本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【Acotto 和田祐介さん】#1
「こんなスタイリストになりたい!」という理想をかなえるには、技術を磨く努力はもちろん、経験の積み重ねがものを言います。その体験の場となるのがサロン。そこで、人気ヘアサロンの採用担当者に、求めている人物像を直撃しました。さらなる高みを目指している人を応援します!
今回は、2011年にオープンして以来お客さまの笑顔を生み出し続けているAcottoで、採用を担当しているマネージャーの和田祐介さんにホンネをうかがいます。
今回お話しを伺ったのは…
Acotto マネージャー 和田祐介さん
美容師歴15年。原宿のサロンで腕を磨いたあと、2014年からAcottoに勤務。2019年よりマネージャーを務める。その人らしさを引き出すヘアデザインや似合わせを得意とし、頭の形や顔のバランスにフィットするカット、透明感、やわらかさを出すヘアカラー、再現性が高くダメージレスなパーマで高い評価を集めている。
「スタッフが安心して働けるよう福利厚生の充実をはかる」
――まずは、Acottoの特徴を教えてください。
Acottoは髪を通して、つながりを生むサロンです。たとえば、「お客さまとスタッフ」「お客さまと理想の生活」「お客さまと街」などがあります。そして、その結果「新しい何か」を生むことが私たちの目標です。とくにおすすめのメニューはインナーカラーで、その理由は、下北沢という立地と大きく関係しています。少し個性的な方が多い街ですからね(笑)。
――採用では、どのようなことを意識しているのでしょうか?
まずはサロン見学や会社説明会などで、福利厚生についてしっかりと説明することです。ここ10年ほど美容学生を見てきましたが、段々と考え方が変わってきており、「この街で働きたい」、「このお店で働きたい」というだけでなく、給料面やお休みのこともちゃんと考えている学生が増えてきています。それを見て、サロン側も働く環境、働く条件を今まで以上にしっかり整えていかなければならないと思い、Acottoでは福利厚生の充実を積極的に行ってきました。
私がこのお店に就職した6年前は、火曜日が定休日でそれ以外に月に1回有給がとれる形だったのが、今では定休日に加えて月3日の有給が取れるようになり、夏季休暇も7日から10日へと増えています。給料面もアップしていますね。
またAcottoではもう1つのコンセプトとして、女性美容師のキャリアアップの応援を掲げており、育休制度も整っています。しかし、ただ育休制度を設ければ、女性が活躍できるというわけではありません。ママさん美容師として長く活躍するためには、育休復帰後のフォローが何より大切なのかなと。女性が働きやすい環境が整い、今ではママさんスタイリストが2名在籍し活躍中です。
新卒採用は人生を大きく左右する選択になりますので、こういった福利厚生について資料を渡すだけでなく、お話を通して確実に伝えることで、働く環境について真剣に考えているとサロンだということを認識してもらえるようにしていますね。
――採用の流れを教えてください。
サロン見学や会社説明会を行ったあと、書類選考、1次面接、2次面接と進むのが通常の流れです。サロン見学になるか会社説明会になるかについては年によってまちまちで、日程を決めてまとめて会社説明会を行う年もあれば、サロン見学で個別に対応することもあります。面接は私か店長で行い、いいと思う方がいれば、ほかのスタッフにも確認したうえで、採用を決めます。
――サロン見学や会社説明会で、意識して伝えていることはありますか?
人同士のつながりを大切にしているサロンであることを、必ず伝えるようにしています。Acottoでは接客にこだわり、お客さまとたくさん話し、コミュニケーションをとることを接客の柱にしてきました。ですので、コミュニケーション能力が高いこと、コミュニケーションをとることが好きかどうかが採用面では重要なポイントになります。
人同士のつながりというのはお客さまに対してだけではなく、スタッフ同士も同様です。先ほどママさん美容師へのフォロー体制についてお話しましたが、たとえば育休に入ったときに、スタッフ同士の信頼感がなければ、自分のお客さまを任せようとは思えません。
最近はフリーランスや、シェアサロンが増えてきており、それ自体は悪いことではないと思いますが、Acottoが目指すのはチームでできる質の高い接客です。ですから、お客さま、スタッフ同士の人とのつながりを大切にしていることを伝え、その点についてはよく理解してもらうようにしています。
次回は、面接でチェックしているポイントや和田さんが採用を決めた人材のひとりをご紹介します。
▽後編はこちら▽
本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【Acotto 和田祐介さん】#2>>