現場で困ることがないように。正解を教えない技術講師「BeautyFlash」村山里衣さん

2012年に独立し、現在はまつげパーマ専門店「BeautyFlash」のオーナーアイリストとして3名のスタッフを束ねる村山里衣さん。前編では独立後、すぐに人気店となり、集客にも苦労をしたことがないという村山さんに、なぜそのようなことが可能になったのかを伺います。

後編では、村山さんが2022年に開講したまつげパーマ専門スクール「Beauty Flash Academy」について伺います。心がけていることを伺うと、「答えを教えないこと」という意外な答えが。そこには、生徒さんが現場で困ることがないようにという、村山さんの誠実な思いが隠されていました。

今回、お話を伺ったのは…

村山里衣さん

アイリスト/まつげパーマ講師/「BeautyFlash」オーナー

美容師として勤務したのち、出産を機に退職。その後、アイリストに転身する。2012年に独立し、横浜でまつ毛サロンを6年間経営していたが、海外移住を機にサロンは売却。日本帰国後の2020年、新たにまつげパーマ専門店「BeautyFlash」を開業。現在は3名のスタッフを束ねる。

まつげパーマ講師としての顔を持ち、過去には「コーセー美容専門学校」で特別講師を9年間務めたほか、業界大手美容問屋「アイラッシュガレージ」の第2期アイラッシュ講師に就任し東京校の講師を務めた経験も。アイラッシュガレージでは、現在も毎月、対面技術セミナーを開催中。

2022年からはまつげパーマ専門スクール「Beauty Flash Academy」を開講し、対面とオンライン両面から技術を伝承している。まつげパーマの深い知識と、わかりやすい技術説明が評判を呼び、海外からの受講生も多数。YouTubeの「まつげパーマチャンネル」は、初心者にもわかりやすい教科書チャンネルとして人気を集め、チャンネル登録者数は6千人を超える。初心者に使いやすいをモットーとした、まつげパーマ専門商材屋「Wiz Lash」も経営中。

Instagram:@murayamatsugeperm

LashLift Tv

まつげパーマの施術に、正解はない

2022年に開講した「Beauty Flash Academy」

――昨年からまつげパーマ専門スクール「Beauty Flash Academy」を開講したそうですが、講師として心がけてきたことはどんなことでしょうか?

正解を教えないことです。私はまつげパーマの施術に正解はないと思うんですね。というのも目の形というのは、一重、二重などのくくりはあったとしても、まぶたの厚さやまつげの長さなどは1人ひとり異なります。さらに同じ方でも毛周期によってまつげが抜けてしまっていたり、お顔のむくみがあったりと、日によって変化があるのも当然です。施術者によっても、癖や力加減が違うため最適な施術方法は変わります。

ですから、毎回お客さまの目とまつげの形や状態をしっかり見極め、自分の施術技術についても理解したうえで、どんな施術を行うか決めなくてはいけません。学びのゴールは自分とお客さまにあった施術を見つけ出すことで、正解を覚えたり、私の真似をするだけではそこにたどり着くことはできないと思っています

――なるほど。では質問に対しても、答えることはないのでしょうか?

質問にもよるという感じでしょうか。たとえばよく「この前こんな方が来て、うまくまつげがあがらなかったんですが、先生だったらどうしますか?」というような質問を受けるのですが、こういった質問には答えないようにしています。

まずはその方の目の特徴、どんな仕上がりにしたくてどのように施術をしたか、それでもうまくいかなかった理由まで自分で考えてもらうようにします。そこまで聞いた上でしたら、方向性についてのアドバイスはもちろんします。先に答えを教えてしまうと自分で考えることを止めてしまうと思うので。

厳しいと思われるかもしれませんが、サロンに戻ったときにうまくいかないことがあっても、自分で何かしらの原因を導き出せるようになることがとても大切だと思っています

編集をほとんどしなくてもYouTube動画をアップできるよう、撮影方法を工夫

週に2回アップしているというYouTube「まつげパーマチャンネル」

――「Beauty Flash Academy」の認知を広げるために、やられてきたことはありますか?

YouTubeを活用していました。でも最初はまさか自分がYouTubeをやるとは思ってもいませんでした。私はSNSですらすごく苦手で。写真の加工や編集もできないですし、写真を撮影するのも苦手で、絶対にできないと思っていました。ただ、どうやって講座を広げていくかをうちのサロンの若いスタッフと話していたときに、「YouTubeをやってみたらどうですか?技術について解説していればいいだけだから、向いていると思いますよ」と。私はかなりおしゃべりですし、とくにまつげパーマに関することはずっとしゃべっていられるので(笑)、それならできるかなと思ったんです

――では編集は業者などに外注されているのですか?

私にYouTubeをすすめてくれたスタッフが、オープニングとエンディングだけは作ってくれたので、あとは動画を切ってつなげるくらいで済むように撮影しています。最初はテロップを入れたりもしたのですが、週に2本のアップに追いつかなくなってきて。外注することも考えましたが、収益化していない状態では編集にお金をかけるのはなかなか難しいと思い・・・。自分が楽しみながら、長く続けられるチャンネル運用を目指しています

最初はスクールへの誘導のために始めたYouTubeですが、チャンネル登録者数も6千人を超え、視聴者の方からのリアクションも増えました。ここで技術について発信することは自分のライフワークのひとつとなっています。

手の内をすべて見せ、大事なポイントは3つに絞る

YouTubeでは、ポイントをあれもこれもと伝えないことを大事にしているそう

――YouTubeの発信で心がけていることは?

大事なポイントは3つにしぼることです。メンタリストのDAIGOさんがおっしゃっていたことなのですが、選択肢が5個以上あると、選んだ物を後々忘れてしまいやすくなるそうなんです。ついついあれもこれもと説明を入れてしまいたくなるのですが、厳選したポイント3つにしぼって発信するようにしています。

もうひとつ意識しているのが、手の内をすべて見せること。YouTubeから講座に誘導する場合にありがちなのが、さわりだけ伝えて「あとは講座で」というスタイルだと思うのですが、私は全部を見せて、技術を信頼してもらったうえで講座に申し込んでもらうようにしています。正直、有料セミナー級の情報ですが、生徒さんも安心して来てもらえるし、私もその方が気持ちいいので。

手の内をすべて見せることを意識しているので、施術で失敗をした動画もアップしています。講師をしている私が失敗していいのかなとも思いますし、アップしたら登録者が減ってしまうのではないかと不安になることもあるのですが、失敗からどうカバーをするかが、視聴者にとって価値のある情報だと思うので、そこは勇気をだしています(笑)

――最後に今後の目標を教えてください。

今年の7月でYouTubeが3年目に入ったので、今年は日本と海外をつなぐというのをテーマに発信していきたいと思っています。海外の視聴者さんもいらっしゃるので引き続きそういった方達に価値のある情報を提供しつつ、日本のアイリストさん向けに海外のまつげパーマ事情や、アイサロンの発信していきたいと思っています。

そしてアイリスト、まつげパーマ講師としても引き続き精進し、お客さま、生徒さん、YouTubeの視聴者さん、スタッフなど関わる人すべてに、価値を与えられる自分でいたいと思います。


村山さんのスクールが盛況になった3つのポイント

1.正解を教えず、生徒さんが現場で困らないようにした

2.デジタルが苦手でも楽しんで発信を続けられるよう、YouTubeの撮影方法を工夫した

3.手の内をすべて見せた動画で、認知度アップに成功した

お話を伺っていると、村山さんは本当にまつげパーマの施術が好きだということが強く感じられました。その思いはお客さまや生徒さんに伝わり、サロン、スクールの盛況さにつながっているのでしょう。

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Salon Data

BeautyFlash
住所:神奈川県横浜市港南区上大岡西1-17-28 4F
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