やりがいである“ドライヘッドスパ”という仕事を通して今後伝えていきたいこと【ドライヘッドスパリスト 角知美さん】#2
幼い頃から美容の仕事に憧れを持ち、いざ自分もその世界へと飛び込んだ角知美さん。美容以外の仕事での経験や、自身が経験した苦しかった時代を経て、今のドライヘッドスパリストとしての仕事をスタートさせました。
後編は、ドライヘッドスパリストとして自分がやりがいを感じていることや挑んでいること、そして今後の展望などもお伺いしていきます。
自分が立つサロン人生が新たにスタート、そして全国コンテスト入賞
―― myuがオープンしてからは何年程経ちますか?
前の美容室の事務所の一角をお借りしてやり始めた時から含めると、7年ほど経ちました。それこそmyuができたばかりの頃は恵比寿では他にヘッドスパのお店もなかったんです。現在では沢山増えましたが、当時のことを考えるとすごくタイミングも良かったんだと思います。
―― 競合店も増えてきたんですね。角さんはヘッドスパコンテストで全国8位に入賞もされていますよね?
ありがとうございます。“Ocappa(オカッパ)”という美容師専門の雑誌があるんですが、そこでヘッドスパコンテストの存在を知り、興味もあったので挑戦したのですが落ちてしまったんです。それが本当に本当にショックで…。
―― 1度落ちたからといってそこで諦めなかったんですね。
そうなんです。あまりに悔しくて、そこから色んな手技を研究して、どのタイプのシャンプー台でも対応できるようにとにかくリサーチをしたり、練習を重ねていきましたね。それでその翌年のコンテストにもう1度応募し、次は無事に入賞することができました。
―― 角さんは本当に努力家なのが伝わります。それがより自分の自信にも繋がっていきますよね。
それはありましたね。周りにも自分より上手な方が本当に沢山いらっしゃったので、もっともっと頑張ろうといいますか、頑張らないとという気持ちにもなりました。
ドライヘッドスパリストとして今目指しているもの
―― 角さんが仕事をする上で心がけていることはありますか?
今、睡眠で悩まれている方が本当に多いんです。見た目だけでは分からないことも多く、普段元気にされている方ほど実はちゃんと眠れていなかったり、急に心が不安定になってしまったり、そういった症状と睡眠ってすごく繋がっているんです。特に日本は世界と比べても睡眠時間が特に短い国と言われています。
自分自身が色々と体感してきたからこそ分かることも多いので、睡眠のことで何か悩みがあれば気軽に話してもらえるような場所でありたいですし、マッサージの心地よさだけでなく、心身までしっかりサポートしていける施術を心がけていけたらなと思っています。
―― 疲れを癒すだけでなく、心までをもサポートしていくことができる。本当に素晴らしいお仕事だなと感じました。
今後の展望などはありますか?
現在私たちは“GOEN Project”という活動を行っているのですが、これは、ここmyuで施術を受けてくださったり、当店で販売しているケア用品などを購入して頂くと、その1つに対して5円、児童養護施設に寄付されるという内容のプロジェクトです。
―― 5円とご縁が掛け合わされているんですね。
myu と子どもたちと社会のご縁がその5円でも繋がるという意味があります。
現在、子供さんでも睡眠で悩まれている子も多く、小学生や中学生にヘッドスパをさせて頂く機会もあるのですが、施術後はみなさん深く眠れたり、終わった後には見違えるほど笑顔になっていたりするんです。そういうことを身近に何度も経験して来たので笑顔を増やしていきたいなと思いますし、このプロジェクトを通してもしっかり寄り添えるようにしていけたらと思っています。
取材・文/笠原由布子
撮影/SHOHEI