高い人間性を重視!応募前からの関係性作りが採用のカギ/grico #1

美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。晴れて採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、サロン採用担当者にインタビュー!

今回は、業界を代表する美容師として美容業界内外から注目され続けているエザキヨシタカさんが代表を務めるサロン「grico」が登場。技術力はもちろん高い人間性を求められるサロンとして、美容業界での活躍を目指す就活生から熱い支持を得ています。

お話を伺ったのは、gricoで歴代最速デビュー&史上最年少で店長になった寺尾フミヤさん。全4回にわたり、採用についてのお話をお聞きします。

#1は、gricoの採用事情について。採用フロー、求めている人材など、採用全般についてお聞きします。

お話を伺ったのは…
grico 店長 寺尾フミヤさん


島根県出身、関西美容専門学校卒、美容学生時代からgricoに通いつめ、採用後は1年目から代表エザキヨシタカさんの専属アシスタントとして国内外のセミナーやヘアショーに同行。grico史上最速でスタイリストデビュー。2023年8月より最年少27歳で店長に就任。

応募の必須条件は「gricoへの来店経験」。
書類選考前の関係性作りから採用は始まっている

――まずはgricoの採用事情についてお聞きします。

gricoでは窓口としての採用担当はいますが、基本的にスタッフ全員が関わるようにしています。最初に届く履歴書は幹部以上で目を通して選考後、みんなにも目を通してもらい、面接以降は全員で審査、最終的な判断はオーナーと話し合って決定します。

新卒採用の場合、毎年4月から5月ごろに募集を始め、5月末~6月にかけて面接を行います。試験内容はその年によって変動しますが、多いときは書類選考含め5次試験ほど。書類選考、集団面接、プレゼンテーション、必要があればサロンワークと最終面談を行っています。

中途採用の場合は、書類選考と面接だけ。面接と言っても、いつから入社できるか、所属しているサロンとどんな話をしているかなど、実際に働き出すことを見据えた具体的な内容をお話するので、ほぼ面談に近いです。

――採用での独自の取り組みはありますか?

以前からずっと、応募時にはスタイルブックと作文を提出してもらっています。作文のテーマは『gricoと将来について』。スタイルブックは、テーマや形式は問いません。

またプレゼンテーションの試験も特徴的なものかもしれません。毎回テーマは変わりますが、2~3週間前にプレゼンテーマを伝えて、10分程度の発表をしてもらうんです。

――気になる取り組みですね。詳しい内容は#2/#3でお聞きします。
採用フローのなかで重視している項目はありますか?

正直なところ、実際に働いてみないとわからない部分は多いので、採用試験のなかでも「この試験が重要」というものはありません。全体を通して、どんな人間性なのかを見ている感じです。

だから強いて言うなら、応募前にどこまで関われるかというのは、結構重要だと思います。gricoでは応募の最低条件として「gricoに来店経験がある」ことを必須としています。サロン見学を行っていない分、来店してくれたときに担当したスタイリストがサロンの説明をしたり、手が空いたときにスタッフみんなで対応するんです。入社志望で来店してくれた人のことは覚えていますし、そのときに結構深く話したりもします。

こう言うと何度も来店しやすい都内の方が有利に聞こえるかもしれませんが、そういう訳でもないんです。遠いからなかなか来られないのはこちらもわかっているので、それならどう動くのかが重要。例えば今ならSNSもあるので、ハッシュタグやメンションをつけてくれたら見ますし、やりとりできたタイミングでしっかり想いを持って伝えてくれたら絶対に覚えます。そのうえでの来店なら、印象にも残りやすいですよね。逆に来店した際に印象を残そうとし過ぎて、変な絡み方をしてしまってボロが出る場合もありますから。

どちらにせよ、選考前に積み重ねてきたやりとりの中で感じた、その子の人間性という部分は加味しながら判断していきます。面接本番で緊張して上手くいかなくても、それまでの積み重ねから「もう少し見てみよう」ということもありますよ。

「gricoで働きたい」という
熱い想いを持った就活生が全国から集まる

――志望者の傾向や特徴はありますか?

日本全国から応募があり、とても熱量の高い方々が多いです。gricoの取り組んでいることや想い、どんなサロンなのかというのも、ある程度わかったうえで挑戦してくれている方ばかり。だから「ちょっと受けてみようかな」という感じの人はいません。

新卒の就活生も「地方から東京に出たい」という感じではなく、「gricoに入るために東京に出たい」という感じがします。オーナーのエザキさんと一緒に、地方の美容学校から依頼されて講演やセミナーをしに行くことが多いのですが、そこで心を動かされたという子の応募も近年はかなり増えました。

――サロン側として求めている人材は?
新卒と中途で違いがあれば、合わせて教えてください。

中途採用のスタイリストに関しては、正直なところ入社初月でどのくらいの売り上げ見込みがあるか、という部分が大きいです。なので、持っている技術を使って売上を上げてもらいながら、併行してgricoの技術を練習して切り替えていけるように指導していきます。中途のアシスタントの場合は新卒とあまり変わらないので、そこまで技術面への期待はしていませんし、どちらにしろ1から教えていきます。

新卒に求めることは、採用を重ねていくなかでも変化してきましたが、ずっと感じているのは「素直さ」「心根のよさ」が大切だということです。純粋に「gricoで頑張って活躍したい」「誰かのためになりたい」といった、芯の部分がしっかりしていること。美容師として活動していくための原動力が「自分のため」ではなく「誰かのため」であり、その結果が自分に返ってくるものだと理解していると好感が持てます。

新卒・中途を問わず大前提として、毎日一緒に関わっていくうえで、そういった人と働きたいし、長く一緒にやっていけると感じられるんです。

合否に関わらず採用フローを通して
社会人として成長して欲しい

――採用をするにあたり、大切にしていることは何ですか?

gricoに来て欲しい人材を見極めるのはもちろんですが、そもそものところ「いい美容師さん、いい社会人になって欲しい」という気持ちがあります。

例えば採用フローにあるプレゼンテーションも、社会人になれば経験すること。今までしてこなかったことでも、調べて取り組んでみたり人に聞いてみたりして、採用試験を通してその人自身が成長して欲しい。受かっても落ちても、それを経験として今後の糧にして欲しいという狙いがあるんです。

だから試験内容が多かったり、他に比べて大変かもしれませんが、なんとか頑張って欲しい。一生に一度の経験だと思って、大事に取り組んで欲しいなと思っています。


次回は、採用される履歴書について詳しくお聞きします。

取材・文:山本二季

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