出張サロンカーでどこへでも!自分らしく働きながら、お客さまに喜んでいただくために「Smile rainbow」まなみんさん
札幌市を拠点にシャンプー&ヘッドスパ専門美容師として活動されているまなみんさん。前編では自分らしい働き方を見つけるまでの道のりや、お仕事をされる上で大切にされていることを伺いました。後編では、2021年12月からはじめた出張ヘッドスパサロン「Smile rainbow」について伺います。毎週月、金曜は、ハイエースを改造した出張サロンカーで、道内どこへでも駆け付けると言います。
今回お話を伺ったのは…
まなみんさん
高校卒業後、美容室で働きながら通信教育で美容師免許を取得。シャンプーは好きだったものの、カラーやパーマの施術にあまり興味が持てず、約6年前から「シャンプー&ヘッドスパ専門美容師」を名乗り、活動をスタート。現在は「心を満たすヘッドスパ」をコンセプトに、火、水、木は札幌市内のサロンでシャンプー&ヘッドスパに特化した美容師として働く傍ら、月、金は出張ヘッドスパサロン「Smile rainbow」として営業中。
公式HP:Smile rainbow
Twitter:@maru2247
発想の転換から生まれた「出張ヘッドスパサロン」のアイデア
――出張ヘッドスパサロンをはじめようと思われたきっかけはなんだったのでしょうか?
コロナ禍による影響で、美容院へ足を運ぶお客さまが減ってしまったことです。私は札幌市内のサロンで働いているのですが、市外から通ってくださるお客さまも多く、近くにお住まいの方であっても「ご家族に医療従事者がいるからサロンに行けない」という声をいただいていました。お客さまが来られないのであれば、私が出向くことはできないだろうかと考えました。
最大のきっかけは、私のヘッドスパを受けたパートナーが「この技術はぜひみんなに体験してほしい」と言ってくれたことなんです。彼は車や運転が好きということもあって、車の中で施術ができるように改造してくれたり、出張ヘッドスパサロンの営業日には運転も担当してくれています。
――身近に心強い存在がいてくださるんですね。実際に稼働させるまでに大変だったことはありましたか?
なんといっても、開業資金です。融資を受けるにも何からはじめればいいかわからず、札幌中小企業支援センターに相談をしたところ、さまざまな補助金や助成金の制度があることを教えていただきました。
――「出張ヘッドスパサロン」はこれまでにない業態だと思うのですが、申請はすんなり通ったのでしょうか?
そうですね。所属するサロンでは定期的にヘッドスパを受けてくださるリピーターのお客さまが10~15人ほどいて、中には毎月通ってくださる方もいらっしゃるんですね。補助金を申請するときに事業内容を記入し、実績を伝えたことがよかったと思います。
北海道内を自由に移動できるように、すべての自治体の条例をチェック
――なるほど。出張サロンカーの改造はどうされたのでしょうか?
実はヘッドスパの施術を行う際は、美容師免許が不要なんですね。一般的な移動美容車の場合、美容師法に基づいて床の素材や照明のワット数など細かいルールがあるのですが、美容師免許がいらないということは、美容師法にとらわれず、ヘッドスパがやりやすい構造にすることができました。
ただし、自治体によって条例の内容が違うこともあるため、北海道内のすべての保健所に使用する機材の写真や施術の動画などを送り、私が行うローションを使った「クレンジングスパ」が美容行為に当たらないかどうかを確認しました。一点だけ、ドライヤーで髪を乾かす行為は美容師法に触れるため、仕上げはセルフドライをお願いすることにしました。
――綿密に調査、準備をされた上で開業したのですね。出張ヘッドスパサロンで施術されているメニューについて教えてください。
メニューにはスタンダードなコース「魂と心のお洗濯」をはじめ、ウォータートリートメントやクレンジングスパなどがあります。「仕事終わりにシャンプーとお肌のお手入れをしてしまえば、あとは寝るだけなのに…」というお客さまのご要望から生まれた、クレンジングスパとフェイシャルトリートメントがセットになった「あとは寝るだけ」コースもご用意しました。
施術にはサロン同様に、100%天然水をベースにした水を使って、頭皮からの水分補給を通して、体内に溜まった化学物質の排出を促していきます。
――開業されてみて、お客さまの反響はいかがですか?
当初のターゲットはコロナ禍以降、サロンにいらっしゃることが難しくなったお客さまが中心でしたが、お客さまから「家族や友人にもぜひ受けてほしい」とご紹介をいただくことが増えています。
家事や育児が忙しくて時間がなかったり、ケガをされていたり、札幌のサロンにわざわざ行くのはちょっと…という方も、「自宅まで来てくれるんだったら受けてみようかな」と思ってくださるようで、とてもありがたいですね。
イベントへの出店やコラボイベントを開催し、集客につなげる
――美容系は特に口コミを重視される方が多いので、大切な人にすすめたいと思っていただけるのは素敵ですね。集客や売り上げを上げるために行っていることがあれば教えてください。
少しずつ知られるようにはなってきたものの、まだまだヘッドスパに対する認知度や関心が低いので、まずは既存のお客さまへの周知を広めることに力を注いでいます。
新しい試みとしては、今年の6月に函館で開催されたハンドメイドのイベントに出店させていただきました。主催者の方に「趣旨が違うかもしれませんが、よかったら出店させていただけませんか」とお声をかけたらぜひ!と言ってくださって。なんと、キッチンカーの隣に出店したんですよ(笑)。外でヘッドスパを受けたいと思う人はどれくらいいるんだろう…と不安もあったのですが、イベント当日は気温が高かったこともあって、想像以上にお客さまが来てくださいました。
――場所を選ばずに営業ができるのは、出張ヘッドスパサロンならではのメリットですね!
そうですね。今後も機会があれば、イベントなどにも積極的に出店してみたいと思っています。会場で目立つように、のぼりも作りたいですね(笑)。6月のイベントでは、お客さまから頭皮に関するお悩み相談も多く寄せられました。いずれは無料オンライン相談で人にはあまり言いづらいようなお悩みの相談に応えながら、集客につなげたいです。
――まだまだたくさんの可能性を秘めていますね。最後に、今後の目標について教えてください。
くり返しになってしまいますが、私は髪の毛や頭皮は体、心とつながっていると思っていて。シャンプーやヘッドスパを通じてお客さまの心に寄り添いながら、頭皮や髪の毛だけでなく、心や魂までも満たしたい、毎日笑顔で過ごすためのお手伝いがしたいと思っています。
最近はJEOSエッセンシャルオイル上級スタイリストの方とコラボイベントを開催して、身のまわりにある化学物質のことや、私たちの体に及ぼす影響についてお話をしたり、私がヘッドスパでも使っているお水でセルフフェイシャルエステを体験していただいたりもしています。少しずつ活動の幅を広げながら、地球環境の保護や社会貢献活動にもつなげらえたらと思っています。
「出張ヘッドスパサロン」を開業・集客する3つのヒント
まなみんさんが史上初!?の出張ヘッドスパサロンを開業、集客するために行っていることをまとめると以下の3つでした。
1.開業資金に補助金や助成金制度を活用。各自治体のルールを徹底的に調べた上でサロンカー用に車を改造した
2.既存のお客さまの口コミや、イベントへの出店で新規のお客さまへ周知
3.お客さまのニーズに寄り添ったメニューの導入や新しい企画を立てるなど柔軟に行動する
自分らしい働き方を模索しながら「シャンプー&ヘッドスパ専門美容師」という道を見出し、さらにはこれまでにない業態「出張ヘッドスパサロン」を考案。実現したまなみんさん。近い将来、シャンプー&ヘッドスパ専門美容師は、フリーランスの美容師が活躍する道として定着するかもしれませんね!