある」で人気を集めるTAKUOさんのインスタ

———インスタに「美容師あるある」を投稿し現在は7万人超えのフォロワーがいらっしゃいますが、人気の秘密をご自身ではどのように分析されていますか?

「美容師あるある」は、これまでの自分の集大成といえるかもしれません。「美容師あるある」は初日から大きな反響があり、開設から半年ほどでイラストレーターの仕事がもらえるまでになりました。これだけ見るとすぐに成功したかのようですが、その前まで僕はいわゆる「器用貧乏」というやつだったんです。クリエイティブなことに関しては、なんでも人並み以上にはできました。絵を描くのもそうだし、デザイン、写真や動画、まとめサイトのライティングをしたこともあります。でも一定期間やると、飽きてしまって、また別のことを始めてしまう。ひとつの道を極められないことに悩んでいたんです。でもそれぞれで重ねてきた経験があるからこそ、インスタがバズったのかなと思っています

———今までの経験を生かしてきた集大成・・・。具体的にはどんな経験がいかされているのでしょうか?

自分のなかで一番大きな柱になっている経験は、小学生のときに先生の似顔絵のイラストを描いていたことです。そんな本格的な絵ではなくて、ノートの端っこに書くくらいの、落書き程度のものだったんですけど、そのときに人に見てもらい笑ってもらうことに目覚めてしまって。それで笑ってもらうにはどうしたらいいかを徹底的に研究しました。どのタイミングでイラストを出すかとか、一枚の紙のなかにどれくらい余白を開けて描くかなど、「間」というものが大事だと気づいたんです

———なるほど。今もイラストを描くうえで「間」は大切にされているんですね。

そうですね。美容師あるあるをいかに説得力をもって、いかにシュールに、一枚絵で見せていくかを考えながら、アングル、ちょっとした表情筋の動きひとつにまでこだわりながら、仕上げています。

絵を描くことも、写真もデザインも全部そうだと思うのですが、クリエイティブというのは自分や人から見た違和感をとっていく仕事です。クリエイティブというと足し算のイメージを持っている人が多いですが、僕は引き算の末に完成するものだと思っています。これもイラストを描くときに大切している感覚です。

仕上がりイメージの共有とターゲティングの徹底で、モデハン応募が0から100へ!

構図、アングルなどとことんこだわっているというTAKUOさんのイラスト

———インスタの前にもSNSの運用をやられたことはありますか? 

集客の目的ではないのですが、アシスタント時代にカラーモデルさんをmixiで募集したことはあって、このときの体験もインスタの運用に大きく影響しているかなと思います。僕が働いていたサロンでは、街にでてモデハンをしないといけなかったのですが、あまりにも人見知りすぎて声をかけることができなかったんです。こんなことでつまずくわけにはいかないと思い、mixiのカラーモデル募集コミュニティに参加することにしました。そうすれば人見知りでもモデルを集めることができると思ったんです。ところが僕の募集には一切反応がありませんでした

———そこからどうされたんでしょうか?

反応がよく、モデルをたくさん集めている方を徹底的に研究しました。その結果、自分のところにくればどういう仕上がりになるのかを想像させること、さらにターゲットをしぼることを徹底しているんだと気づきました。また文字のバランス、ワードセンス、画像の使い方など、間とバランスを使い分けながら注目が集まるようにしていると気づいたんです。そこで自分も徹底的に意識して投稿したところ、一投稿に100人くらいの反応がつくようになりました。この経験によってSNSで注目を集める方法を確立できました

———なるほど・・・。ちなみにインスタは集客用に始めたのでしょうか?

いえ。子どものときのように、ただ純粋にイラストを描きたいと思ったんです。顔出しもしていないですし、たまに「私の髪を切ってもらえませんか」と問い合わせがくることもありますが、イラストレーターと美容師は完璧にわけたいので、すべてお断りさせていただいています。あとは単純に顔出ししないのって格好良いなと思っていて(笑)。人前に出るときは帽子とマスクをして、目元しか見えないようにしています。

違和感のある方向には進まない

イラストについてだれかに習ったり学校に通ったりしたことはないというTAKUOさん。さまざまな経験を通してイラストを確立してきたそう

———今のお仕事はイラストが多いのでしょうか?

以前から担当している15名くらいのお客さまを美容師として担当させていただいている以外は、イラストやそれに関連する仕事がほとんどです。インスタの投稿を始めてから半年ほどで、美容雑誌の連載をもらったり、出版社さんから声をかけていただき出版が決まったりと、美容師以外の仕事が一気に忙しくなったのですが、美容師の仕事も好きでやめたくないので、フリーランスになりました。

———いろいろなお仕事がTAKUOさんのもとにきているとのことですが、イラスト関連の仕事をするときに心がけていることはありますか?

違和感のあるほうには進まないということを心がけていますね。出版のお話をいただいたときにも、それまでインスタに発表していたものをまとめるとおっしゃったので、違和感を覚えてしまって、「いや、全部描き下ろします」と伝えたんです。出版社の方としては僕に余計な作業が発生しないように気を遣ってくださったのだと思いますが、SNSで無料で読めるものを、お金を出して買うことはないだろうなと思ったので。「美容師あるある」という柱は同じでも、違うネタを描き下ろしました。

僕は今インプットをやめるようにしていて、そのせいなのかものすごく感覚がするどくなっているので、違和感には敏感になっています。


TAKUOさんのインスタが初日からバズった3つの理由

TAKUOさんのインスタが初日からバズった理由は以下の3つでした。

1.小学校時代の先生の似顔絵イラストで「間」をつかんだ

2.モデハンに苦戦した過去から、SNSで注目を集める方法を学んだ

3.違和感を削る、引き算のイラストを確立した

後編では、取材中に飛び出したTAKUOさんの「インプットはしない」という生き方について掘り下げていきます。インプットをすることこそが学びであり、成長のためにインプットを続けなければいけないと考える人も多いなか、なぜインプットをしないと決めたのでしょうか。そこから見えてきたのは常識を疑い、自分の感性を磨き続けるストイックな姿でした。

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