個性が2つあるからこそ、スタッフ教育の幅が広がる。独立を目指すあなたへVol.13【LECO代表 内田聡一郎さん & QUQU代表 浦さやかさん】#2

「いつか独立したい」という目標を持つ人に向けて、独立した先輩たちの経験談をお届けする本企画。前編につづき、「LECO」代表の内田聡一郎さんと「QUQU」代表の浦さやかさんにインタビュー。性格は真逆、けれどお互いの強みが上手く合わさった形でのサロン経営ができていると語ってくださいました。

後編では、スタッフとの向き合い方やサロンの将来像をお伺いします。

LECOの教育スタイルをベースに、浦さんの新しいカット技術を導入

――お二人ともこれまで人の上に立たれてきた分、それぞれの教育スタイルも違いますか?

内田さん:「最終的にこういうスタッフに育てたい」という根底にあるものは一緒だと思います。とにかく練習あるのみという考え方は同じなんですが、やっぱりスピード感が違うので喧嘩にはなります(笑)。

浦さん:私の場合、実はotopeにいた頃と教育のやり方が全部変わりました。基本的にはLECOの教育方針でやっています。LECOはベーシックがきちんとしているので、そこを変えるつもりはありません。QUQUのスタッフには、アシスタント時代はしっかりベーシックを学んでもらって、スタイリストになったときの引き出しを増やす意味で私のカットを教えています。

ちなみに内田の方が厳しいです(笑)。というか細かい。全てにおいて曖昧にしません。私とは見えるポイントが違う気がします。だからこそ色々な角度でスタッフを見ることができるのでちょうど良いですね。

――お二人がスタッフに求めることは何ですか?

内田さん:原点回帰して「ガッツ」じゃないですかね。今は合理性やスピードを大事にする人が多いじゃないですか。僕もスピード感でいったら早い方が好きなんですが、一方で根底にあるガッツとか地道にコツコツ続けることも得意なんです。今はそういうことができていない人が多いですよね。コンビニエンスに「これがおいしいから着手してみよう」とみんなが群がるんですが、続けられている人は案外少ない。結局は、いつの時代も持久力とガッツが成功につながるのだと思います。

浦さん:好きなことを追求してほしいと思っています。美容師の仕事を好きではじめたはずなのに、「仕事」になりすぎると段々と作業的になってきて型にはまっちゃうんです。スタイリストになると余計にそうなる気がします。お客様に合わせることも大事ですが、そればかりだと自分が楽しくないですよね。だから、フットワークを軽くして、自分で自分に刺激を与えてほしい。自分も好きなことを追求してきたから今があるので、美容師を続ける以上、「好きなことを追求する」ことがいつもベースにあってほしいですね。

――こちらのサロンは、個性をしっかりと表現されているスタッフさんが多いように感じます。一方で、個性を出し切れずにいるというか、自己プロデュースが苦手なスタッフさんがいたら、どのように導いていきたいですか?

浦さん:どこかに自分が興奮するポイントがあると思うんですよね。それを見つけるために、手と体を動かすことです。考えているけど何も行動しないのが一番見つからないやり方です。頭の中からは何も見つからない。私の場合は手を動かしてないと何も出て来ないんです。

スタッフはあくまで大事な「ビジネスパートナー」

――スタッフを束ねる立場として大事なことは何ですか?

浦さん:自分が一番頑張っていることですね。自分が休んでいたらダメ。やり方がわからないことがいっぱいあるけれど、その分頑張る! という気持ちでいます。あとは、自分が一番先を見ているということ。私はあまりしっかりしている方ではないので周りのスタッフに支えてもらっているのですが、誰よりも先を見据えるつもりでいます。正直、私はトップには向いていないと思っているんですが、もうなってしまったので(笑)。チャレンジだと思って頑張ります。

内田さん:僕がよく言っているのは「慣れ合いも、表面的な仲の良さも全く求めていない」ということ。僕、スタッフと飲みに行ったりはしないんですよ。この2年間でも本当に数えられるくらいしかなくて。毎週のように先輩・後輩で飲みに行くような上下関係ってあると思いますが、僕はそれは好きじゃないんです。スタッフはどこまで行っても赤の他人だし、ビジネスパートナーだから、そういう緊張感はあった方がいいと思います。

――「ビジネスパートナー」という考え方って良いですね。

内田さん:この人と一緒にいた方が、この人の下にいた方が自分の人生が良くなるだろうという感覚がないと、どんなに人間関係が良くても辞めると思っていて。ここにいたら売り上げがUPする、知名度が上がるという未来が見えるサロンなら絶対に人は残ります。淡白に聞こえるかもしれないけれど、つかず離れずの距離感が今のサロン経営や教育には必要なのかなと思います。実際に、うちは2年間で一人も辞めていません。離職率が高いと言われるこの業界で、この結果は自分がやってきたことへの自信になりました。

――若い世代はオンオフをはっきりさせたい人も多いですしね。

内田さん:そうですね。それに、教える側が馴れ合いになってきてしまうと、「あんなに愛情を注いで手間をかけたのに何で期待に応えてくれないんだ」と、諸刃の剣みたいになる気がして…。教える側の愛が強すぎて、それが重荷になって辞めた人を今まで何人も見てきたんです。

もともと僕は馴れ合いを求めるタイプではなく、独立するときに周囲から「内田みたいな性格は経営者には向いていないよ」と言われていました。でも、むしろこういう性格の方が経営者として意外に合っているのかも。

――今後、LECOとQUQUをどのようなサロンにしていきたいですか?

浦さん:様々な個性のスタッフがいるので、それぞれが遠慮なく思い切り個性を出していけるサロンにしたいです。スタッフ同士が刺激になって、個々のこだわりが集まり、強い集合体になれたらいいなと思っています。そして何より、QUQUのサロンコンセプトである「キミノメカラウロコ」を常にお客様に届けられるような発信ができるサロンにしていきたいです。

内田さん:僕的には、スタッフがあふれてきたら次の店舗を出すという風にシンプルな感じでやっていこうと思っています。いつまでに何店舗出そうなどとは考えていません。今いるスタッフが、単純に「ここにいた方が良いな」と思って辞めずにいてくれて、お客様も増えて、キャパオーバーだから次を出す、というのを地道に続けていけたらいいですね。「スタッフが辞めないサロンづくり」がオープン当初から一貫している目標ですからね。

――スタッフさんありきなんですね。

内田さん:そうですね。とはいえ、「スタッフはみんな家族です!」みたいなくすぐったい感じではないですけどね(笑)。「ここにいた方が良くない?」くらいのスタンスでいます。

僕も、経営者として自分のキャパを広げていきたいです。色々なタイプの人が入ってくると、その数だけジャッジがあるわけですよね。そこをフラットに見られる経営者になりたいというのが当面の目標ですね。一人ずつに最適化された場所づくりができるサロンにしたいと思っています。

独立を目指すあなたへ

「やりたいことがあるなら即行動した方が良いと思います。あとはやりながら調整していけばいい。そして、自分本位にならずに俯瞰して見られたらベストです。スピード感と俯瞰力が大事な時代なのかなと思っているので、そこを意識していけたら良いですね。」
(LECO代表 内田聡一郎さん)

「私は上の立場にいるけれど、いつも『わからないな~』と思いながら手探りでやっています。そんな私でも周りに助けてもらいながら何とかやれているから大丈夫。私に言えるのは、『人生は一回しかないから、やりたいことは何でもやってみて』ということです。」
(QUQU代表 浦さやかさん)

▽前編はこちら▽
同じ方を向かなくていい。お互いの個性を活かすことが大切。独立を目指すあなたへVol.13【LECO代表 内田聡一郎さん & QUQU代表 浦さやかさん】#1>>

取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/岩田慶(fort)

Salon Data

LECO

住所:東京都渋谷区渋谷1-5-5 デュラス青山B1F
TEL:03-6874-3850
URL:https://leco.tokyo/

QUQU

住所:東京都渋谷区渋谷1-5-10 小笠原ビル1F
TEL:03-6427-9175
URL:https://ququ.tokyo/

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