ヘアカットにはどんな種類がある? 特徴とテクニックを覚えてスキルアップを目指そう
美容室やヘアサロンにおいては、お客様にとって居心地の良い接客と雰囲気を大切にすることはもちろん、お客様が希望する髪型をデザインするヘアカット技術が重要です。
この記事では、ヘアカットの具体的な種類や特徴、覚えておきたい基本的な髪型、美容師が覚えておきたいヘアカットの方法について解説します。
美容師の方で、あらためてヘアカットの種類や特徴について確認しておきたい方は、参考にしてみてください。
ヘアカットの種類と特徴を紹介!

美容室やヘアサロンで働く美容師にとって、ヘアカットの種類と特徴について確認しておくことは重要です。この章では、一般的なヘアカットとそれぞれの特徴を知って、お客様に提供するヘアカットについて考える際の参考にしてみてください。
1. レイヤーカット
レイヤーカットとは、髪の生え際に近づくにつれて短く、毛先に近づくほど長くなるように、上下でいくつものレイヤー(層)を作りながら、ヘアスタイルを整えるヘアカットです。
見た目にボリュームがありつつも、毛先が軽く、ワックスでヘアスタイルをデザインしやすい髪型を作れるのがポイントだといえます。また、顔周りの印象が軽くなるので、小顔効果も期待できるでしょう。
2. ブラントカット
ハサミを髪と垂直になるように横に入れて、毛先が真っ直ぐ横にそろうようにするヘアカットです。ボブカットやストレートヘアー、ワンレングスなどのヘアスタイルに使用され、ヘアスタイルにメリハリをつけたい時に使えるヘアカットだといえます。
3. グラデーションカット
グラデーションカットは、髪の生え際に近づくにつれて長く、毛先に近づくほど短い、ヘアスタイルに細かい段差や毛先に傾斜をつけられるヘアカットです。丸みがあり、柔らかな印象を与えられるので、ボブカットやショートカットに向いています。
4. シャギーカット
シャギーカットは、毛先に向かってスキバサミやカミソリで毛量を調節し、あえて毛先をふぞろいにすることで、ナチュラルな印象を与えられるヘアカットです。全体的な毛量をへらせるので、毛量の多さで悩んでいるお客様にぴったりのヘアカットだといえるでしょう。軽やかでラフなスタイルになるので、ボーイッシュなヘアスタイルに向いています。
5. スライドカット
スライドカットは、髪の毛の根元から毛先までハサミをすべらせて、毛量を調節するヘアカットです。全体的に毛量が多くて、「ヘアスタイルが重く見える」と悩んでいるお客様に対して、毛量が少なく軽やかなヘアスタイルを提供できます。
ワックスやスプレーでスタイリングをしなくても、自分が希望するヘアスタイルに整えやすい髪型を作れるのが特徴です。
6. ストロークカット
ストロークカットは、髪を持ち上げながら毛先に向かうにつれて細かく切り込みを入れていくヘアカットです。髪の毛の表面の毛量を残して、内側の毛量を少なくするので、より毛先のヘアスタイルを作りやすくなります。
髪の毛が内巻きになりやすいので、よりふんわりとした印象を与えられるようなボブヘアーやショートカットを作りたい時に使えるヘアカットです。
7. レザーカット
レザーカットは、ハサミの代わりに、かみそりで毛先を削るようにそるヘアカットです。かもそりで髪の表面をすべらせてカットするので、毛先がななめに細く、ナチュラルな仕上がりになるのがポイントだといえます。
しかし、かみそりでカットする分、髪の毛が受けるダメージが大きく、枝毛の原因になってしまうこともあります。そのため、使用する場面は慎重に考えるべきでしょう。
8. セニングカット
セニングカットは、特定のスキバサミで毛量を調節するヘアカットです。髪の毛全体の毛量を調節したい時に使われる「インナーセニング」、ヘアスタイルに動きを出したい時に使われる「ライトセニング」など、毛量と目的によってセニングの方法は変わります。
各種のヘアカットをする際の基礎的な技術になるので、使い方と使用する場面について、しっかりとおさえておきましょう。
9. ポイントカット(チョップカット)
ポイントカット(チョップカット)は、髪の毛の束を縦方向にカットすることで、毛先をふぞろいにして、軽やかな印象のヘアスタイルを作れるヘアカットです。
毛先を遊ばせてボーイッシュな雰囲気にしたり、明るく華やかな印象のへアスタイルにしたりと、手軽に日々のヘアスタイルを作りたい方におすすめだといえます。
10. エフェクトカット
エフェクトカットは、ハサミを細かく上下に動かしながら、髪の毛量の調整を行うためのヘアカットです。髪の毛の束を持ち上げて、落としながら細かくハサミを入れます。
髪の毛にランダムに切り込みを入れることで、軽い印象を与えるヘアカットになり、全体的に柔らかい印象を与えられるでしょう。
テクニックを駆使して作る2つの髪型を紹介

一般的なヘアカットの特徴についてみてきたところで、今度はヘアカット技術を駆使して作れる代表的な髪型を2タイプ紹介します。具体的な髪型を知って、どのような髪型を作る際に、どのようなヘアカットを活用していくべきか考えてみましょう。
ウルフカット
ウルフカットは、髪型の上部を丸みのあるマッシュルームカットにし、下部にレイヤーカットを取り入れて、軽めな印象の髪型を作れるヘアカットです。オオカミのような軽やかな毛先の髪型に仕上がることから、「ウルフカット」と呼ばれています。
マッシュルームカットを全体的に軽めに仕上げる「エアリーウルフボブ」やレイヤーカットで髪型を変えずに毛量の調節をすることで、印象をがらりと変えられる「ソフトウルフ」など、幅広いヘアカットのバリエーションが特徴です。
ボブカット
ボブカットは、髪の毛の長さが肩くらいまでの長さで、全体的に丸みのあるヘアスタイルが特徴のヘアカットです。髪の毛の生え際に近づくにつれて長く、毛先に近づくにつれて短くなります。しっかりとまとまりのある印象の髪型を作れます。
ボブカットにはさまざまな種類があり、髪の長さが一番短い「ショートボブ」、髪型のレイヤーが均等に見える「ワンレンボブ」、毛先をブラントカットで直線的にカットした「切りっぱなしボブ」など、実に種類豊富なボブカットが存在するのが特徴です。
ドライカットとウェットカットとは?

これまで紹介してきたようなヘアカットを大きく分けると、ドライカットとウェットカットの2種類に分類できます。この章では、これらのヘアカットの特徴と違いについて見ていきましょう。
ドライカットとは?
ドライカットとは、文字通り、髪の毛が乾いた状態でヘアカットすることです。髪型が乾いた状態で全体のバランスをチェックしながらカットできるので、お客様の髪質に合った髪型を作れ、完成後の仕上がりも予想しやすいです。
ただし、ウェットカットと比較すると髪の毛が傷みやすく、細かいスタイリングをしていると、ヘアカットにかかる時間が長くなることも多いでしょう。
ウェットカットとは?
ウェットカットは、シャンプーの後や霧吹きなどで、髪の毛が濡れた状態でヘアカットすることです。髪の毛へのダメージをおさえたい場合や、直線的な毛先にそろえたい場合などに使えるヘアカットだといえます。
ただし、髪が濡れた状態でのヘアカット・スタイリングになるので、髪が乾いた後のヘアスタイルに違和感が生まれないように注意しなければなりません。
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この記事では、美容師が美容室やヘアサロンで提供するヘアカットの種類や特徴、具体的に作れる髪型、ヘアカットの2つのタイプについて解説しました。
お客様が理想とする髪型を完成させるためには、いくつものヘアカットを組み合わせながら、完成形の髪型に近づけていく必要があります。
お客様が求める髪型を作るヘアカットの組み合わせをいくつも想定して、本当に満足度が高いヘアカットサービスを提供できるようにしましょう。