効率よく集客を獲得し、顧客に寄り添ったスタイルを【フリーランススタイリスト いっせいさん】#1
現在フリーランスのスタイリストとして活動していながら、Instagramの投稿にも力を入れており、そのフォロワー数は3万人超のいっせいさん。なぜフリーランスへ進んだのかを掘り下げるべく、成功までの道のりのプロセスについて詳しく教えていただきます。
前編では、フリーランスになるまでの経緯や集客方法についてお聞きします!
お話を伺ったのは…
フリーランススタイリスト いっせいさん
美容専門学校卒業後、複数のサロン勤務を経験。大手サロンでスタイリストデビューした後、業務委託の形態に移行。コロナ禍の煽りを受け、思うように働けなくなって再びサロンへ所属する。集客の基盤を作り、サロンを辞めてフリーランスに。現在は1年半になるが、2ヶ月先まで予約が埋まるほどに。
技術向上のためにより多くのお客様の施術がしたくて、業務委託を経験
――フリーランスになる前はサロンに所属されていたようですが、今までの経歴を教えてください。
専門学校に通っていた頃からサロンでアシスタントや、視野を広げるためにあえてヘアセットサロンで働いたこともありました。そこでは、一般の方の結婚式や成人式などのイベント、あとは夜のお仕事の方のヘアセットを中心にやっていましたね。
卒業後は、恵比寿にあるマダム向けのサロンで1年ほど働いたのち、大手サロンに転職しました。というのも、そのサロンの方が新卒・中途で2回面接を受けていたことを覚えていたようで、お声がけいただいて…。それがきっかけで入社することになり、そのサロンでスタイリストデビューをしました。
ですが、2年弱で退職し、別のサロンから業務委託を受けて仕事をすることにしました。具体的には、20代の若者をターゲットにハイトーンカラーを得意としたサロンを委託先として働いていました。
――なぜ業務委託を選んだのですか?
多くのお客様の施術がしたい意欲とは裏腹に、サロンって一日の予約数に上限があって…。当時は、あくまで施術量を増やすことが目的でした。なので、施術のことだけを考えられる環境を求めた結果、業務委託になることを選びました。ですが、直後にコロナ禍になって出勤日数を減らされてしまったんです。そこで改めて、たくさんのお客様を施術するためには、自分の力で集客する必要性があると感じて、集客の基盤を作るために再びサロンに就職することにしました。
Instagramの広告でフォローが増え、集客に直結
――集客の基盤を作るためということですが、自発的に取り組んだことはありますか?
Instagramを使用しました。アシスタント時代からInstagramは使用していましたが、本格的に注力し始めたのは集客を意識した時です。最初はフォロワー3千人ほどでしたが、集客をするためにはたくさんの人に認知してもらうことが必要と感じ、フォロワーを増やすことから取り組みました。
流行りの投稿を真似てみたり、人気のインスタグラマーを参考にしたりと、様々な試行錯誤を重ねました。
――フォロワーを増やすために何をしましたか?
当時アシスタントのほとんどがやっていたのが、「フォロー周り」です。自らフォローしに行くことで相手に認知してもらい、相手も興味を示してくれればフォロー返しをしてくれるという方法でした。
――主に、どういった方をフォローしましたか?
自分の軸にしているヘアスタイルや自分が発信している投稿と類似性があるものにいいねをしている人、あとは美容関係に興味のありそうなアカウントを中心にフォローしました。まずは、自分から認知してもらえるように動きましたね。
その後、確実にフォロワーを増やすことに結果が出たのは、広告ツールを使用してからでした。
――その広告について教えてください。
Instagramの機能にある、広告ツールです。1ヶ月10万円を支払うと、自分がターゲットにしている人に広告を表示してくれるんです。実際にその広告ツールを使用してフォロワーが増えた知り合いがいて。半年間継続した結果、計60万くらいで3千人ほど増えました。
そのあとは、投稿にも力を入れ始めました。具体的には、スタイルごとに配列を考えて投稿し、三列に分けてパッと見でスタイルが分かりやすいように配慮しました。リール動画、コラージュを施したスタイルの情報が詰まっている投稿、シンプルなヘアスタイルのみの投稿などをそれぞれ揃えて…。そうして変化を感じられる投稿にしたところ、徐々にフォロワー数にも直結するようになりました。
身につけた集客力を生かして、顧客優先の接客スタイルのフリーランスに
――やはり自ら発信・宣伝することが集客には大事なのですね。
そう感じます、その効果によって集客も見込めるようになりましたし。
加えて、コロナの第一波が抜けたことで得られた集客もあります。今までサロンに来れなかった方々にお越しいただけるようになって、当時はいつもの人数+100人もの新規のお客様を獲得することができました。
――集客が見込めるようになってフリーランスに転向したのですか?
それによって弾みがつきましたね。あとは、サロンに所属しているとどうしても収入の単価をあげることが難しかったりいろいろ制限があるんです。そういったところを自由にしたくて。自分主体で活動していくのがベストだと感じたのでフリーランスになることを決めました。
――フリーランスになるにあたって、不安はありました?
「お客様来てくれるのかな」って考えたりして不安になることはありました。でも、以前に業務委託も経験していたし、今回は集客の基盤を作ってから動き出したので自分なりに自信を持ってスタートを切れたと思います。
――フリーランスになる際に準備したことはなんですか?
まずは施術する場所選びから。今までのサロン活動が原宿だったので、その周辺を中心に初期費用が抑えられて、マンツーマンで施術がしやすい広さを条件に探しました。
メニューの価格設定は当初、もともと働いていたサロンの価格設定を参考にしました。今ではある程度予約数が確保できているので、新規の方から徐々に値上げもし始めています。ただ、顧客の方を大事にしたいという想いから、2回目以降は初回より安い設定にして通っていただきやすくしています。メニューは、カット単品、カット・カラーセット、ブリーチカラーといたってシンプル。顧客様に合わせた施術を基準に展開しました。
自分の理想の施術を追い求めた結果、フリーランスとして活動し始めたいっせいさん。顧客を大事にする想いが伝わってきました。後編は、フリーランスになってからの売り上げや今後フリーランスを目指す人へのアドバイスを伺います。
取材・文/東菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄
Salon Data
住所:GO TODAY SHAIRE SALON 原宿leap店
ご予約やお問い合わせは下記連絡先より
【Instagram】@issei_gushi
【YouTube】ぐっしーショート特化美容師