「 美容×カメラ」で生み出した自分だけの強み 「LIMMCA by CReO」剣持徹二さん
群馬県伊勢崎市にある「LIMMCA by CReO」にてトップスタイリストとして勤務する剣持徹二さん。
前編では、口コミがほぼ満点という高評価の秘訣について伺いました。お客さまの立場に立った接客を心がけ、丁寧なカウンセリングを行っているという剣持さん。施術内容を決める際には、画像を用いて顧客にわかりやすくイメージを共有するのだとか。またボブやショートのヘアスタイルを得意とする剣持さんは、InstagramやTikTokなどのSNSの「おすすめ」でトレンドのスタイルを学ぶことを習慣にしているそうです。信頼関係を丁寧に築くスタイルが、顧客の支持を集め、半年以内のリピート率はなんと95%にものぼるといいます。
後編では、剣持さんのカメラマンとしての一面について掘り下げていきます。美容師としてのサロンワークの休日に、カメラマンとしての仕事を行い両立させているそう。休日は少ないそうですが、カメラマンの仕事をすることでサロンワークも更に充実するということです。「美容師×カメラ」というオリジナルな肩書を手に入れたことで、自分自身に自信を持つことができたと言います。2つのお仕事を並行することでの相乗効果についても詳しく伺います。
今回、お話を伺ったのは…
剣持徹二さん
群馬県伊勢崎市にある「LIMMCA by CReO」にてトップスタイリストとして勤務。ショートカットやボブカットを得意とし、口コミ満足度がほぼ満点と顧客から高い支持を得ている。現在、美容師の他にカメラマン、映像制作の仕事も行っており、ウエディングフォトや成人式の前撮り、企業のプロモーションビデオ制作などを手掛けている。
美容師とカメラマンの二足のわらじは「休みはないけれど、楽しい!」
――剣持様は現在、美容師とともにカメラマンとしても活躍されています。どのような経緯で美容師とカメラマンの二足のわらじを履くことになったのでしょうか。
もともとは、7年ほど前に趣味で風景撮影を始めたのがきっかけです。美容師になってからスタイル写真を撮影するようになり、それならば自分のカメラを使って撮影しようと思いたちました。見よう見まねで始めたので、最初のころの撮影は上手ではなかったと思います(笑)。その後は、知り合いのプロカメラマンの教えを受けたほか、YouTubeやInstagram、本などで写真やカメラの基礎を学びました。
最初にプロのカメラマンとして受けた依頼は、大親友のウエディングフォト撮影。満開の花畑のなかで撮影を行いました。そのとき、友人の幸せそうな笑顔をみて、私まで幸せな気持ちになったことを思い出します。その後は、友人や知人の紹介によって、知り合い以外の方からもお仕事をいただくようになりました。また同時期に開設したカメラマン用のInstagramアカウントを見てくださった方から、撮影の依頼が入るように。こうしてカメラマンとしても本格的に活動を開始しました。
――現在はどのような働き方で、美容師のお仕事との両立をされているのですか?
現在、カメラマンとしてはとくに会社などには所属しておらず、フリーランスとして働いています。最近は、ブライダル撮影以外も増えており、お子さんの七五三の写真撮影やバースデーフォト、企業のPV撮影などさまざまな仕事を請け負っています。
サロンワークのない日にカメラマンとして活動しているので、月の撮影は5~8件。1回の撮影が2時間程度ですので、お休みの1日に撮影の予定を複数件詰めています。「休みなのに働いて、大変じゃないの?」と心配されることもありますが、とても楽しく、辛い感覚はありません。
私は本業が美容師なので、撮影時にヘアメイクすることもできます。撮影で着付けなどが必要であれば、勤務する「LIMMCA by CReO」で対応してもらうなど、提携ができているのでとてもありがたく思っています。
オリジナルな肩書を得て、自分に自信を持てた
――美容師とカメラマンを両立することで相乗効果を感じることはありますか?
美容師とカメラマンを両立したことが、独自性を生んで私の強みになったと思っています。もともと、私はあまり自分に自信がないタイプ。ずっと「ただの美容師」で人生を終えたくないという気持ちがあった一方、「果たして自分はどんな美容師になればいいんだろう?」と悩み続けてきました。しかし、「美容師×カメラマン」というオリジナルな肩書を持つことで、自分に自信を持つことができるようになりました。
1日完全なオフの時間をとることは難しいですが、美容師の仕事が休みの日にカメラマンの仕事をすることが息抜きになり、更にサロンワークにも身が入るというよい循環を生んでいるように感じます。美容師としてサロンワークのみ極めていく道もあると思いますが、私は、美容師が美容師以外のキャリアを持ってもよいと思っています。「カメラマンとしても活躍したい」と思った気持ちを大切にし、チャレンジしてみてよかったと感じています。
――その他、どんなメリットを感じますか?
美容師の顧客からカメラマンとしての依頼を受けることがあるのがよいところだと思います。すでに関係性がある顧客と、新しいところで繋がれるのはとてもうれしいですね。
また、カメラマンとしての接客方法は、美容師としての接客方法と近しいものがあると感じています。私はカメラマンとして撮影を行う前に、対面でカウンセリングを行うようにしています。そのとき、顧客がどんなシチュエーションで、どんな思いで撮影を希望されているのかをヒアリングします。相手のニーズを汲み取り、画像でイメージを共有しあうということは、美容師として行う顧客へのカウンセリングとほぼ同じです。この点でも、美容師としての経験が生きていると感じます。
毎月目標を見直し、達成でやりがいを得る!
――剣持さんはどんなときにお仕事にやりがいを感じますか?
美容師としては、お客さまに施術に満足していただけたとき、カメラマンとしては、お客さまの人生に寄り添えているという実感を得られたときです。以前、ウエディングフォトを撮ったカップルのお子さんの写真撮影の依頼をいただきました。マタニティフォト、ニューボーンフォト、毎月の成長記録…と、長い時間を掛けて同じお客さまの撮影をさせてもらいました。このように、人生の素晴らしく喜ばしい瞬間に立ち会えることは大きなやりがいになっていますね。
また、目標がないと怠けてしまう性格だと分析しているので、自分を律するために毎月、美容師としては売上、カメラマンとしては予約数、Instagramのフォロワー獲得の目標を立てており、これを達成できることもやりがいにつながっています。仮に目標達成ができなくても、「どのように問題を解決していくか」というように、試行錯誤の方向に気持ちが向き、行動を起こす原動力になっています。
――剣持さんの今後の目標を教えてください。
今年、「フリーランスの美容師×カメラマン」として独立を予定しています。美容師もカメラもできるということが自分の強みですので、2つは並行していく予定です。
将来的には、ウエディングブランドの会社を立ち上げたいという夢があります。ヘアメイク、ドレス、着付け、撮影などを得意とするメンバーを集め、人生の記念を残すお手伝いができる場所を設けたいです。もし、そこで結婚式からマタニティフォト、ニューボーンフォト、お誕生日、七五三、成人式…とお客さまの人生の殆どに関わることができたら最高ですね。
私は、美容師という枠にとらわれず、カメラマンにチャレンジしたことでとてもやりがいを感じています。私の他にもたくさんいるであろう、「美容師×他業種」という働き方を目指す人を後押しできるような存在になりたいです。今後、仕事の比率はときによって変わるかもしれませんが、「美容師×カメラマン」ということが自分の強みですので、今のスタンスは変えずに進んでいく予定。顧客の方の求めることを汲み取り、求められたことに100%の力で応え続けていこうと思います。
剣持徹二さんが美容師×カメラマンとして活躍している3つの秘訣
1.2つの仕事を並行することで互いの仕事の息抜きができ、楽しく仕事を続けられている
2.美容師としての接客経験をいかしたカウンセリング方法をカメラマンとしても展開している
3.美容師として、カメラマンとしての目標を掲げ、毎月達成度合いをチェックしている
美容師とカメラマンという二足のわらじを履き、2つのキャリアを着々と積み上げていかれる剣持さん。穏やかで謙虚なお人柄とお仕事への実直な向き合い方に、どちらのお仕事でも多くの顧客の方がいらっしゃる理由を感じました。
美容師×〇〇というWワークや2つのキャリアを目指される方は、剣持さんのお仕事への取り組み方を参考にされてみてはいかがでしょうか?