周囲への真摯な対応力が面接通過のカギ! 一緒に働きたいと思われる行動を【七五三掛 慎二さん】#3
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
メンズサロン界トップクラスの人気を集める「OCEAN TOKYO」。前回に引き続き、トップスタイリストとして活躍しながら、人事にも携わっているOCEAN TOKYO WHITE代表の七五三掛(しめかけ) 慎二さんにお話を伺います。
第3回目は、二次試験の面接、三次試験のサロンワークについて。なんとOCEAN TOKYOは、在籍しているスタイリスト約50名も面接の様子を確認するのだとか。その詳しい経緯や面接&サロンワークで見ているところをお聞きします。
※直近で行われたフローをもとに取材をしております。年ごとに都度変更・調整がある場合がございます
お話を伺ったのは…
OCEAN TOKYO WHITE 代表 七五三掛 慎二さん

OCEAN TOKYOのオープニングから在籍。本店の店長を経験後、OCEAN TOKYO WHITEの代表に就任。今もなおプレイヤーとして第一線を走り続けながら人事にも携わっている。
面接はグループディスカッションを実施。自己分析と照らし合わせ評価
――まずは二次試験の面接について。
最初に在籍しているスタイリスト全員が面接に関わると伺いました。
厳密には面接当日ではなく、あとから行う確認作業に関わってもらっています。
実は面接官が判断に悩んだときに確認をするために、二次試験の面接の様子を記録として残すために撮影していて。どの性質に分類されるのか、判断に迷ったときは在籍しているスタイリストたちに映像を確認をしてもらっています。独りよがりな判断で不採用とはしたくないので、そのために、導入した仕組みなんです。
――二次試験の面接の流れをお聞かせください。
面接官2人に対して学生は5人ずつ1つのグループを作り、集団で面接を行います。
内容は普通の面接とは少し変わっていて、グループごとにディスカッションをお願いしています。だいたい2つのテーマを出題し、話し合っている様子を面接官が見させてもらう構成です。
――出題しているテーマの一例を教えてください。
「上手になるワインディングの方法は?」など、抽象的で答えのないものを中心に出題しています。
――抽象的なお題にしているのはなぜ?
ここで見ているのはお題に対する答えではなく、1つのテーマに対して向き合う姿勢や思考です。それぞれの人のアプローチ手段を見て各店舗とのマッチングを考えているため、ディスカッション時の立ち回り方は特に注目しているポイントになります。
また、このときに照らし合わせているものが、履歴書にある「A・B・C・Dの自己分析」の項目。履歴書に書いていた自己分析結果と実際の話し合いの際に見たときの印象を見比べてズレがないか確認しています。
サロンワークはこなした業務よりも周囲との関わり方に注目が
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――三次試験に行うサロンワークのフローをお聞かせください。
2日間に分けて業務を行ってもらうのですが、1日目の業務終わりに面接を行い、2日目の終わりに1分間の自己PRをしていただく流れになっています。
――1日目の面接ではどんな質問を?
実際に働いてみた感想のほかに必ず聞いているのは、その場にいた他の学生の動きについて。例えば「右隣の人の良かった動きを教えて」だったり「今日一番だと思う人は?」といった質問を必ずしています。
2日目もだいたい先述した通り、サロンワーク終了後は1分間の自己PRをお願いしています。
――サロンワークで見ているところは?
業務への達成度も大事ですが、お客様やスタッフに対しての対応を一番気にして見ています。お客様を満足させるために考えて行動ができたり周りを見て動ける人は、印象が良いですね。業務についてできたことやできなかったことではなく、目配り・気配りといったところが見たいと思っています。
もっと言うと、「ちょっときつい」と思うところまで経験してほしい気持ちもあります。多くの学生にとって働くことは慣れていないこと。立ちっぱなしで疲れていたとしても、お客様やスタッフの前では笑顔でいなければいけないんです。でもそういうときこそ、人の本性は出るものじゃないかなと。何より、入社後のギャップが生じないためにも必要な経験だと捉えています。
一緒に働いたらおもしろそうと思われれば通過の可能性アリ
――面接、サロンワークと見てきた結果、ピンと来る人の特徴は?
周囲の人へ気配りができていて、一緒に気持ち良く働ける人です。サロンワークに対して不安に感じたことがあった人でも、サロンにとってプラスになる要素があると感じれば、採用する場合もあります。
シビアな話をしますが、どうしてもマニュアル的観点から良いと思う人から先に名前が挙がってしまうので、そこから漏れてしまうと人数制限的な部分でお見送りになってしまいます。ただ、ここで諦めてしまうのは早くて。もし、新卒採用試験に落ちてしまっても何かしらのことで修行を積んで中途採用の試験を受けに来てもらえたら嬉しいです。むしろ、中途採用試験を受けて採用される方が多いくらい。やむなくお見送りしているケースはとても多いので、何度でもチャレンジしてもらえると嬉しいです。
採用の確率がアップする面接のポイント
1.課題へのアプローチ手段をアピールする
2.技術よりもお客様やスタッフに対しての姿勢が重要
3.決して弱音をはかず、自分のベストを尽くす
取材・文/東 菜々