信念と行動力があると好印象。他力ではなく自力で成功を掴む姿勢が採用のカギ!【GARDEN Tokyo代表 久分 祐太郎さん】#1
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。晴れて採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
今回は、業界でもトップクラスの技術力を維持し、注目を浴び続ける「GARDEN」が登場。創業以来、多くの有名トップスタイリストを輩出し、今なお憧れのサロンとして知られています。
「GARDEN Tokyo」の代表を務めながら、昨年度から採用を担当している久分 祐太郎さんが考える「採用」について4回にわたり、お話をお聞きします。
今回は、GARDENの採用事情について。採用フロー、求める人材など、採用全般についてお聞きします。
お話を伺ったのは…
GARDEN Tokyo代表 久分 祐太郎さん
愛媛県出身、東京美容専門学校卒業後、GARDENに入社。入社してから12年目には、THE GARDEN TOKYO代表に就任。さらに昨年、採用担当に抜擢。役職を担う一方、「カラーが得意なスタイリスト」として現役プレイヤーを務めながら、幅広い経験と知識により、お客様から絶大な信頼を集める。
例年のエントリー期間を前倒しにすることで優秀な人材を確保したい
――GARDENの採用事情を教えてください。
採用に関わるスタッフは、各サロンの代表者が主です。GARDENは、カラーやカットなどの打ち出している技術から使用する薬剤などサロンごとにこだわりがあるため、一つのサロンとして一定の人数を一括採用するのではなく、各サロンの代表者が応募者の適正を考え、1〜2名ずつ選ぶ形をとっています。
――新卒と中途、それぞれの採用までの流れは?
新卒募集のエントリー期間については、今までは5月から募集をスタートしていたのですが、今年度から4月に変更しました。事前に履歴書を送ってもらっていますが、選考の対象にはせず、エントリーしてもらえたら必ず全員と面接を行います。面接は、5月のGWあたりを予定していて、1日で朝に一次、昼に二次面接の2回を実施。そこで各サロンで必要だと思う人材だとなれば、採用が決まります。
中途の場合は、基本的に人手不足による募集が目的です。1対1で面接したあと、技術の習得具合を見させていただき、おおむね問題ないようであれば、働き始められる期間や時間帯など具体的な内容を詰めていきます。とにかく目的のために早めの対応が求められているので、後者の話を軸に面接を行うことが多いですね。
――新卒募集のエントリー期間を変更した理由は?
今は早めに就職準備をする人が多い傾向です。学校に入学するとともに、就職を視野に入れている人もいるようです。ほかのサロンだとうちよりも早いうちに募集をかけているところも多くて。後追いになっている場合じゃないなと思い、繰り上げることにしました。
――採用フローで一番重要視しているところは?
重要なのは面接だと考えています。実際に会って話さないことには、その人を分かったとは言えないなと思うんです。履歴書の時点で、この人はこの人より文字数が多いから合格、少ないから見送り…って、あまりフェアではないと思っていて。文面だけでは応募者の人柄が図れない。それなら、面と向かって話せる面接を重要視するべきだと考えたのです。
――独自の取り組みはありますか?
GARDENに興味を持ってもらえるように、会社の説明会には力を入れています。
サロンごとにコンセプトが違うところが特色なので、役職や年齢は関係なく、各店舗から何人か働いているスタッフをピックアップし、説明会で魅力を発信してもらっています。どんなところがどのように働きやすいのか、実際に働いているスタッフから聞いたら入ってきやすいと思うんです。
自分で考えて行動できること&他人に尽くせることが重要条件
――志望する方の傾向はありますか?
やはり、将来有名なスタイリストになりたい、注目される存在になりたいと考えている人が多い傾向です。既にSNSなどから自発的に発信しているスタッフが多く見受けられ、同時にしっかり注目を浴びて結果を出しています。そのときに主流な方法に捉われず、自分の利点を理解して昇華させられる人が夢を掴み取っているように感じますね。
――どんな人材を求めていますか?
僕が考える必要なことは2つほどあって。1つ目は、自分で考えて行動できる人です。入社したあとは練習、売上、それに伴うノルマが課せられ、常に期間と数字に追われます。そんな環境下でどう考えて動くのか、自分で克服しなければいけない課題にしっかり考えて取り組む姿勢がないと厳しいと感じます。常に考えながら動いて行動できるくらいの勢いがあると良いですね。
2つ目は、他人に対しても時間とパワーを使える人。後輩が悩んでいたらご飯に誘い出したり、同期から声をかけられたら話す時間を作ったり、先輩に対しても手伝いを頼まれたらすぐに動ける状態にしておいたり。人のために動ける人って、必ずお客様もついてきてくれるはずなんです。担当のお客様が増えると売上も上がるうえに、信頼を抱かれるような働きをしてこれたなら、今度は周りから助けてもらえる番。自分が他人に使った時間や想いの分だけ、返ってくると思っています。ただ、自分のことを疎かにして他人ばかり気にかけるのは良くないかな。
どちらも兼ね備えている人が理想なのですが…最初のうちから完璧にできるなんてほとんどないので、それに近しいというか、素質があると判断できたら確実に採用の決め手にはなりますね。
従来の採用方法を刷新! これからも注目されるようなサロンを目指す
――採用するにあたって、大切にしていることは?
今はさまざまなスタイルのサロンがどんどん増えていて、長く続けていくだけのブランドイメージだけでは、注目を浴びることが難しくなってきました。これからもGARDENが新鮮なサロンとして生き残り続けるためには、新しい発想や人が必要です。そのための僕の使命は、GARDENでたくさんのお客様を笑顔にするスタイリストを見つけることだと思っています。でも、その時々の時流を捉え、時代に合った方法を実施しなければ、人は集まりません。GARDENの発展を考えるのであれば、時には今までの方法を見直してみるのも必要だと考えています。
――採用担当としてのモットーをお聞かせください。
採用に関わるというのは、責任を持ってその人を育てる決意が伴います。一人ひとりの若く、新しいアイデアが誕生する瞬間とその意欲を見守り、未来を一緒に背負う気持ちで学生と向き合っています。
次回は、履歴書の重要性について伺います。
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)