【見本あり】美容師の職務経歴書を徹底解説|記入項目や記入するときのポイントとは?
一般企業では転職のとき、履歴書とあわせて職務経歴書を提出するのが基本です。美容師でも、応募する企業やサロンによっては、職務経歴書が必要になることがあります。
履歴書を記入したことはあっても職務経歴書は書いたことがないという人や、転職活動がはじめての人にとっては、戸惑うこともあるかもしれません。
そこでこの記事では、美容師の職務経歴書を徹底解説します。記入項目や記入するときのポイントとあわせて、見本も掲載していますので、職務経歴書を作成するときの参考にしてください。
職務経歴書とは? 履歴書とは何が違うの?
職務経歴書とは、これまでに働いてきた企業やサロンでどんな業務を担当したか、どんな経験があるのかを記し、自分の能力や実績を伝えるための書類です。
履歴書にも職務経歴を記入する欄が設けられていることがありますが、職務経歴書の提出を求められた場合は、より詳細に記述して自分をアピールしましょう。
職務経歴書を作成するときの基本的なポイント
職務経歴書を作成するときにおさえておきたい基本的なポイントは、次の4つです。
1. A4用紙1~2枚でおさめる
2. 手書き・PC作成どちらでも可
3. 日付や氏名の記入を忘れない
4. 誰が見ても分かる言葉を使う
それぞれどういったことに気をつけたらよいか、解説していきます。
1. A4用紙1~2枚でおさめる|要点を端的にまとめる
職務経歴書は、縦向きのA4用紙1~2枚に、横書きで記入します。要点を端的にまとめ、情報量が少なすぎたり多すぎたりしないよう、注意してください。
タイトルや項目の見出しを作ると、ひと目で何について書いているか分かります。PCで作成する場合は、見やすいフォントを選ぶ・文字の大きさに気を配る・強調したい部分は太字にするといった工夫をこらすことで、読みやすさがアップするでしょう。
2. 手書き・PC作成どちらでも可|おすすめはPC作成
記入方法は、手書き・PCでの作成のどちらでもかまいませんが、応募先からの指定があれば、かならず指定の方法で作成しましょう。
とくに指定がなければPCでの作成がおすすめです。修正や情報の更新が簡単にでき、保存すればほかのサロンへの応募にも活用できるというメリットがあり、PCスキルのアピールにもなります。
手書きで作成する際は、誤字や脱字があったら修正テープなどは使わず、最初から書き直しましょう。
PCに自信がない人は、あとから紹介するフォーマットに沿って作成する方法や、ウェブ上にあるフォーマットをダウンロードして作成する方法もあるので、活用するとよいでしょう。
誤字・脱字のミスや応募先にそぐわない内容がないか、しっかりチェックすることが大切です。
3. 日付や氏名の記入を忘れない
職務経歴書のタイトル右下には、日付と氏名を忘れず記入してください。和暦・西暦は、全体を通してすべて統一し、日付は提出日を記載。
面接時に持参なら面接の日付を、事前に郵送する場合は、ポストに投函する日付を記入するようにしましょう。
4. 誰が見ても分かる言葉を使う
職務経歴書は社内用語や略称などは使わず、誰が見てもわかるような伝わりやすい言葉を選ぶことも大切です。企業名やサロン名も正式名称で記入し、「(株)」などの略称は使わないでください。
職務経歴書の項目とは?
では、職務経歴書にはどんな内容を書く必要があるのか、下記で主な項目と内容を押さえましょう。
1. 職務経歴の概略|要約して書く
「職務経歴の概略」もしくは「職務経歴の要約」の項目には、下記のような内容を要約して記入します。
・企業名(サロン名)
・雇用形態
・在籍期間(勤務開始日~退職日)
・企業の規模(資本金やスタッフ数など)
・担当部署やポジション
2. 職務経歴|自分に合った方法を選ぶ
「職務経歴」の項目には、具体的なポジションや担当した業務内容を書きます。
時系列順に記す「編年体式」が一般的ですが、反対に現在から過去に向かってさかのぼる「逆編年体式」や、職種や業務内容ごとに記述する「キャリア式」という方法もあるので、自分のアピールポイントなどを考慮して書き方を決めてみてください。
3. 所属歴|勤務した店舗
「所属歴」として、どこの店に勤めていたか、どれくらいの期間在籍していたのかも記入しましょう。人気店や有名なサロンであれば、採用担当者の興味を惹くことができます。
4. 実績|受賞歴など
「実績」としては、コンクールの受賞歴や売上アップに貢献したことなど、これまでの仕事で残した功績を記入します。
受賞歴の場合はコンクールの日付・名称・賞の名前、売上の場合は実際にどれくらい上げたか(%)・指名数・リピート率など、具体的な事柄や数値がわかると信用度も高まるでしょう。
5. 保有資格|美容師免許など
美容師免許以外にも、着付け・メイク・カラーセラピーなど、美容に関連する資格を所持している場合、ぜひ「保有資格」として記入しましょう。取得した年月も忘れずに書きます。
6. 自己PR|自分自身の強み
「自己PR」として、自分が持っている強みやこれまで身につけてきたスキルなど、アピールポイントを伝えます。スタイリングやデザインのセンス・コミュニケーション能力・接客時のこだわりなどを具体的にPRしましょう。
おさえておきたい書き方のポイント
前章では職務経歴書の各項目の内容について解説しました。つづいては、職務経歴書を書くときのポイントをチェックしましょう。
1. 職務経歴の概略(要約)は一目で分かりやすいように
採用担当者は忙しいなか時間を割いて面接を行うため、冒頭に職務経歴の概略欄にこれまで美容師としてどのような働きをしていたのかを書き、最初の時点で知ってもらうことが大切です。
概略を見て少しでも興味を持ってもらうことができたら、その後に続く仕事内容や自己PRにじっくりと目を通してくれる可能性が高くなります。
なお、長文にしないことを意識してください。要約はあくまでも要約なので、コンパクトに分かりやすく書くことが鉄則です。長くても300文字までにして、それ以上は超えないよう注意しましょう。
書き始めは、いつ、どこのサロンで、どのように勤務していたかを書きます。新卒であれば、「新卒で〇〇サロンに入社」などです。つづけて、アシスタントを何年務めたか、スタイリストとして勤務中であることなども記載します。
その後は、自分の働く姿勢や実績について簡潔に書いていきましょう。リピート率はどれくらいだったか、後輩への指導は行ったかなどを書いてまとめるのがベストです。
2. 所属歴は詳細に
勤務先と所属歴は、できるだけ詳細に記載することが重要。勤務先と所属歴を細かく書くことによって、これまで美容師として働いてきた経験を知ってもらうことができるためです。
勤務先のサロンが数店舗展開している場合は、サロン名のあとにどこに何店舗展開しているかを書きましょう。そして、顧客層や1店舗当たりの従業員数(スタイリストとアシスタントそれぞれ)を書きます。
所属歴は、入社した年月日と退社または異動した日付を記載し、アシスタントからスタイリストに昇格した日付も忘れずに書いてください。間違いのないように記入し、自分が美容師として歩んできた道のりを正確に伝えましょう。
3. 仕事内容は箇条書きにしよう
採用担当者は美容師の仕事内容を把握しているので、長々と書く必要はありません。文章にする必要もないので、サラッと箇条書きでまとめてください。
ただし、どんな細かい業務でも、自身の経験を伝える大切な要素になるため、漏れなく記入しましょう。
お客様への施術・電話応対・予約管理・備品管理・後輩への技術や接客面での指導・開店準備・閉店作業などが一般的です。
4. 実績でもアピールしよう
実績欄は、自分のスキルを伝えるのに有効です。採用担当者の興味を惹くことができますし、信頼を与えることも可能でしょう。
前でも述べたように、実績はデータや数値の有無で信用度が大きく変わります。明確なデータや数値があれば、実績を裏付ける確かな証拠となるため、細かく記載するようにしましょう。
さらに信ぴょう性を高めるためには、実績を取るまでにどれだけ努力をしたのか、どのようにして取ったかなど、その過程も重要です。採用担当者に質問された際にはっきりと答えられるように、シミュレーションしておくと良いでしょう。
5. 美容師の仕事に役立つ資格を書こう
美容師の仕事に活かせる資格を持っている場合は、資格欄に記載すると良い印象を与えることができます。着付けやメイクアップ関連の資格を持っていると転職の際に有利です。
また、フェイシャルエステティシャンやジェルネイル、アロマテラピーといった資格を持っていると、エステサロンやトータルビューティーサロンへの転職の際にアピールできます。
PCや語学関係の資格を持っている場合も忘れずに記載してください。エクセルの資格を持っていれば、顧客管理や売上管理ができることを伝えられますし、英語の資格を持っていれば外国人にも対応できることをアピールできます。
6. 自己PRで自分の強みをアピールしよう
自己PRの項目は、職務経歴書のなかでも最大のアピールポイントです。以下で何をPRすればいいのかを紹介します。
技術力
これまで美容師として働いて身につけたスキルをアピールしましょう。実績がある人は、「実績」の欄で記載した内容について、どれだけの技術力があるのかを書いていきます。
受賞歴がなかったとしても問題はありません。技術面で自信があるポイントや強みを積極的に示すことが大切です。
勤務時間以外に取り組んでいることなどをアピールするのも、良い印象を与えることができるでしょう。独自に顧客ノートを作成している、休日にもセミナーに参加して技術力アップを図っているなどが一例です。
美容師になってからまだ日が浅いという人は、美容師に対する熱意をアピールすると良いでしょう。
コミュニケーションスキル
美容師は接客業なので、コミュニケーションスキルは外すことができません。日々、さまざまなお客様を相手にする仕事のため、面接で重要視されることもめずらしくないでしょう。
潜在的なニーズやコンプレックスを読み取りお客様が満足するスタイリングができた、店舗で実施しているアンケートで満足度が高かったなどのエピソードがあると良いです。
これまで培ってきたコミュニケーションスキルをアピールできるような自己PRを目指しましょう。
マネジメントスキル
全体を取り仕切る人の存在はサロンには必要不可欠なので、マネジメントスキルをアピールできると採用担当者への印象は良くなります。
アシスタントリーダーになったことがある場合は、「アシスタントリーダーとしてスタッフ間の連絡窓口を務めた」などと記載するのがおすすめです。
マネージャーとして働いている場合は、通常業務とあわせて売り上げ管理やスケジュール調整などを行っていることをアピールしましょう。
自己PRでは、自分が今いるポジションを書くだけでは説得力に欠けます。スタッフ間での交渉や調整などを具体的に記すことで、マネジメントスキルをより効果的に伝えることができるでしょう。
目標
最後に、どんなことを目標にこれから仕事に取り組んでいきたいのかを伝えることも大切です。
たとえば、「〇カ月で指名数〇を目指す」「〇年以内に〇円の売上を達成する」「〇年後までに〇〇という役職になる」など、具体的な数字やキャリアなどを交えるのがポイント。募集内容ともマッチした内容になることを意識しましょう。
【見本】美容師の職務経歴書
前章までのポイントを踏まえて、職務経歴書の見本を紹介します。
職務経歴書ではスキルや実績を簡潔に伝えよう
職務経歴書は、自分のスキルや実績をアピールするためにあります。しかし、情報量が多すぎたり少なすぎたりすると、採用担当者の興味を惹くことは難しく、最後まで目を通してもらえないことも。
実績や自己PRの欄は、美容師としてのスキルをアピールするのに有効です。明確なデータや数値などを用いて、その結果に至るまでの過程を伝えることで、信頼度が高まります。
見やすさ・読みやすさに注意し、箇条書きと文章とを使い分けて簡潔に記入することが大切です。
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