採用したいのは素直で明るい「いいやつ」/株式会社Lond #4
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。晴れて採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
前回に続き、「従業員第一主義」を経営の軸に、スタッフが幅広く活躍できる場を広げ続けている株式会社Londのリクルーター・関根孝文さんにお話をお聞きします。
最終回となる#4では、Londの採用事情の総まとめ。本当に欲しいと思う人材の共通点、学生時代に準備しておくことなど、就活生へのアドバイスをお聞きしました。
お話を伺ったのは…
株式会社Lond ゼネラルマネージャー/リクルーター 関根孝文さん
都内1社を経て、2014年Londに入社。創業期メンバーとして、店舗立ち上げや店長などを務める。現在は採用をメインにさまざまな分野で活動中。Instagramからの求人獲得に尽力している。
Londの一番の採用基準は「いいやつ」か!
共通点は向上心を持って未来まで考えられること
――採用フロー全体を通して見ている「採用を決めるポイント」をお聞きします。
Londの採用基準は、技術が上手いとかSNSの発信が上手とかは全部置いておいて、とにかく「いいやつ」か。どうせ働くなら気持ちよく仕事をしていきたいので、「この子と一緒にサロンワークをしたら楽しいだろうな」「気持ちよく仕事できるな」という部分は、とても大切にしています。
採用の最終決定は現場の店長の采配も大きいのですが、やっぱり「いいやつ」という判断は共通しています。共通点は、斜めにいろいろなことを見ない、明るく素直な人柄。その人柄を、面接のなかで判断しています。
――実際に採用してよかったと感じる人材の共通点も同様ですか?
そうですね。あとは美容という仕事に熱量を持っている子は、向上心を感じますし、成長していくスピードも速いので、採用してよかったと感じます。
Londは入社後の教育がしっかりしている分、どこまで頑張れるかがとても重要なんです。そこで力を発揮できる人材の共通点が、素直さと熱量なんだと思います。そういう人は、目先のことだけでなく、その先まで見えているタイプが多いんです。
今の自分のことだけを考えると、ある程度お客様もいて安定しているなら、そこまで頑張らなくてもいいかと感じると思うんです。でもキャリアアップできるビジョンを見据えている子は、後輩を育てることで自分の背中を追いかけさせるような動きができる。会社としては、後者のほうがありがたい存在ですよね。
Londは創業時から教育に力を入れているので、自分が熱心に取り組んできたものを後輩が継承して、そのまた後輩に伝えてくれている。そんな様子が見られると、この子がいるお店は育ったなと感じられて、とても嬉しいです。
離職してしまうのは、
ビジネスモデルの不一致が原因
――逆に採用したけれど後悔した人や、離職してしまった人の特徴は?
多いのは「ちょっと気持ちの面が弱かったのかな」という方でしょうか。サロン見学の際にLondの社風や働き方はお伝えしていますが、美容室のなかでも稼げる分、本当に忙しいんです。それを聞いたうえで「大丈夫です」と言ってくれて採用したものの、やっぱり大丈夫じゃなかった…ということはあります。
他に離職につながるタイプとしては、やっぱり自分のことしか考えられない子は難しいかなと思います。Londは技術だけでなくSNSでの発信などの自己ブランディングの仕方も、先輩から後輩にどんどん教えていくんです。その教わったものに対して「これは自分がやったから上手くいったんだ」と思ってしまう子がたまにいて、そういうタイプは辞めてフリーランスとして活動し始めたりします。
そういったケースも、個人でやっていく方が性に合っていたということで、チームプレイを大切にするLondのビジネスモデルとのミスマッチがあったということだと思います。離職は少ないとはいえ、やっぱりそういうリスクはあるので、そのあたりは今後もしっかり伝えて、その方が目指す美容師像とのミスマッチがないようにしていきたいと思っています。
SNSがマストの時代だからこそ
学生時代からネットリテラシーや
投稿センスを磨いて
――採用を通過するために、学生時代から取り組んでおくといいことは?
やっぱり今だと、SNSじゃないでしょうか。「自分の発信」というところができていると、やっぱり今の時代は美容師以外でも強いと思います。
そのなかで、いわゆるネットリテラシー的なものをちゃんと持てているかも大切です。どんな投稿でもバズればいいわけではないし、美容師は人気商売な面もありますから。SNSで集客できる美容師になるなら、「これを投稿したら嫌な思いをする人がいる」という面を、学生のうちから理解できているといいと思います。
――そういったSNSでの活動の様子なども採用に影響する面はありますか?
サロン見学の申し込みなどは、ほとんどがInstagramのDMでのやり取りなので、文章構成や伝え方、連絡をする時間帯などが常識の範囲内で考えられているかは、やっぱり気になります。また見学前にアカウントは確認するので、投稿から好きなものやセンスなども把握はします。実際に会ったときにどうかが一番大事ですが、SNSでのやり取りも判断材料のひとつにはなっていますね。
Londのスタッフたちには
マネ―モチベーションを高く持って
どんどん輝いていって欲しい
――Londが絶対に欲しい人材とは?
やっぱり絶対条件は、明るくて素直な「いいやつ」。そして、自分が成功するだけじゃなく、他者のためにも頑張れる気持ちも必要だと思います。
あとは、絶対に必要というわけではありませんが、スター性、カリスマ性がある人材は、サロンの成長につながるので嬉しいですね。それは対外的なものでなくてもよくて、社内において周りから魅力があると感じられるくらいでいいんです。みんなを引っ張ってくれるような、リーダーシップやスター性のある人材は、会社としてもバックアップしていきたいと思います。
――これからLondを受ける方に向けて、入社後に期待することは?
まずは人気の美容師になってもらいたいです。そうなれるように会社としても教育や様々な制度を使ってバックアップしていくので、「たくさんのお客様を担当する人気の美容師になりたい」という想いを持っていて欲しいんです。「美容師はそんなに稼げない」とか「私なんか売上100万くらいでいいんです」とか、思わないで欲しい。マネ―モチベーションが高い人ほど、Londでは成功しています。
お給料がいいことがすべてではないけれど、やっぱり所得が上がって生活が変わることで、どんどんキラキラ輝いていく子たちは多いんです。しっかり稼いで、自分に投資して、さらに仕事を頑張ろうと思える。そういう子が社内にどんどん増えたらいいなと思っています。
Londが採用したい人材まとめ
1.明るくて素直な「いいやつ」
2.利他的な考えを持てる人
3.スター性があって、まわりを引っ張っていける人
取材・文:山本二季