スタッフが全員発言するミーティングでお客さまの声に真摯に向き合い、選ばれるサロンへ「エサージュ 渋谷店」
各地でブームとなり、増えつつあるアイブロウサロン。13年も前からその需要にいち早く着目し、アイブロウサロンを展開しているのが「エサージュ」です。顧客満足度も高く、リピーターも多い人気のお店となっています。前編ではどのようにしてお客さま満足を実現しているのかを伺いました。ポイントとなっているのは、社内全体で行っているモニター調査「プロジェクトハート」です。モニターからの意見を、店長発言率10%以下を目指したミーティングで共有。スタッフ全員が意見を出して改善策を決定し、お客さま満足度が向上したそうです。さらにスタッフがイキイキとしだし、ミーティング以外でも活発に意見交換が行われるなど、サロン内の活性化にも大きな効果があったといいます。
今回お話を伺ったのは…
「エサージュ 渋谷店」店長 須永茜さん
美容学校卒業後、眉メイクがもっとうまくなりたいという思いから「エサージュ」に入社。高い技術とお客さまとのコミュニケーションを大切にする姿勢で次々と頭角を現し、入社から2年で副店長となる。2021年1月には「エサージュ 渋谷店」の店長に抜擢され、店舗の立ち上げを任されるなど活躍中。
月1回のモニター調査「プロジェクトハート」でお客さまの思いや目線を知る
――お客さまの満足度をあげることを心がけているとのことですが、具体的にはどのようなことに取り組まれているのでしょうか?
「プロジェクトハート」という社内プロジェクトを行っています。お客さまの声を聞き、改善し、お客さまに本当に満足いただけるお店になるためのプロジェクトです。具体的には月に1回、店舗を利用したモニターさんからお客さまレポートが届き、スタッフ全員参加のミーティングで共有します。店長や副店長だけではなく、全員で意見を出し合い、改善方法を決めていくんです。そこで終わりではなく、改善策を行ったあとの振り返りや効果の検証まで行うプロジェクトとなっています。
お客さまの声をお聞きし、改善すればお客さまに喜んでもらえる。それはスタッフにとってとてもうれしいことですし、モチベーションが上がります。「プロジェクトハート」という名前にも、スタッフがわくわくできるようにという思いが込められているんです。
――これまで具体的にどんな声が届き、どんな改善をされてきたのでしょうか?
たとえば「施術前に金額がわからなかった」というご意見をいただいたことがあります。予約サイトを通してご予約をいただく方が多く、そのサイトに料金は出ているので、メニューの確認のみを行っていたのですが、このご意見を見て「お客さまは不安なんだ」ということに気付いたんです。そこでよりお客さまが安心できるよう、施術前に料金を伝えることになりました。さらにミーティングで話し合った結果、所要時間も伝えたほうがより安心できるのではないかという意見がでたので、一緒にお伝えしています。
ほかにも予約サイトの写真に統一感がなく、見づらいというご指摘を受けたことがありました。予約サイトのお写真までちゃんと見てくださっているんだと気付き、試行錯誤しながら統一感と見やすさに注意するようになったんです。その結果、閲覧数が増えました。
気になった点のご指摘だけでなく、ここが良かったと評価をいただくことももちろんあります。渋谷店では水回りなどの店内環境がきれいだと、おほめいただくことが多いです。おほめいただいたことは、「じゃあこれくらいでいいや」ではなく、お客さまが喜んでくださるポイントなので、より力を入れるようにしています。
店長発言率10%以下を目指すミーティングで、スタッフがイキイキと変化
――さきほどミーティングでは全員が意見を出すと仰っていましたが、ミーティングの方法に何か工夫をされているのでしょうか?
これは会社全体のルールなのですが、店長の発言率10%以下を目標にしています。それまでのミーティングでは店長が司会をしていたのですが、スタッフが順番で担当するようになったんです。今では私はほとんど発言することはなく(笑)進行、意見や改善点の提案もほとんど店長以外のメンバーで決められていきます。
――ミーティングのやり方を変えたことで、何か変化はありましたか?
スタッフがとてもイキイキするようになったと思います。最初はみんな恐る恐るという感じだったのですが、だんだんと自信を持って率直な意見を言えるようになりました。私がすべてを決めて決定事項として伝えるより、自分で考えることや意見が採用される楽しさ、それがお客さまに喜んでもらえることが、やりがいになっていると感じます。あとは全員が発言するので、スタッフがほかのメンバーの考え方を知ることができて、信頼関係の向上にもつながったと思います。みんなでお店を作っている意識が生まれ、チームワークがより強まったと感じるんです。
そしてミーティング以外でもいろいろ変化がおきました。スタッフが普段のサロンワークの時も先輩スタッフに、業務に関してのアイディアを言えるようになりましたし、今まで私と副店長が決めていた毎月のクーポン内容も、ほかのスタッフにアイディアをもらって考えるようになりましたね。私がひとりで進行していたミーティングと比べると時間はかかるのですが、それとは引き換えにならないくらい、たくさんのメリットがありました。
点数に一喜一憂せず、お客さま目線を知るきっかけととらえる
――ちなみにモニターさんからの意見で、スタッフの方が落ち込んだりすることはないでしょうか?
そこまで否定的なご意見をいただくわけではないのですが、最初はみんな点数のほうに注目してしまって、「こんな点数だった」と落ち込むこともありました。モニターさんの施術を担当したスタッフは、とくにそうです。でもだんだんと点数に注目するのではなく、お客さまの目線や気持ちを知って、サロンをより進化させていくプロジェクトだと捉えるようになり、みんながやりがいを見出せるようになってきました。
今では指摘いただける点がないと逆に、物足りなさまで感じるようになりましたね。もちろん自分たちでも改善できることがないか考えるのですが、それには限界があると思っているんです。お声をいただけることで、気付けることが本当にたくさんあります。
――なるほど!そのように前向きにとらえられるのはすごいですね。
元々美容業に就く人は、人を喜ばせたいという気持ちが強いと思うんです。それを会社がうまく引き出しているというのも、前向きになれている理由のひとつかなと思います。がんばった分がちゃんと評価され、福利厚生が充実していて業界平均と比べてお給料も高いですし、お休みも多いです。さらに私が入社したころとくらべても、待遇がどんどんよくなっていて。自分ががんばったらそれが会社の売上に反映され、会社からきちんと返ってくるという安心感があるので、目の前の仕事に集中できていると思いますね。
お客さまの声をお店作りに反映するための3つのポイント
「エサージュ」がお客さまからの声をお店作りに反映するためのポイントを伺うと、以下の3つでした。
1.月に1回モニターからの率直な声が届くプロジェクトを行っている
2.ミーティングでは店長発言率10%以下にし、スタッフ全員が考え、発言している
3.福利厚生の充実により、がんばっただけ評価される仕組みがある
後編では入社から2年で副店長、さらに1年半後に店長と順調にキャリアをつんできた須永さんに、お客さまに選ばれるためのコツを伺います。ポイントは毎回、感動してもらえる施術。それを実現するために、「口にするほどではないけれど、気になる点」を聞き出すことを大切にしているそうです。後編もお楽しみに!