「自信が持てない私」からの脱却。苦しさを乗り越えて掴んだ、開業への決意【眉&まつげ専門サロン :Riico: /リーコ代表 *RISA**さん】#1
いつかは独立したい! 会社を起こしたい! という目標を持つ人も多いはず。そんな人に向けて、サロンオーナとして成功をつかんだ先輩の経験談をご紹介する本企画。
今回のゲストは「眉&まつげ専門サロン:Riico:(リーコ)」オーナーブロウティストの*RISA**さんです。自由が丘でサロンをオープンして3年。「整顔眉学」に基づく技術力と、クライアントとじっくり向き合う接客スタイルが高い支持を得て、リピート率9割以上を誇る人気店となりました。
前編では、美容師からアイリストに転向した*RISA**さんが、サロン開業に至るまでのストーリーを中心にお聞きします。
お話をうかがったのは…
*RISA**さん
美容師として活躍した後、アイリストへ転身。国内外のサロン経験を経て、2018年にプライベートサロン「:Riico:」をオープンする。眉デザインを通して‘理想の自分・なりたい自分’を叶える「整顔美眉(せいがんびまゆ)」メニューが大人気。
「どうしても頑張りすぎる」苦しみを胸に、アイリストへ転身
──以前は美容師をされていたとお聞きました。
美容師として28歳までサロンに勤めていました。実は両親共に美容師で、母親は今も現役です。そんな環境もあって自然と美容業界に入ったものの、これが予想以上に過酷な毎日で(苦笑)。業務以外にも練習等で朝7時頃から終電までお店にいる生活が続きました。
──それはハードワークでしたね。
体力的にも大変でしたが、生真面目な性格のため、うまく手を抜くことが苦手。自分自身が納得できるゴールを見定めることすらできず、精神的に追い込まれていました。スタイリストデビューにも時間がかかったせいか、お客様から指名をたくさんいただけるようになっても、どこか自信が持てないままでいました。
それで心身ともに疲れてしまい、心機一転アイリストとしてマツエクサロンへ転職することにしたんです。
──アイリストとして働いてみていかがでしたか?
マツエクは、施術中にお客様が目を閉じた状態になることにホッとしました。美容院では一度に何人ものお客様のお相手をしていたので、あちこちで「おしゃべりしなきゃ、空気読まなきゃ」と終始気を張る毎日でしたから。目の前のお客様ひとりだけに集中でき、会話もしなくて良いことで少し楽になれました。
また、美容師時代に「数字をつくる(売り上げをあげる)方法」を教わってきたことが、私にとっての大きな武器だと実感できましたね。
──「数字をつくる方法」というと?
個々のスタイリストが経営感覚を持って働くことを推奨しているお店だったんです。業務を数字として可視化する意識を徹底的に叩き込まれましたね。ひとりシャンプーすると〇円、手配りしたチラシが1枚返ってくる度に〇円。一つひとつの作業に対する結果をすべて数値化することで、コスト意識などを身に付けることができました。
そういった勉強を散々してきた後だったので、新しい職場でも作業の効率化などを自然と考えて行動していました。その結果、さほど無理することなく、上位の売り上げをつくれたんです。これはサロンを経営する上でもとても役立っていますよ。
──つらさを乗り越えて培ったスキルが今も活きているのは、当時の頑張りが報われる思いがしますね!
そうですね。当時は数字に追われて苦しい毎日でしたが、今となっては本当に感謝しています。
アイリストとなり3年ほど経った頃、知人から「タイでマツエクサロンを展開するから、現地で技術指導してほしい」と声をかけてもらい、1年半バンコクで働きました。保守的でマイナス思考なところがあった私にとって、海外生活は人生の大きな転機になりましたね。良い意味での図太さが身に付いたと同時に、組織に雇われる側から管理する立場に変わったことで、違う世界が見えた気がしました。
自分の武器を増やし、競争を勝ち抜く意識を!
──帰国後、働き方はどう変わったのでしょうか。
フリーランスとしてエステサロンの一角を間借りし、マツエクとまつげパーマの施術をするようになりました。幸いすぐにお客様も付きましたが、しばらくすると店舗改装でエステ自体が一時休業することになってしまって。
それまでも「サロン開業」は頭の片隅にあったものの、実行に移す踏ん切りが付かないまま、ずるずると日々が過ぎているような状態でした。でもこの件がきっかけで「このまま休業に入ってしまったら、せっかくつかんだお客様が他所へ流れてしまう。今、独立しなきゃいつするんだ!」と、ようやく独立を決意することができたんです。
──「眉&まつげ専門サロン:Riico:」はアイブロウサロンのイメージが強いですが、当初から眉への施術をメインに据えるコンセプトだったのですか?
当時(2018年)は眉へアプローチできるサロンが少数派だったため、目元をトータルでお手入れできる店として売り出していこうと考えていました。ただ、屋号を決める際に「眉&まつげ」「まつげ&眉」のどちらにするかはすごく悩んだんですよ。まつげに比べて眉の技術にまだ自信がなかったものの、「眉を変化させる=顔を変化させることができる」という技術に可能性を感じ、思い切って「眉」を屋号の頭にもってきました。
現在では、コロナ禍のマスク着用の習慣も手伝い、眉の施術ができるサロンを探していたお客様が押し寄せています。意図した以上に他店との差別化に成功したと言えますね。
──競合の少なさが勝機につながったんですね。
以前、ボリュームラッシュの流行を体感したことが教訓として生きています。それまでシングルラッシュを専門にしていた私は、激しく変換するトレンドや技術革新のスピード感を目の当たりにし、「1つの分野だけで生き残るのは難しい」と身をもって感じました。そこで、他にも戦える武器を持たなければと考え、アイブロウの技術を習得したという経緯があります。
「眉が変われば人生も変わる」一過性のものではない美しさを提供したい
──眉とまつげ、どちらも手掛けてみて感じることはありますか?
最も実感するのが、お客様のニーズの違いです。マツエク・マツパを希望する方の多くは「イベントやデートに向けて可愛くなりたい」という短期的なプラスアルファの美しさを求めます。一方、眉を整えにいらっしゃる方は「自分を変えたい」とご自身の本質的な変化を望んでいるように感じますね。
──「自分を変えたい」とは、すごく深いですね。
実際、眉が変われば、顔の印象って劇的に変わるんですよ。眉の左右差を整え、その人の骨格や表情筋に合ったデザインにするだけで、「整形した?」と驚かれるほどお顔のバランスが美しくなります。これが「整顔眉学」の理論ですね。
見た目の印象が変われば心にも自信や余裕が生まれ、人とのかかわり方や、自身を取り巻く環境にも変化が表れます。こうした積み重ねは、やがてその人の人生を変えることへもつながります。うちを訪れるお客様の多くが「今の自分に納得できない。でもどうしていいか分からない」とおっしゃいます。ブロウティストの役割は、単に流行りの眉デザインを提供することではなく、お客様の外面と内面の両方から「理想の自分」を叶えるお手伝いをすることだと思っています。
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人一倍真面目な*RISA**さんだからこそ、誰よりももがき苦しんだ過去。それでも、自分にとって何がベストかを考え抜いて行動することで、何物にも代えがたい経験と誰にも負けない強みを手に入れました。
独立に必要な3つの要素
1.苦しい時も頑張った自分を認めてあげる気持ち
2.周囲がまだ取り入れていない、新しく魅力的なものを見つける
3.トレンドに振り回されない、自分軸の理念とスキルを確立
後編では、一人ひとりに寄り添う*RISA**さんの丁寧な接客スタイルと、コロナ禍を逆手にとった集客活動について詳しくお聞きします。
取材・文/黒木絵美
撮影/岩田慶(fort)
Salon Data
住所:東京都目黒区自由が丘1-13-14自由が丘スカイビル803
定休日:不定休
予約方法:LINE@から「@efr7580r 」でID検索